今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
産後女性の10~15%が産後うつ病にかかるといわれ大きな社会問題になっています。
愛媛大学の研究グループは、
妊娠中の牛乳摂取には産後うつ病の予防効果がある
と発表しました。
妊娠中の貴女は牛乳を飲んでいますか?
産後うつ病を予防するために、もう一杯、牛乳を飲みましょう。
妊娠中の牛乳摂取は産後うつ病を予防する
産後うつ病が急増しています。
東京都では、2005~2014年の10年間に産後うつ病での自殺者が63人に上るなど大きな社会問題になっています。
愛媛大学は、
妊娠中の牛乳摂取には産後うつ病の予防効果がある
と、プレスリリースしました。
詳しく見る ⇒ 愛媛大学プレスリリース
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愛媛大学が主導する共同研究チーム(国立保健医療科学院、東京大学、琉球大学)は、
妊娠中の牛乳摂取が産後うつ症状に予防効果があることを示唆する研究成果を上げ、2016年6月3日発行の学術誌Nutrition Researchに掲載されたと発表しました。
乳製品の摂取と産後うつ病の関係についての疫学研究は、日本人を対象とした研究が1つあるだけで、その研究においても乳製品摂取とうつ病との関連は明らかでなく、今回、世界で初めての成果だそうです。
掲 載 誌 Nutrition Research
論文タイトル Milk intake during pregnancy is inversely associated with the risk of postpartum depressive symptoms in Japan : The Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study
九州・沖縄 母子保健研究 4ヶ月時追跡調査の結果:妊娠中乳製品、カルシウム及びビタミン D 摂取と産後うつ症状リスクとの関連
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試験の内容は、
- 調査対象 : 1,319 名の母親
- 栄養調査 : 妊娠中に diet historyquestionnaire を用いて栄養の情報を収集
- うつ病の診断 : 分娩後生後 3~4 ヶ月時に EdinburghPostnatal Depression Scale にて診断
その結果、
- 母親の8.2%で産後うつ病の症状を確認
- 妊娠中の牛乳摂取が最も多い群と2 番目に多い群では最も少ない群より産後うつ病のリスクが有意に低下
- 総乳製品、ヨーグルト、チーズ、カルシウム、ビタミンD 摂取では産後うつ病と有意な関連はなかった
という成績が得られたのです。
上の表は愛媛大学のプレスリリースによるものです。
牛乳の摂取量は、0~187.5までの4群に分けています。単位が書いてありませんが、mlだと思われます。
(原著論文を読んで、詳しいいことが分かったらできるだけ早く追記いたします)
妊娠中は多くの妊婦さんはカルシウム不足を補うために牛乳を飲んでいると思います。
これからは、
産後うつ病を予防するために、もう一杯、牛乳を飲みましょう。