最近、新型うつ病という言葉を良く見聞きします。
新型うつ病とは、新型インフルエンザのように、新しいうつ病なのでしょうか?
新型うつ病と従来のうつ病はどのように違うのでしょうか?
いいえ、新型うつ病は新しいうつ病ではありません。
新型うつ病は、従来のうつ病でみられるような症状がみられないうつ病のことです。
ですから、
新型うつ病はナマケ病といわれたりするのですがうつ病じゃないからと放置してはいけません。
症状はあまりありませんが苦しい気持ちはうつ病と同じなのです。
新型うつ病は病名ではない
日本うつ病学会のホームページにこのような質問がありました。
Q4.
新型うつ病が増えていると聞きます。新型うつ病とはどのようなものでしょうか?
これに対して、日本うつ病学会ではこのように答えています。
A4.
結論から述べますと、「新型うつ病」という専門用語はありません。むろん精神医学的に厳密な定義はなく、そもそもその概念すら学術誌や学会などで検討されたものではありません。
そうなんです、新型うつ病という病名はないのです。
新型うつ病という名前は、立教大学現代心理学部教授で精神科医でもある香山リカ氏が、皇室の方を「新型うつ病」、「現代型うつ病」と言ったということに端を発していると言われている。
しかし、香山氏はある対談で、下記の様に述べている。
香山
これは完全にジャーナリスティックな用語です。医学用語ではありません。、、、、、、。
場面によってあまり にも症状が違うという、会社や仕事、 学校に関係したときにはうつで、そう でないときにはわりと元気という、新型というタイプ は、従来のうつ病の分類に当て はまらないという意味で、「これって 新型じゃないの」というのがマスコミ とかで使っているというか、独り歩き していますけれども、実は別にきちん とした診断概念として確立しているわ けではないので、病名としてカルテに 新型うつとか記載することはありませ ん。
香山リカはペンネームで、本名は金梨花という在日韓国人で、中塚尚子という通名を使っている、、とかもいわれています。これは関係ないことですが、、。
しかし、ネット上には、
典型的うつ病と新型うつ病は、似て非なる別々の病気だと考えます。
誤解を恐れず大胆にいうと、典型的うつ病を「生物学的うつ病」、そして新型うつ病を「社会文化的うつ病」と命名したいと思います。
という記載もあれば、
20代に流行る「新型うつ病」の特徴は以下の様なものがある自分の好きな仕事や活動の時だけ元気になる身体的疲労感や不調感を伴うことが多い。自責感に乏しく、他罰的で会社や上司のせいにしがち。
医療法人〇〇会理事長は「放置しておくと前頭葉の機能が低下し、性格が幼稚化してしまう恐れもある」としている。
など、新型うつ病が医学用語であるかのように記載しているものも多い。
東京大学は、「うつ・いっぽ・いっぽ」というサイトを開設し、自分の状態を知り、そして“うつ”に上手に対処するのを支援するために開設しました、としていますが、そこのQ&Aコーナーに置いても、
Q4 「新型うつ」と「うつ病」はどう違うのでしょうか?
A 「わがまま」と思われがちな「新型うつ」は従来の“うつ病”とは症状の現れ方が違いますが、「苦しい」という気持ちは“うつ病”と変わりありません。
と記載しています。
新型うつ病の本当の名前は非定型うつ病
しかし、東京大学の「うつ・いっぽ・いっぽ」のサイトでも、
従来の“うつ病”のイメージは、几帳面で責任感が強い人がかかりやすいもので、かかると趣味も楽しめなくなる、というものでした。ところが近年では、このイメージに当てはまらない「新型うつ(非定型うつ)」が急増しています。
と書いており、
新型うつ病 = 非定型うつ病
としています。
日本うつ病学会でも、
る「非定型うつ病」は、教科書的なうつ病のプロトタイプに合致しないうつ病・抑うつ状態を広く指して用いられ、「新型うつ病」とほぼ同義に扱われることもあるようです。
としていますから、
新型うつ病 = 非定型うつ病
と考えて良いでしょう。
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非定型うつ病とは
それでは、非定型うつ病とはどんなうつ病なのでしょう。
日本うつ病学会では、
非定型うつ病の特徴は、
- 若年者に多く、全体に軽症で、訴える症状は軽症のうつ病と判断が難しい。
- 仕事では抑うつ的になる、あるいは仕事を回避する傾向があるが、ところが余暇は楽しく過ごせる。
- 仕事や学業上の困難をきっかけに発症する。
- 患者の病前性格として、“成熟度が低く、規範や秩序あるいは他者への配慮に乏しい”などが指摘される。
だとしています。
と、一見、若者のナマケ病のように見えてしまうのです。
うつ病の分類
我が国においても、うつ病の診断はアメリカ精神医学会が出しているDSM-5いう診断基準が用いられます。
DNS-5には「気分障害」という項目があり、「うつ病性障害」と「双極性障害」に分けています。
さらに、うつ病性障害の中には、一定の症状の特徴や重症度のある「大うつ病」と、あまり重症でないものの長期間持続する「気分変調性障害」に分かれています。
詳しく見る ⇒ うつ病の種類と特徴を理解してください
この中で、非定型性うつ病は、どちらにも属さないうつ症状だといえるのです。
新型うつ病という病名はなく、正式には非定型性うつ病と言われます。
新型うつ病は、うつ病とは症状の現れ方が違い、「わがまま」と思われがちです。
しかし、
新型うつ病も、「苦しい気持ち」、「辛い気持ち」にはうつ病と変わりありません。
迷わずに専門医の受診を受けることが大事です。
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