今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
「心療内科に行く前に食事を変えなさい」という本を購入しました。
実は1年半ほど前に購入したのですが、余り真面目に読んでいなかったのです。
この本を書いたのは、テレビ“主治医が見つかる診療所”で人気の“栄養番長”こと姫野友美医師です。
うつ病の治療には食事の見直しは不可欠ということで読み直ししてみましたが、
ストレスにより脳の神経伝達物質が消費されて不足し、
うつ病では脳がエネルギー不足の状態
だというのです。
そして、うつ病の回復にはあるミネラルの補給が重要だということがわかったというのです。
心療内科に行く前に食事を変えなさい を買いました
「心療内科に行く前に食事を変えなさい」という本をを買いました。
この本は、姫野友美という女医さんが書かれた本です。
初版は2010年7月ですから、もう6年前になるのですね、、、。
姫野友美氏は東京医科歯科大学を卒業して、現在は日本薬科大学の漢方薬学の教授もしていますが、「ひめのともみクリニック」という東京・品川にあるクリニックの院長をしています。
ひめのともみクリニックは、
心身医学、東洋医学、栄養医学を3本の柱として、心と体の両方へ働きかける最も新しい医療を行います、ということで、心療内科、内科、呼吸器科、禁煙外来、メタボ糖尿病外来など、多岐の診療をしているようです。
さて、姫野氏も以前は普通の心療内科として日本で行われているスタンダードな心療内科の診察をしていたのだそうですが、2005年に、「必要栄養素を血液検査データから選ぶ医療機関ならではの栄養法」という講演会で、
不定愁訴の原因のほとんどは鉄欠乏である
という、溝口徹医師の講義を受け、分子整合栄養医学に基づく栄養療法に目覚めたのだそうです。
分子整合栄養医学に基づく栄養療法というのは、
人間の体は全て食事として摂取した栄養素から成り立っており体内の栄養素(体内分子)を本来あるべき状態に整えると自然治癒力が高まり、病気を防ぎ、改善し、予防する、というものです。
要するに、栄養素の不均衡によって病にになり、栄養素の不均衡を是正すれば病気は自然治癒するというものです。
心療内科に行く前に食事を変えなさい の評判
さて、内容をご紹介する前に読者の評判をAmazoの購入サイトからピックアップしてみました。
49の書評が寄せられていますがら、かなり評判になっているようです。
さて、☆の数が多い方から、、、
☆☆☆☆☆ うつ病患者必読の本です
うつ病を15年患いました。今でも毎月カウンセリングに行っています。この本を妻から紹介されました。妻が著者の発表を聞きに行ったのがきっかけです。内容は、心療内科医である著者が、栄養療法の立場から「心の不調」に対する解決方法を説いています。とてもわかりやすいです。前書きにある、著者の「この本を書いた経緯」が素直に書かれていて、患者である私も「心療内科医も悩んでいるんだ。」と驚きました。患者さんを治したい気持ちが伝わる力作です。薬やカウンセリングだけに頼らない「第3の方法」と思います。手軽に家庭でできる対処法です。普段から栄養バランスを整えていることで、ここ一番の時に、乗り越えられる希望のメッセージです。読んでから、食事療法を始めて10キロの減量に成功しました。23年前のスーツが着れるようになりました。ぜひお読みください。
☆☆☆☆☆ 抑うつ2年半目
ふと目に止まり、買いました。
ストレスが溜まると中古本を買いあさってしまいます。w
これを読んで本当に良かった!!
投薬にも意味があるのか、私って本当に何か前進できているのか?いつも悩んでます。
でも、この本を読んだら・・・私の今の状態って食生活からきてるんでは????と思えて。
当てはまる所が多いので!!確かに脳の状態を薬だけでコントロールしても一時的なことですよね。
体は食べた物で作られています。自分の糖質過多にもびっくりしたし
身の周りのものが糖質だらけなことにもびっくり!
