今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患などの新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
アメリカとカナダで130万部も売れたという、
「小麦は食べるな!」という本を読みましたが、衝撃的な本でした!
あなたはもう読まれましたか?
事実、
うつ病の原因は小麦粉にあるとする研究報告もあり、
精製した小麦はうつ病などの精神疾患の原因になるというのです。
私も、小麦粉に対する考え方を改めなければならないと感じました。
その内容をご紹介したいと思います。
小麦粉はうつ病など精神疾患の原因
アメリカとカナダで130万部も売れたという、
ウィリアムス・ディビス氏の、「小麦は食べるな!」という本は衝撃的な本です。
これまでの小麦に対する認識を改めなければならないと思わせるものでした。
この本の著者であるウィリアムス・ディビス氏はアメリカの循環器病の専門医なのですが、毎日、患者の診療に当たる中で、小麦が様々な生活習慣病の原因ではないかと気づいたといいます。
そこで、およそ2,000人の患者に、小麦を食べるのを止めさせたところ、高血圧、肥満、糖尿病、心臓疾患、内臓疾患、脳疾患、精神疾患、喘息など、現代人のほとんどの生活習慣病の改善が見られたというのです。
本の中では、アメリカで食べられている小麦は異種配合による交配を繰り返し遺伝子移入が重ねられてきた品種で、品種改良の結果、
古来の品種とは全く異なってしまい現在の小麦には中毒性があり、生活習慣病などのメタボリック症候群を発症させるように変わってしまっていると指摘しているのです。
事実、小麦に含まれるグルテンは、小腸粘膜上皮に炎症を起こすセリアック病というアレルギー性疾患を引き起こし、この20年間で患者数は急激に増加し、アメリカ人の100人に1人がセリアック病が、あるいはセリアック病の症状を感じているといわれています。
この本の訳者は、順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授の白澤卓二 氏ですが、白澤氏は、これもアメリカでベストセラーになった、「いつものパンがあなたを殺す」という本の翻訳もされています。
白澤氏は、
昔の小麦ではグルテンの含有量が少なく、フワフワした食感のパンは作れなかったのですが、品種改良によってグルテン量が多い小麦によりフワフワな食感のパンを食べられるようになったのですが、昔とは性質の違う小麦、体の受け入れ体制ができていない小麦を食べているのだと述べています。
アメリカでは、小麦を食べることを止め、白米に切り替えているヒトも増えているそうです。
グルテン (gluten) とは小麦、大麦、ライ麦などの胚乳に含まれる蛋白質の一種で、パンや麺類など、小麦の加工品を作る上で弾性や柔軟性をもたせ、膨張を助ける重要な成分です。
小麦粉を食べすぎるとうつ病になる
古くから、うつ病などの精神疾患には小麦粉に含まれているグルテンやカゼインが悪影響を及ぼしているという考えがありました。
グルテンフリーやカゼインフリーの食事を、自閉症や統合失調症の患者に与えることによって、自閉症や統合失調症の症状が改善されるという多くの研究報告があります。
アメリカのコロンビア大学のJames Gangwisch氏らのグループは、2015年8月、白パン、や白米、ソーダなどに含まれている精製炭水化物を多量に摂っていると、肥満になるだけでなくうつ病のリスクも高まる可能性があるとAmerican Journal of Clinical Nutritionに、報告しています。
詳しく見る ⇒ コチラ(High glycemic index diet as a risk factor for depression)
精製炭水化物とは、玄米を精米して白米にするように、外皮や胚芽を取り除いた米や小麦のことで、精製することによってビタミンや多くの栄養素が除かれてしまいます。精製していない小麦は全粒粉といわれ全粒粉パンなどが作られます。全粒粉は栄養素が高いだけでなく、食物繊維が多いので糖尿病にも良いとされます。
