ご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
うつ病を治すのは薬だけだと思っていませんか?
薬だけに頼ってもうつ病を根本から改善することはできません。
最近ではうつ病は生活習慣病だという科学者も多く、
うつ病には生活習慣が大きく関わっていることが次第に明らかになっています。
うつ病を治すには生活リズムを整える必要があるのです。
生活リズムの要は、
- 食生活
- 睡眠
です。
あなたも、うつ病から抜け出すために食生活を見直してみませんか?
うつ病の原因は食生活の乱れ
うつ病を治すには、もちろん薬も大事ですが、うつ病の予防や治療では食事や運動が大切だということを提唱する研究成果がたくさん報告されています。
うつ病の治療の最終目的は社会復帰で、うつ病に陥る前のように、再び会社や学校に出かけることができるようになることです。
うつ病にると、家を出られなくなるヒトが多く、部屋に閉じこもったまま、生活のリズムが乱れてしまうヒトが多いのです。
うつ病を克服するには薬物療法以外にも食生活の見直しからアプローチする方法もあるのです。
うつ病患者には肥満者が多い
精神疾患の患者は、
- 落ち込んでげっそり、、
- 食欲も減退してやせ細って、、
というようなイメージを持ってしまいがちですが、意外にも精神疾患の患者では肥満したヒトが多いのです。
それは、服薬している薬のせいもあるのですが、
うつ病はメタボと同じように生活習慣病だ
と唱える研究者も多く、生活習慣の乱れがうつ病を引き起こしているという研究報告も沢山あるのです。
詳しく見る ⇒ うつ病は生活習慣病
うつ病を治すには食生活の見直しが大事
先にも述べたように、「うつ病は肥満や糖尿病と同じように生活習慣病」だとする研究者も多いのです。
うつ病患者では食生活が乱れる
生活習慣の乱れがうつ病を引き起こしている可能があるのですが、うつ病になると、ますます生活習慣が乱れてきます。
- 昼夜逆転の生活
- 不規則な食事
- 引きこもり
はうつ病の典型的な生活行動です。
- 昼夜逆転の生活による睡眠不足
- 不規則な食事による偏った栄養摂取
- 引きこもりによる運動不足
がますますうつ病を治りにくくしてしまっているのです。
国立精神・神経医療研究センターの今泉博文氏は、
- 朝寝坊で朝食を抜いてしまう
- 昼や夜はコンビニ食や外食が多く炭水化物の摂り過ぎ
- 夜更かしでスナック菓子をたくさん食べる
などで、うつ病患者では肥満になることが多いと指摘しています。
うつ病患者では食生活が偏る
うつ病になる人では、几帳面、真面目、自分に厳しい人がなりやすいといわれています。
そして、うつ病では独りで食事をする「孤食」が多いため、うつ病の人の食生活で極端な食事を摂っている人が多いといわれます。
うつ病には牛乳が良いといわれれば1日に5リットルも飲んだり、サプリメントが良いといわれればそのサプリメントばかり大量に摂取したりする人も多いそうです。
また、プチ絶食が良いといわれれば、断食に近い絶食をしたり、極端な例が多いのです。
従って、極端に太ったり、極端に痩せたり、栄養面でも偏ってしまっている人が多いのです。
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うつ病に良い食生活と栄養素
近年、うつ病と食事の関係については様々な研究報告が見られ、「食生活が乱れ」や「食生活の偏り」によりうつ病の症状が悪化したり、回復が遅れることが分かってきました。
家族と一緒に食事を摂れば、「食生活が乱れ」や「食生活の偏り」はなくなるし、直ぐに気づくのですが、うつ病の患者では上にも書いたように「孤食」が多いため、「食生活が乱れ」や「食生活の偏り」に気づかなかったり、気づくことが遅れるのです。
まずは1日3食を目指す
栄養素の過不足よりも、まずは1日3食です。
1日3食をするためには生活の立て直しが先決です。
朝は7時頃に起きて朝食を、12時には昼食を、夕方には夕食を食べ、11時頃のは床に就く生活を取り戻す必要があります。
また、3食を食べるには運動も必要で、軽い散歩や体操なども取り入れて下さい。
最初は簡単な食事でも良いので、規則正しく3回食べることが大切なのです。
うつ病に必要な栄養素
通常の健康人の食事をすれば栄養不足にはなりません。
先日のAERAには、「うつ病対策に地中海式食事が有効」との特集記事がありましたが、通常の健康人の食事をすればそれでじゅうぶんなのです。
しいて、うつ病対策に必要な栄養素をあげれば、
ビタミンやミネラル類では、
- ビタミンB群
- 葉酸
- 鉄
- 亜鉛
脂肪酸では、
- DHA
- EPA
アミノ酸では、
- トリプトファン
- チロシン
などですが、通常の食生活をしていれば上の栄養素が欠乏するようなことはありません。
その他にも、うつ病と関係が深いと報告されている栄養素はいくつもありますが、
3食きちんと食べて、ご飯の量は少なめ、主食の他に、
- 魚
- 野菜
- 果物
を充分に摂るようにすれば充分で、サプリメントの摂取は止めて野菜や果物を充分摂るようにしてください。
緑黄色野菜に多い葉酸の不足は神経伝達物質の働きに影響して意欲低下を招くといわれています。
自炊している人はコンビニ弁当でも、サラダを付けたりデザートの果物を付けたりすれば充分です。
野菜が足りないときには野菜ジュースも有効ですが、砂糖無添加の野菜ジュースを選ぶようにしてくださいね。
「うつ病の毎日ごはん」は、国立精神・神経医療研究センターの精神科の医師であると功刀浩氏と、管理栄養士である今泉博文氏が書いた本です。
この本では、「ごはんを3食食べるのは薬を服薬するのと同じぐらい大事」ということでうつ病の克服においてうつ病が大切だということをわかりやすく解説しています。
また、栄養学的にうつ病に有効な栄養素や食材も紹介していますから、自炊をするにしても外食をするにしても、どのような食事内容が理想的であるのかを理解することができます。
朝昼晩と3回食事をすることは薬飲むことと同じくらい大事なことです
うつ病を治すためにはまず食生活を見直して見ませんか
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