カルピスはうつ病に良い
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
ヤクルトはうつ病に良い飲み物だということはこの前お話ししました。
乳酸飲料といえば思い出すのはカルピスですが、、
カルピスにも善玉菌がたくさん含まれ、腸にやさしい飲み物です。
カルピスに含まれるC-23ガセリ菌はセロトニンを増すので、
カルピスはストレスや不眠を解消してうつ病には非常に良い飲み物なのです。
カルピスはストレスや不眠を解消しうつ病に良い
先日は、善玉菌を多く含むプロバイオティクス飲料であるヤクルトはうつ病に良いというお話をしました。
乳酸飲料といえば、思い浮かべるのはカルピスとヤクルトですね。
ヤクルトは昭和10年に発売されましたが、カルピスはなんと大正8年に発売されているのです。
カルピスとヤクルトは、日本を代表する善玉菌を多く含むプロバイオティクスです。
プロバイオティクス(Probiotics)とは、わたしたちの体に良い影響を与える微生物(善玉菌)や、それらを含む製品、食品のことです。
カルピスは善玉菌を多く含む
私達の腸内には数百種類、数百兆個の腸内細菌が住んでおり、重量にすると1~1.5kgにもなるのです。
腸内細菌というと悪いものと思ってしまいそうですが、そうではありません。
腸内細菌は、
- ビタミンや蛋白質の合成
- 体外からの病原菌の侵入防止
など、さまざまな有益な働きにより、私達の健康を維持しているのです。
腸内細菌のことを善玉菌、悪玉菌といいますが、
- 善玉菌 : 私達の健康に良い働きをしている乳酸菌のような腸内細菌
- 悪玉菌 : 大腸菌やクロストリジウムのように有毒物質を発生させる腸内細菌
代表的な善玉菌は、
- 乳酸菌(正しくは乳酸桿菌)
- ビフィズス菌
などですが、カルピスやヤクルトなどの乳酸飲料には多くの善玉菌が含まれプロバイオティクス飲料なのです。
カルピスはストレスや不眠を解消する
カルピスの研究所では、カルピスに含まれる善玉菌の一つであるC-23ガセリ菌について多くの研究を行っています。
カルピスに含まれるC-23ガセリア菌は、
- ストレスによる不安感を緩和する
- 睡眠の質を改善する
という効果があるのです。
ストレスと不眠を解消
過度のストレスを感じている計24名を2群に分け、
- C-23ガセリ菌を含む粉末
- 含まない粉末(プラセボ)
を4週間にわたって摂取させ、
身体的ストレスや精神的ストレスの程度を測定したのです。
その結果、
「C-23ガセリ菌を含む粉末」を摂取した群では、
- ストレスにより増加する不安が解消
- 不眠のスコアが改善
されることが確認されたのです。
さらに、
C-23ガセリ菌を摂取した群では、
ストレスホルモンといわれる唾液中のコルチゾールの分泌が抑制
されていることも確認され、
- C-23ガセリ菌の摂取はストレスホルモンの分泌を抑制してストレスの感じやすさを和らげた
と推察されているのです。
Sponsored Link
カルピスはストレスを緩和しうつ病に良い
カルピスは不安や不眠を解消するのですが、どのような作用によるのでしょか?
ヤクルトの研究所では、
- ストレスを感じている健康な人(8人)に、
- 「C-23ガセリ菌を含む粉末」を3週間摂取させ、
- 3週間後に脳血流量のを測定したところ、
血流量が減少していることが分かったと報告しています。
脳の血液量の低下はストレスの減少を示しているのです。
それは、
脳の基底核の血流量はストレス応答と自律神経活動にかかわると考えられているからです。
カルピスの研究所では、
C-23ガセリ菌は、
- 脳腸相関のサイクルに作用し
- ストレス感受性低下や自律神経活動に関わっている
可能性があると推察しています。
腸内細菌は精神の安定性に関与している
善玉菌は腸内の環境維持に関わっているばかりではなく、腸内細菌は脳の機能にも影響を与えていることが様々な研究で明らかになっています。
そして、
先日お知らせしたように、腸内の善玉菌の低下はうつ病の発症と非常に密接な関係にあることが分かり、
腸内細菌の変化ははうつ病の発症原因の一つ
として注目されているのです。
さきほど、
「C-23ガセリ菌は脳腸相関のサイクルに作用」と
書きましたが、
脳と腸は、「脳腸相関」といわれ非常に密接な関係にあるのです。
具体的には、
- 腸の調子がいいと脳もリラックスしてぐっすり眠れる
- ストレスがかかると脳が緊張し腸の調子が悪くなりお腹が痛くなる
などの例でも分かるように、ストレス社会の現代において、脳腸相関は非常に重要性を増しています。
カルピスはセロトニン不足を解消しうつ病に良い
うつ病とは無関係のように思われるカルピスやヤクルトなどですが、
カルピスやヤクルトに含まれる善玉菌の乳酸菌は、
実は思わぬところでうつ病と関わっているのです。
うつ病の原因の一つは、神経伝達物質の一つである脳内のセロトニンが欠乏することだということは間違いありません。
うつ病の治療薬である、SSRIやSNRIは脳内のセロトニン欠乏を改善する作用がある医薬品です。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンとともに、三大神経伝達物質と呼ばれます。
- ノルアドレナリンは「ストレスホルモン」とも呼ばれ、神経を興奮させる作用があります。
- ドーパミンは別名「やる気ホルモン」とも呼ばれ、快感からやる気を生み出す作用があります。
- セロトニンは、ノルアドレナリンや、ドーパミンなどの過剰な活性を抑えて精神を安定させる作用があります。
ストレスなどのにより、セロトニンが不足すると精神の安定性が崩れ、キレやすくなったり、うつ病を発症すると考えられているのです。
乳酸菌はセロトニンを増加させる
神経伝達物質であるセロトニンは脳内に多いと思うでしょうが、
セロトニンは、
- 90% : 小腸にある
- 8% : 血小板にある
- 2% : 脳内にある
と、脳内のセロトニンは全セロトニンの僅か2%にすぎないのです。
乳酸菌には、
- 小腸内の環境を整える作用
- 腸内環境を整えセロトニンの生成作用
があり、乳酸菌にはうつ病の原因となるセロトニンを作る作用があるのです。
乳酸菌がセロトニンを増やすことはサッポロビールの研究でも明らかになっていますし、ヨーグルトでも確認されています。
セロトニンは腸内で作られる
セロトニンは、5%が脳で作られ、95%が腸で作られているのです。
腸は第二の脳と言われるほど神経細胞が網羅されており、ストレスを感じると腸内ではセロトニンが分泌されます。
このセロトニンの働きにより、腸の活動が活発になるため、未消化状態の食物も体外へ排泄され、下痢になります。
これは、昔は、「神経性下痢」、今は、「IBS(過敏性腸症候群)」と言われる下痢です。
腸内では、
アミノ酸であるトリプトファンを原料として、セロトニンが作られます。
しかし、残念ながら、
小腸内で作られたセロトニンが脳に送られるのか否かについては、送られない、一部が送られるなどの説があり、真相はまだ定かでははありませんが、、、。
カルピスはストレスを緩和する
上でお知らせしたことの繰り返しになるかもしれないのですが、
カルピスは徳島大学との共同研究で、
カルピスの乳酸菌による発酵乳にはストレス緩和作用がある
ということを、第39回日本睡眠学会で発表しています。
詳しく見る ⇒ ヤクルトのプレスリリース
缶コーヒーや炭酸飲料を少し減らし、
ストレスや不眠を解消しうつ病に良いカルピスを飲んでみませんか?
Sponsored Link