研究グループは、
- アメリカの医療施設に入院中
- 女性(50~79歳)の女性70,000人
- 栄養と精神状態の検査
そして、3年間にわたって追跡調査を行ったのですが、
- 精製炭水化物の摂取量が多い人ほど血糖値が高い
- 精製炭水化物の摂取量が多い人ほどうつ病を発症
という結果が得られたと報告しています。
さらに、
全粒穀物、野菜、果物、食物繊維を多く摂るとうつ病のリスクが低下する
ということが明らかになり、
研究グループは、
精製炭水化物の摂取とうつ病の発症について直接的な因果関係は判明していないが、
うつ病患者が炭水化物を摂りたがる傾向があることはよく知られており、
精製炭水化物をたくさん摂取する食後に高血糖になり、血糖値が急激に上昇低下することにより、不安、被刺激性が増大した可能性があるとコメントしています。
さらに、鳥取大学の研究グループは、「β-ヒドロキシ酪酸はうつ病を改善する|との論文を発表しており、血糖低下によるβ-ヒドロキシ酪酸が関与していることも考えられるのです。
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小麦のグルテン過敏症でうつ病症状
アマリカでは、100人に1人が、グルテンに対して過敏になるセリアック病を発症しているといわれていますが、グルテンの摂取によって起こる病気はセリアック病の他にも、グルテン過敏症(非セアリックグルテン過敏症)があります。
セリアック病は小腸の腸絨毛が損傷される病気ですが、グルテン過敏症は腸に炎症反応が起こる病気です。
グルテン過敏症では、頭痛、低血糖症、体力低下などの身体症状がみられますが、精神的な症状も現われます。
グルテン過敏症における精神症状
- 倦怠感
- 気力低下
- 情緒不安定
- 集中力低下
- 不眠
などですが、うつ病と非常に似た症状なのです。
グルテン摂取によりADHDや統合失調症が、、
グルテン摂取により、
うつ病以外にも
- ADHDや統合失調症のリスクが高くなる
という報告や、
- グルテンフリーによりこれらの症状が改善された
という報告もあります。
さらに、グルテンが分解されてできるエクソルフィンという物質は、統合失調症が自閉症、ADHDの行動異常や、大人の認知症な関与しているとする報告もあります。
この、エクソルフィンを食べることによって多幸感が生みだされるため、小麦のモルヒネともいわれ、エクソルフィンを生む食品(小麦)を食べないと不快な禁断症状を感じる人もおり、小麦中毒と称されることもあります。
ジョコビッチは小麦粉カットで好成績
プロテニス世界ランキング1位のジョコビッチ選手は小麦粉フリーを実践しています。
以前は、体調不良や、試合中に突然足が動かなくなったり、力が抜けたりすることが度々あり、吐き気を感じたり、胸が締め付けられて呼吸困難になることも多かったのだそうですが、グルテン不耐症でセリアック病であることが判明し、2010年以降は小麦の摂取を止めたそうです。
ジョコビッチ選手の親はピザ屋を経営していたことからピザやパンが大好物だったのだそうですが、現在はパンやピザ、ビスケットなどの小麦粉を原料とする加工食品は一切口にせず、パスタも小麦粉ではなくキヌア(アカザ科の穀物)やそば粉で作ったパスタを食べているそうです。
グルテンフリーは、アメリカやヨーロッパで大人気のダイエット法にもなっており、日本でもグルテンフリーダイエットの教本がたくさん出版されていますが、世界ランキング1位のテニスプレイヤーであるジョコビッチ選手が小麦粉の摂取を断ったことで劇的に生まれ変わったという事実は非常に説得力があります。
彼は本の中でこう語りかけています、
とにかく、2週間、グルテンを完全に断つ。
そして、15日目にパンを少しだけ食べて様子をみてほしい。
その時、あなたの体は何を語りかけるだろうか?
私もやってみようかと思っていますが、完全なグルテンフリーは難しそうですので、
- 食パンを全粒粉のパンにする
- 白米を玄米にする
ということから始めたらどうでしょうか?
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