日本人の15人に1人がうつ病になるといわれうつ病はありふれた病気になってしまいました。
うつ病は40歳代の女性に最も多いといわれてきたのですが、いまやうつ病は大人だけの病気ではありません。
小中学生でもうつ病が増えており、
中学生の22.8%がうつ症状
だったとの報告もあるのです。
うつ病の大きな原因は精神的なストレスだといわれていますが、
子供のうつ病は睡眠不足が原因
なのです。
あなたのお子さんは充分に睡眠を取っていますか?
子供のうつ病が増えている
日本人の約15人に1人が一生のうちにうつ病に罹るといわれるほど、現代ではうつ病は非常にありふれた病気になっています。
うつ病になるのは大人だけではなく、子供にもうつ病が多いのです。
北海道大学の傳田健三氏は、
2003年に札幌市や千歳市などの小中学生2万人に、
- 何をしても楽しくない
- 生きていても仕方がない
などの抑うつ症状に関するアンケート調査を行い3,331名から回答を得ていますが、
小学生で12人に1人が、中学生で4人に1人の割合で抑うつ群症状と考えられ、
- 小学生の7.8%が抑うつ傾向
- 中学生の22.8%が抑うつ傾向
だったと報告しています。
また、
2007年の千歳市の小学4年~中学1年生738人を対象に、
複数の精神科医が面接調査を実施したところ、
- 738人中11人がうつ病と診断
- 中学1年生の4.1%がうつ病と診断
中学1年生の4.1%は大人のうつ病の罹患率にも相当し、
子供のうつ病も非常に深刻なのです。
子供のうつ病には注意が必要
子どもは大人と違い、落ち込んでいることを言葉にして表現できない。憂うつな気分を表すため、腹痛や頭痛を訴えたり、イライラして、暴力的になったりする
また、表に出さない傾向も多く、抑うつ気分を他人に気づかれるのを嫌がり、部屋に閉じこもったり、ひとりでいたがるように
子供のうつ病の身体症状や行動変化
子供のうつ病の身体症状
子供のうつ病では、大人のうつ病で見られる「無気力」、「やる気がなさそう」などの外見の変化では気づきにくいと言われます。
子供のうつ病で見られる身体症状は、
- 食欲不振
- 体重減少や体重が増えない
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気
- めまい
などだといわれ、風邪かな、、と見落とされたりしてしまいます。
また、言葉でうまく説明できないため、「頭が痛い」、「お腹が痛い」などといった言い方をすることが多く、親は子供が学校に行きたくないために仮病を使っていると思ってしまいます。
北海道の傳田氏の調査でも、うつ病にはなっていなくても、抑うつ症状の子供はかなり多いといわれますが、小学生や中学生の低学年では、「憂うつな気分」や「何をしても楽しくない」などを上手く表現できないのです。
また、その苦しさを伝える事ができないことから、ちょっとしたことでイライラして感情的になったり、反抗的な行動をとったりしてしまいがちなのです。
抑うつ状態による行動の変化も大人とは少し違い、
子供のうつ病の行動変化
- イライラしている
- 注意力が低下
- 集中できない
- 黙り込んで寡黙
- 不登校、引きこもり
- 成績が落ちる
イライラしたり、注意力が低下したり、黙り込んだりしてしまいます。
抑うつ気分を親に気づかれたくないため、部屋に閉じこもったりすることも多く、親は友人関係のトラブルやイジメに遭っているのかなどと勘違いしてしまうことも多いのです。
このような症状が2週間以上続いているなら、うつ病の可能性があるともいわれますから、小児科などを受診し、身体的には異常がなければ児童精神科を受診してみることも必要です。
しかし、いずれにしても、素人判断は避けるべきです。
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子供のうつ病の原因は睡眠不足
小学生や中学生などのうつ病の原因は完全には解明されていませんんが、
75%は 親子関係や友人関係が原因
で、さらに学校での状況など、身近な人などとの交流における心理学的要因が主な原因であると考えられています。
2016年6月19日の毎日新聞・「こころの天気図」において、
東京大学の佐々木司教授は、
中学生のうつ病には睡眠時間が大きく関わっている
と述べています。
睡眠時間はうつ病などの精神の不調と極めて明確に関係しており、
睡眠時間が7時間を切るようになるとうつ病のリスクが非常に高くなるのです。
子供の睡眠不足で起こる悪影響
子供は、幼児期になり保育園などに通う年齢になると「朝起きて夜眠る」という大人と同じ生活リズムに近づくのですが、
大人と子供では必要な睡眠時間が異なるために、
大人に合わせた生活リズムでは子供は必然的に睡眠不足になってしまうのです。
各年齢で必要な睡眠時間は、
- 1~3歳 : 12~14時間
- 4~6歳 : 10~13時間
- 6~12歳 : 10~11時間
- 13~18歳 : 8.5~9.5時間
- 成人 : 7~9時間
小学生の高学年から中学生では、10時間~8時間半の睡眠時間が必要なのです。
睡眠不足の子供では、体の成長が遅れるだけでなく、
肥満傾向、知能の発達の遅れ、運動神経の発達の遅れなど、様々な悪影響が起きると言われています。
- 肥満傾向
- 知能の発達が遅れる
- 集中力や記憶力の低下
- 運動神経の発達が遅れ
- 性的成熟が早まる
- 体の成長の遅れ
- 免疫力が下がる
- アレルギーになりやすい
- 情緒が不安定になりやすい
睡眠不足は肉体的な悪影響だけでなく精神面にも悪影響を与えるのです。
睡眠中には成長ホルモンが分泌されるのですが、夜更かしや睡眠不足では成長ホルモンの分泌量が減少してしまいます。
さらに、
睡眠不足では交感神経の活動(興奮)時間が長くなることから、血圧や脈拍が高くなりやすく、インスリンの効果が低減して血糖値が上がりやすくなり、肥満につながります。
また、
交感神経の興奮により分泌されるノルアドレナリンの働きにより、
- すぐにイライラしたり
- 急にキレて怒り出したり
といった情緒不安定になりやすくなるのです。
子供のうつ病が増えています。
子供のうつ病には睡眠不足も大きく影響を与えています。
睡眠は時間ではなく質が問題ですが、年齢に必要な睡眠時間を取る必要があります。
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