今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
産後うつ病が増えており妊産婦の10人に1人が産後うつ病になるそうです。
産後の急激なホルモン変化によって妊婦の誰でもが経験するマタニティーブルーは2週間程度で自然に回復するのですが、
マタニティーブルーが長引き産後うつ病になる妊婦が多いのです。
妊産婦の誰でもが産後うつ病になるリスクがあるのですが、
特に、共稼ぎの家庭で産後うつ病の発症リスクが高いのだそうです。
あなたの家庭は共稼ぎですか?
新婚家庭の8割は共稼ぎだといわれますが、
共稼ぎ家庭で産後うつ病を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか。
産後うつ病は共稼ぎの家庭ほど要注意
マタニティーブルーや産後うつ病は10人に1人の割合で発症し1人目では何ともなかったのに、2人目以降の出産で産後うつ病になる人も多いそうです。
東京・渋谷区の広尾レディースの宗田聡院長は、
産後うつ病はどうして発症するのか、「明確な理由はわかっていない」と述べています。
一般的には、産後うつ病の原因は、
妊娠・出産によるホルモンバランスの変化
だといわれていますが、
- 子供の因子 : 夜泣き、ミルクを飲まない、未熟児出産、乳児の先天性な疾患
- 環境因子 : 核家族化、離職による収入減、夫との関係
- 本人の性格や気質
などが、複雑にに絡み合って発症の引き金となっているのだそうです。
産後うつ病が急増している背景には、
- 共稼ぎ
- 核家族化
も、大きな要因ではないかといわれています。
共稼ぎは産後うつ病を増やす
女性の社会進出が進み、それに伴って、出産の高齢化が進んでいます。
また社会全体で産休の制度が整い、出産間際まで仕事を続ける女性も多くなっており、分娩の直前まで仕事やプライベートなどでのストレスにさらされる時間が長くなり、出産に備える心構えができないまま分娩に臨む妊婦が多くなっています。
出産までは、キャリアとして、てきぱきと段取りよく仕事をしてきた女性にとって、育児はそのパターンが一転するのです。
- 予定通りに物事が進まない
- 片づけても片づけても仕事が増える
- 乳児がむずかってもどうして良いか分からない
- 自由時間がない
- 授乳による睡眠不足
これらのストレスが誘因となって産後うつ病を発症してしまう女性が多いのだそうだ。
核家族化は産後うつ病を増やす
かつては両親や祖父母と暮らすのは当たり前でした。
しかし現在、多くの家庭は夫婦二人だけの家庭が当たり前です。
両親や祖父母と暮らす生活では、
- 母親は育児のベテラン
- 祖母は育児の超ベテラン
ですから、初めてのお産でも、初めての育児でも全く心配なく迎えることができたのです。
家事のおいても当然分業ですから、妊娠中も分娩後も家事の時間は半分やそれ以下で済んだのですが、夫婦二人の生活では家事や育児のほとんど全てが妻の肩に掛かってくるのです。
核家族化の生活では、妊婦や産婦は孤立化し育児の相談相手もなく悶々としてしまうのです。
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産後うつ病を防ぐには夫との関係改善
産後うつ病の原因には環境因子も関係すると述べましたが、夫との関係も大きな要因です。
最近は、イクメンブームで育児に協力する夫も増えたとはいいながら、仕事で疲れて帰ってきた夫が必ずしも育児や家事に協力的だとはいえないのが現状です。
心理カウンセラーの田中勝悟氏は、
「産後うつ病の原因の1つには人間関係、つまり夫との関係があります」と述べています。
- 夫婦間での価値観の摺り合わせ
- 普段の何気ない心遣い
が大切だとしています。
小さいことでも、チリも積もれば山となるとのことわざ通り、産後うつ病の原因になってしまう可能性があるのですと述べています。
アマリカの精神科医であるウイリアム・グラッサー氏が提唱した選択理論心理学では、
人間関係を破壊する“致命的な7つの習慣”を挙げています。
- 批判する
- 文句を言う
- 責める
- ガミガミ言う
- 脅す
- 罰する
- 褒美で釣る
といった言動が人を傷つけ人間関係を壊すのだそうですが、こころに突き刺さります、、。
心理カウンセラーの田中勝悟氏は、
この致命的な7つの習慣を模して、
産後の夫婦関係を壊す夫が言ってはいけない7つのフレーズ
を挙げてげています。
- この味の方が好きだから、今度からこのように作って
- お前のせいで仕事に支障が出ちゃった
- 何で家にいるのにくつろげないんだ
- 俺だったらそれくらい簡単にできる
- 子ども産んだらまたすぐ働いてくれよ
- 明日の仕事に響くから別の部屋に行ってくれ
- 家事がちゃんとできたら、欲しがってた物を買ってあげる
夫はこのような言葉をつい言ってしまいがちだと思います。
何気なく、、、
しかし、こんな言葉で貴女は大きく傷ついてしまうのです、、、
そして、少しづつ夫婦間の距離が開いていってしまうのです。
そんなときには、妻の方から、
「こういうことは言わないで、、」というべきなのです。
また、妊娠中からお互いに話し合い、お互いの信頼関係を深め、価値観を共有しておくことが大事なのです。
共稼ぎでは妊娠中の貴女は、
- 仕事の残務整理
- 分娩後の準備
- 日常の家事
に追われて、夫婦間の話し合いや、子供が生まれてからのことなどを夫と話し合う時間を忘れてしまっていることでしょう。
しかし、
妊娠中に分娩後のことを充分話し合っておくことが大事なのです。
産後うつ病ではないかと思ったら自己診断
しかし、産後うつ病だと感じたら、どうすれば良い?
産後に自分の状態が少しでもおかしいと感じたら、助けを求めることが大事です。
- イライラして怒りやすくなった
- 分けもなく悲しく自信がなくなる
- 育児を放り投げたくなる
こんな時には、自分独りで悩むことが一番いけないことなのです。
同居の家族がいれば気づいてくれるかも知れませんが、核家族で夫はいつも帰りが遅い状況ではなかなか難しいでしょうが、
- イライラして夫に当たるだけではなく
- 自分の気持ちがおかしいことを訴えるべき
なのです。
そんな場合にはEPDS(エジンバラ産後うつ病自己調査票)という自己チェックシートがあるので、それを活用するのもひとつの方法です。
問診票の質問に答えていくだけで、今、自分が精神的な問題を抱えているのかどうかが判断できるようになっています。
しかし、一番良い方法は、
人と話をすること
なのです。
実家の母が無理であれば、相談窓口はたくさんあります。
産後うつ病は、出産後ほぼ1年以内に発症するため、医療機関での1ヵ月健診や、地域の保健所がチェックシートを活用する試みも始まっています。
産後うつ病は誰にでも起こり得る可能性があり貴女が悪いわけではないのです。
多くの人が産後うつ病で悩んでいるのです。
独りで悶々と悩むことが産後うつ病を招いてしまうのです。
声を出して、自分の気持ちを打ち明けることが一番の解決法なのです。
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