うつ病の改善にはトリプトファンの多い食事が有効
うつ病の原因はストレスなどによる脳内のセロトニンの減少が原因だといわれます。
うつ病で処方されるSSRIという薬は脳内のセロトニンを増やす薬です。
セロトニンは体内で作られる神経伝達に関与する物質ですが、
セロトニンは体内でトリプトファンというアミノ酸から作られるのです。
オランダの研究者グループは、
トリプトファンを多く含む食事がうつ症状を軽減する
との論文を発表しています。
あなたはトリプトファンが多く含まれている食事を摂っていますか?。
トリプトファンの摂取はうつ病に良い
うつ病は、精神的ストレスやさまざまな原因で、
- 不安
- 焦燥感
- 憂うつ感
などの精神的症状や、睡眠障害などの身体的症状が見られる精神疾患です。
うつ病の治療には、
- 精神療法
- 薬物療法
- 光線療法
などが有効であるとして多くのうつ病にはこれらの療法がとられるのですが、
うつ病の改善には食事療法も有効であることが分かってきており、
最近は、
適切な食事が抑うつ症状を改善するとの臨床的エビデンスも数多く発表されています。
オランダの研究者グループは、
トリプトファンを多く含む食事がうつ症状を軽減するとの論文を発表しています。
Effect of diet on serotonergic neurotransmission in depression.
Neurochemistry international. 2013 Feb;62(3);324-9. doi: 10.1016/j.neuint.2012.12.014.
詳しく読む ⇒ コチラ
うつ病などで見られる、不安や焦燥感、そして睡眠障害には脳内で合成される神経伝達物質であるセロトニンの不足が大きな関わりがあるのです。
セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から体内で作られるのですが、
月経前後の女性、心的外傷後ストレス障害、慢性疼痛、がん、てんかんなどの、うつ病の発症リスクが高い患者ではトリプトファンを多く含む食事が重要だというのです。
研究グループは、
うつ病の病態には多くの因子が関与しているとしながら、
月経の前後、心的外傷後ストレス障害など、さまざまな神経変性疾患でみられる抑うつ症状の改善では、セロトニンの不足を解消するためにも、
トリプトファンとビタミンB6を多く含む食事が重要だと述べています。
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トリプトファンはうつ病のセロトニン不足を解消
上でご紹介した論文では、
うつ病の主因でもあるセロトニンの低下を改善し、うつ症状を軽減するにはセロトニンの前駆体であるトリプトファンを多く含む食事が重要だと述べているのです。
セロトニンを多く含む果物や野菜があるのですが、血液脳関門というバリアーがあるためセロトニンは脳に到達できないため、
脳内のセロトニン不足を解消するためには脳内でセロトニンを作る必要があるのです。
そのためには、
- トリプトファンというアミノ酸
- ビタミンB6
が必要なのです。
脳内でセロトニンが豊富に合成されれば、
- 気分緩和
- 満足感
- 充分な睡眠
を得ることができるというわけなのです。
うつ病を治すには食生活の見直しからの項でも書きましたが、
うつ症状の改善では、
アミノ酸類
- トリプトファン
- チロシン
脂肪酸類
- DHA
- EPA
ビタミンやミネラル類
- ビタミンB群
- 葉酸
- 鉄
- 亜鉛
などを多く摂る必要があるのです。
国立精神・神経医療研究センターの疾病研究第三部部長である功刀氏は、
うつ病患者の食生活では、
- 葉酸(ビタミンB群)
- メチオニンとトリプトファン(必須アミノ酸)
- チロシン(アミノ酸)
の不足している傾向が見られとして、
うつ病の予防には食事療法が有効だとしているのです。
うつ病の改善には抗うつ薬の服用も必要ですが、食生活の見直しも重要なのです。
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