温泉はうつ病に良いといわれますが、本当でしょうか?
スペインの研究グループは、
温泉療法は抑うつ症状を改善した
と報告しています。
温泉はストレスや緊張から解放してくれます。
自宅でのんびりと半身浴を味わうのも効果的ですが、
日本温泉ネットワークでは、「うつ病・不眠症に効果がある温泉一覧」を発表しています。
あなたもうつ病に効果がある温泉に行ってみませんか?
温泉療法はうつ病に良い効果がある
温泉に入ることはうつ病に良いということは科学的に証明されています。
スペインのハエン大学のPedro Angel Latorre-Roman教授らの研究グループは、
温泉療法により、疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態が有意に改善した
という論文を発表しています。
Effect of a 12-day balneotherapy programme on pain, mood, sleep, and depression in healthy elderly people.
CONCLUSIONS:
In conclusion, a 12-day balneotherapy programme has a positive effect on pain, mood, sleep quality, and depression in healthy older people.
詳しく読む ⇒ 原著論文(英文)
Balneotherapyというのは入浴療法、すなわち温泉療法です。
研究グループは、
- 高齢者52例:男性23例(年齢69.74±5.19歳)、女性29例(同:70.31±6.76歳)
- 12日間の温泉療法
温泉療法は、スペイン・ハエンにある温泉付きホテルBalneario San Andresで行われました。
ホテル探しのサイト、agodaで検索するとが、凄く良いという45件の口コミがあります。
料金は1部屋1万円くらいから、4人宿泊できるがバンガロータイプでも2万円くらいです。
温泉やプール、ジャグジーなど様々な施設があるようですが、泉質は、低温(20℃以上)、重炭酸塩、硫酸塩、ナトリウム、マグネシウムを豊富に含む中硬水のアルカリイオン温泉で、日本にもある一般的な温泉です。
温泉療法プログラム
温泉治療プログラムは、スペインの政府機関であるElderly and Social Servicesが作成した hydrotherapy programmeに沿って行われたと記載されています。
Hydrotherapy programmeというのは水治療プログラムというもので、いわゆる温泉療法のことなのですが、論文の要旨には詳細な記載がありませんので、
原文を読んでまたお知らせいたしますが、
まあ、日本でいう湯治のようなもので、朝晩温泉に入って軽い運動もすると言うようなものだと思われます。
参加者には12日間の温泉治療プログラムを実施して貰い、
- 疼痛
- 気分状態
- 睡眠の質
- 抑うつ状態
について評価したのですが、抑うつ状態はGeriatric Depression Scaleを用いて評価しています。
12日間の温泉療法の結果
12日後に疼痛や抑うつ状態について評価したのですが、
- 全被験者の全て(疼痛、気分状態、睡眠、抑うつ状態)が統計学的に有意に改善した
- 女性では抑うつ症状と疲労感が有意に改善したが、男性では有意ではなかった
- 男性では疼痛が有意に改善したが、女性では有意ではなかった
ということで、
12日間の温泉療法は、気分、睡眠の質、抑うつ状態にポジティブな効果をもたらす
と結論しています。
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どこの温泉がうつ病に良いのか?
上でご紹介したように、温泉療法はうつ病に良い、との多くの報告があります。
しかし、残念ながら、今回ご紹介した論文でも、
温泉に入るとどのようなメカニズムでうつ病が改善するのか?
ということは明らかになっていません。
あなたもご存じのように、
うつ病はの大きな原因は仕事や人間関係の疲れやストレス
です。
温泉は、心身をリラックスさせ、ストレスや緊張から解放してくれるのです。
どこの温泉がうつ病に効果があるのか
インターネットで、「うつ病に良い温泉」と検索すると沢山の検索結果を見ることができます。
日本温泉ネットワークでは、「うつ病・不眠症に効果がある温泉一覧」を見ることができます。
またある温泉の紹介サイトでは、効能に「精神疾患」を挙げている温泉も有ります。
もし、あなたの近くにその様な温泉があればその温泉に行くことも良いでしょう。
しかし、
多額の交通費を使って遠くの温泉まで出掛けることは余り意味が無いことだと思われます。
うつ病に対する温泉の効果は、
ストレスや緊張を解くことによりセロトニンの分泌を高める
ことだと思われるからです。
酸性、アルカリ性、炭酸、ラジウム、、、など様々な泉質がありますが、泉質によりうつ病に対する効果が変わるとは思われません。
今回ご紹介したスペインの論文でも、
泉質は、低温(20℃以上)、重炭酸塩、硫酸塩、ナトリウム、マグネシウムを豊富に含む中硬水のアルカリイオン温泉で、日本にも良くある一般的な温泉でした。
さらに、時間や費用がない場合には、
自宅でバスクリンで温泉気分
でも有効だと思われます。
その時には、
- ぬるめの温度
- 下半身浴
で、30分とか60分とかのんびりとお湯につかり、音楽を聴いたり、本を読んだりしてみるのも良いでしょう。
温泉は緊張やストレスから開放しうつ病治療に有効であると考えられます
しかし、
自宅での半身浴でも効果があるので是非とも試してください。
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