脳がヨロヨロな状態に自分自身疲れ切ってます。集中力はなく、やる気もなく、体も動かない。
食生活を大事にしてなかったこの2年半・・・変えないといけないと思います。
それだけ、納得できる本でした。
出会えて良かった本です。他にも今糖質関連の本を読みまくってます。
と、なかなか評判が良いようです。
しかし、必ずしも良い評判ばかりではなく、
☆☆ 食事ばかりではない。
うつ病とか精神的病も食事の影響もあるかもしれませんが、他の病が隠れている場合もあります。例えば甲状腺の病気などでもうつ病みたいな症状が出ます。
精神科の先生は問診のみで病状を判断される方も多いと思いますが、血液検査やMRIのような画像検査も必要な場合もあると思います。
検査してから治療しないと他の病なのにもかかわらず必要のない抗うつ剤を飲む羽目になったりしかねないからです。
うつ病だと思っていたのが、検査したら脳梗塞だったケースもあるようなので検査は必要だと思います。
☆☆ 注意!参考程度に読む本です。
形式: 単行本(ソフトカバー)
こちらの本、凄い絶賛されてますね。 私は逆流性食道炎(今はほぼ完治)がありました、軽い自律神経失調症でもあります。良い所は、こちらの分野について 詳しく調べられたのでしょう。 図やグラフなどがわかりやすく、チェック項目に寄ってどんな栄養が足りないなど わかりやすい所、自分の食生活を見直すきっかけになったのは良かったです。
特にタンパク質や鉄分が足りないのは 私もそうだったので。 ですが、一番の問題はこの本を参考にして食生活をすると 食べ過ぎてしまうこと。
そして、患者さんの事例があからさまな偏った食事だった事。 こんな食べ方をしていればそりゃ体悪くなるだろと。 そりゃ検索でもすぐに差が出るだろうと。 そして、甘い物を食べたくなった時に カロリーゼロや糖質ゼロ食品をすすめている事。 これは意外でした。
そして雑穀や豆類の皮に含まれるフィチン酸が非ヘム鉄、ヘム鉄の吸収を阻害するとありましたが ではどれだけの玄米や豆類を食べなければ影響が少ないのか、そもそもフィチン酸単体に問題があるのか、 豆そのものとしては問題があるのかなど そこについての食べ方などの指南が無かったのも残念でした。
気付く事、知識を得る分には参考程度ならまあ 有りかなといった感じでした。 食生活を見直すきっかけにすすめたいと思います。
と、余り評価していないものもありますが、、。
しかし、49の書評が寄せられ、平均が4.2(5点満点)ですから、非常に評判が良い本だといえるのではないでしょうか。
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「心療内科に行く前に食事を変えなさい」の内容
内容はというと、、、
一言で言うのは難しいのですが、姫野氏の考えを表している文中の文章があります。
心療内科に来る患者さんの血液検査を行って栄養状態を調べてみると、99%は「栄養不足」に陥っていることがわかったのです。
ちょっと過激な文章ですが、この本の内容を表している文章だと思います。
ストレスに晒されて脳内の神経伝達物質が枯渇していく状態を車に例えるとバッテリーが切れ、脳がエネルギーダウンした状態です。
このバッテリーは休むだけでは充電しないのです。
抗うつ薬を飲めば一時的に良くなりますがそれは一時的に脳内神経伝達物質が増えた性です。
抗うつ薬は脳内物質のリサイクルを行っているだけで、リサイクルには限界があります。
脳の栄養が足りないからバッテリー不足になるのです。
というのが、この本の柱になっています。
一番先に書きましたが、姫野氏が心療内科で栄養療法を始めるきっかけになったのは、
不定愁訴の原因のほとんどは鉄欠乏である。
という溝口徹医師の分子整合栄養医学に基づく栄養療法に共感を得たからなのです。
ヘム鉄を摂取すれば、
- 寝起きの悪さ
- 疲れやすさ
- 頭痛
- 動悸
- 息切れ
などの身体症状が改善されるという溝口徹医師の講演内容を内容を聞いて驚き、また自分で実践して共感したからなのです。
栄養素としての鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
- ヘム鉄 : 肉や魚に含まれ
- 非ヘム鉄 : はひじきやほうれん草、プルーンなどに含まれる
のです。
同じ鉄なのですが、ヘム鉄と非ヘム鉄は吸収率が6倍近くも違い、ヘム鉄の方が圧倒的に吸収率が良いのです。
脳の栄養不足には5つのタイプがある
姫野氏は脳の栄養不足を5つのタイプに分けています。
書中には各栄養不足のタイプを見分けるチェックリストがあり、「あなたはどのタイプか?」とチェックすることができるようになっています。
- 鉄不足タイプ
- ビタミンB群不足タイプ
- 蛋白質不足タイプ
- カルシウム不足タイプ
- 低血糖タイプ
そして、各栄養不足のタイプでは現れる症状が違い、
- 鉄不足タイプ → 注意力散漫
- ビタミンB群不足タイプ → やる気が出ない
- 蛋白質不足タイプ → ぐるぐる思考
- カルシウム不足タイプ → イライラする
- 低血糖タイプ → キレやすい
という行動特徴があるとして、それぞれにタイプに合った食事法を指導しています。
どのような食品を摂ったら良いか、どんなメニューが良いか、親切に書かれています。
カロリー制限よりは糖質制限を
もう一つ姫野氏が提唱しているのは、糖質制限です。
糖質制限とは、炭水化物の摂取量を減らす食事療法です。
糖尿病の食事療法では、摂取カロリーを制限する食事療法と、炭水化物の量は減らすがカロリーは気にしないで良いという食事療法があります。
日本糖尿病学会ではカロリー制限を提唱していますが、最近の潮流としては糖尿病では糖質制限が良いと言うことで、アメリカ糖尿病学会では糖尿病の食事療法の1つとして糖質制限を取り入れています。
姫野氏はクリニックでは糖質制限を提唱しており、この本の中でも糖質制限を提唱し、指導しています。
書評の中で、「10キロの減量に成功した」と書かれているか違いましたが、糖質制限食を実践したからでしょう。
結果にコミットする、のキャッチコピーで有名なライザップは炭水化物を全く摂らない、糖質ゼロの食事法です。
糖質制限は、ダイエット効果や血糖値を下げるだけでなく、うつ病にも効果があるといわれています。
また、近々ご紹介する予定ですが、「糖尿病とうつ病の原因は小麦粉」だとする報告もあるのです。
うつ病は食事療法だけで治るとはいえませんが、
うつ病は生活習慣病だとする科学的な報告もあるように、うつ病の改善には食事も非常に重要です。
ファストフード中心の食事、不規則な食事、あなたの食事は大丈夫でしょうか。
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