今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
うつ病と不安神経症は違います、あなたは不安神経症かも知れません。
不安神経症では強い不安感や恐怖感を感じて日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
しかし、不安神経症からうつ病に移行する人も少なくないのです。
不安な気持ち続いているなら、
心配事の9割は起こらない、心配になったら口に出して言ってみてください。
不安神経症とうつ病とは違う
不安神経症とは、その名前のように、不安を主な主症状とする病気です。
不安感は誰でも、健全な人でも感じる感情ですが、不安神経症は、特別な原因や理由がないのに強い不安感や恐怖感を感じ、日常生活や仕事、勉学に支障をきたしてしまうような病気です。
最近では、不安神経症とは呼ばずに、
- 全般性不安障害
- パニック障害
- 強迫性障害
- 心的外傷後ストレス障害
など、細かく分類されています。
不安神経症では、
- 具体的な理由もなく不安感にかられる
- 常に不安が頭に残って忘れられない
- 不安のために日常生活に支障をきす
といった病的な不安に襲われるのです。
うつ病と不安神経症の違い
不安神経症とうつ病の症状は非常に似ており、精神科医でも診断が難しいといわれるのですが、症状には決定的な違いがあります。
うつ病と不安神経症との決定的な症状の違いは、
うつ病 | 不安神経症 |
やる気が出ない | やりたいけど不安でやれない |
何事にも興味が無くなる | 興味があるけど不安でできない |
悲観的になる | 関心の低下はない |
うつ病では、
悲観的になり、マイナス思考で、行動力も興味もなくなり、物事への関心も薄れてしまうのですが、
不安神経症では、
理由もなく不安がつきまとい、突然息苦しくなったり、めまいがしたりという身体的症状もあらわれるのですが、やる気の低下や関心の低下はみられないのです。
しかし実際には、
不安神経症とうつ病との区別は難しく、
不安神経症がきっかけとなり、閉じこもりや引きこもりとなり、やる気も低下して、うつ病と診断されてしまう場合も多いそうですし、
不安神経症が悪化してうつ病を引き起こしてしまうこともあるそうです。
Sponsored Link
不安神経症の種類
不安神経症は、
- 全般性不安障害
- パニック障害
- 強迫性障害
- 心的外傷後ストレス障害
と、細かく分類されるといいましたが、
その違いについて簡単に説明しましょう。
全般性不安障害
生活の中の様々なことが心配になったり、不安感を感じたりして、不安感でソワソワしたり、神経が過敏になり、リラックスできず、倦怠感、疲労感、めまい、などを感じる病気です。
不安感がコントロールできず、慢性的に不安を感じ、不安感が数か月も続いてしまいます。
パニック障害
パニック障害は、突然、今にも死んでしまうかもしれないという恐怖感に襲われたり、強い不安感に襲われ、動悸、めまい、吐き気、そして呼吸困難などのパニック発作を起こしてしまう病気です。
このパニック発作は、数秒~数分程度で収まるのですが、発作は反復して起こるため、また発作が起こるのではないかという不安感に襲われ、さらに発作が起こるという悪循環に陥るのです。
強迫性障害
強迫性障害では、抑えようとしても抑えられない強迫観念と、強迫観念による不安を打ち消すための無意味な行為を繰り返す強迫行為があります。
戸締まりをしたはずなのに何度も確認したくなったりすることや、手を洗ったのに汚れが気になってしまったりする経験は誰にでもありますが、これがエスカレートして、日常生活に支障をきたすようになってしまうのが強迫性障害です。
心的外傷後ストレス障害
最近よく耳にするPTSDといわれるものです。
事故や災害時の経験や、虐待、暴力、性的暴力などの強い精神的経験がトラウマとなって、時間を経過してもその経験に対して強い恐怖を感じてしまい、不安発作、不眠、集中困難など日常生活に支障をきたしてしまう病気です。
不安や恐怖感を感じることは誰にだってあることですが、それが長期間続いたり、身体症状が出てきたり、日常生活に支障をきたすようになるのが不安神経症なのです。
Sponsored Link
不安神経症を克服するには
不安神経症は自然治癒で治るものではありませんから、医療機関で受診する必要があります。
特に、パニック障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などは自然治癒で治るもものではありませんから、病院で治療を行う必要があります。
ってください。軽症の場合は通院して治療しますが、重症の場合は入院が必要になることもあります。
カウンセリングを受ける
不安神経症、特に全般性不安障害ではカウンセリングによって、考え方と行動を修正する認知行動療法は非常に有効だといわれています。
認知行動療法では、無意識に感じている不安の原因を探しだし、思考と行動をコントロールするのです。
生活習慣を改善する
偏りのないバランスのとれた食生活、十分な睡眠は非常に大切です。
不安だからといって家に閉じこもらず、日光に当たる、軽い運動をする、明るい人の側にいるなど、生活習慣を変えることによって好転するといわれています。
特に有効なのは、軽い有酸素運動です。
有酸素運動は、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、エクササイズなどですが、運動することでセロトニンなどの脳内物質が分泌され、不安や恐怖などのネガティブな感情への対応力が向上します。
運動は日中に太陽の光を浴びながらがより効果的です。
物事に対する考え方を換える
抗不安薬や抗うつ薬の服用で、不安や心配などは軽減します。
しかし、薬にばかり頼らず物事の考え方や行動を変化させ、不安を意識的にコントロールできるように修正します。
このサイトでも前に紹介しましたが、「心配事の9割は起こらない」という本があります。
この本は、禅僧であり、大学教授であり、庭園デザイナーでもある枡野俊明氏が書かれた本ですが、
先のことを考えず、今に集中するように説いています
先の、起こるか起こらないかのことを心配しても意味がないことなのです。
今の問題に集中して対応するだけで充分なのです。
不安や心配な気持ちが続くのは本当に辛いことです。
医療機関で受診し適切な治療を受けることが大事ですが、
薬にばかり頼らずに、時間をかけて自分のペースでゆっくり克服していくことも良い解決法なのです。
頑張りすぎないで、立ち止まることも大切で、信頼のおける人に頼ったり、自分と向き合う時間をつくって見ましょう。
心配事の9割は起こらない、心配になったら口に言ってみてください。
Sponsored Link