うつ病患者の9割で不眠などの睡眠障害が見られ、
うつ病の4割では前駆症状として不眠があったそうです。
不眠→うつ→統合失調症へと進むケースも希ではないのです。
うつ病の悪化を防ぐためにも不眠症を解消しましょう。
不眠はうつ病の原因
不眠は、うつ病で必ずといっていいほどみられる症状です。
うつ病の診断には、
- DSM-5 精神疾患の分類と診断
- ICD-10 国際疾病分類
という、2つの国際基準がありますが、それらの診断基準の項目の1つとして、
- 「不眠」などの「睡眠障害」
は挙げられています。
くわしく見る ⇒ うつ病のお薦めの自己診断サイト
また、若い人のうつ病では、不眠とは逆に極端に眠ってしまう「過眠」が見られることもあります。
うつ病から抜け出すためには、眠れない、眠りが浅いなどの不眠症状がある場合は、できるだけ早く対処して、うつ病の悪化を防ぐ必要がありますし、不眠が続くと、うつ病が悪化してしまうことも明らかになっています。
最近の研究では、睡眠障害に早期に対応すればうつ病の予防にも有効だといわれています。
睡眠障害とは
厚労省の調べによると、日本人の一般成人では、約21%のヒトが不眠などの睡眠障害の問題を抱えており、約15%のヒトが日中の眠気を自覚していると、報告しています。
成人の5人に1人というと、1,500万~2,000万人の成人が睡眠障害に悩んでいるということなのです。
睡眠障害とは、
- 不眠
寝つきが悪い、途中で目が覚めてしまい再入眠できない、朝早く目が覚めてしまう、熟睡できない、など - 日中の過剰な眠気
日中眠くてしかたない、居眠りをしてしまう - 睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動
脚がむずむずしたり火照ったりして良く眠れない - 睡眠・覚醒リズムの問題
昼夜逆など、適切な時刻に入眠できず、希望する時刻に覚醒できない
の4つに分けられます。
うつ病でみられる睡眠障害は、
- 熟眠障害 : 夜ゆっくりと眠れない、朝目覚めても気分がスッキリしない
- 早期覚醒 : 午前3時や4時に目が覚めてしまって、それからは眠れない
といった睡眠障害が多いのです。
睡眠障害とうつ病はとても密接に関係しています。
- うつ状態が続く、、
- 不眠が続く、、、
というときには、早めに医師に相談することも必要です。
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不眠はうつ病を悪化させる
不眠症が悪化して、うつ病になり、不眠症により、うつ病がさらに悪化して、統合失調症になってしまうことがあるのです。
統合失調症は、気分障害とともに二大内因性精神病ともいわれますが、いずれも不眠などの睡眠障害を伴う精神疾患です。
うつ病患者の9割で不眠などの睡眠障害が見られ、うつ病を発症したヒトの4割では前駆症状として睡眠障害があったそうです。
うつ状態が続くようなヒトでは、できるだけ早く睡眠障害を改善してうつ病への移行を予防し、うつ病患者でもできるだけ早く睡眠障害を改善してうつ病の悪化を防ぐ必要があるのです。
不眠の原因になること
眠れない、、、。
眠っても眠りが浅い、、、。
と、言いながら、こんなことをしていませんか?
- 眠れないからとベッドでスマホやゲームをする
- 眠るた無理してお酒を飲む
- 眠れないから、お菓子をついたくさん食べてしまう
- 眠る前にコーヒーやコーラなどを飲む
- 眠れないからとタバコを吸ってしまう
これらはいずれも睡眠の質を低下させ、睡眠障害を進行させる行為です。
不眠を解消するためには
日本睡眠学会は、「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」を発表していますが、その中で、「睡眠衛生のための指導内容」を公表しています。
眠れないからといって悩んだり睡眠薬を飲む前に、下のような生活習慣を見直してください。
- 定期的な運動
定期的に運動しましょう。適度な有酸素運動は、寝つきを良くし、睡眠を深くします。- 寝室環境
就床環境を快適にすれば夜中の目が覚めを減らします。音対策のためにじゅうたんを敷く、ドアをきっちり閉める、遮光カーテンを用いるなどの対策も手助けとなります。寝室の温度管理も重要で、暑すぎたり寒すぎたりすれば、睡眠を妨げてしまいます。- 規則正しい食生活
空腹で寝ると睡眠は妨げられまが、脂っこいものや胃もたれする食べ物を就寝前に摂るのは避けてください。就寝前に炭水化物などの軽食を摂ることは睡眠の助けになりますが、食べ過ぎは厳禁です。- 就寝前の水分摂取
就寝前の水分の摂り過ぎは夜中のトイレ回数が増えますが、脳梗塞や狭心症などの心配があるヒトでは適度の水分を摂ることは必須です。- 就寝前のカフェイン
就寝の4時間前からはコーヒー、紅茶、コーラなどのカフェインの入った飲料は厳禁です。- 就寝前の飲酒
眠るためにナイトキャップが良いとされますが、就寝前の飲酒は一時的に寝つきが良くなりますが、夜中に目が覚めやすくなったり、睡眠の質を低下させます。- 就寝前の喫煙
ニコチンには精神刺激作用があるため、夜はできるだけ喫煙を避けましょう。- 寝床での考え事
寝床では悩み事を考えたり、明日の予定を考えたりすることは止めましょう。考え事は、朝のスッキリした気分で考えましょう。心配した状態では、寝付きを悪くし、眠りも浅い眠りになってしまいます。
どうでしょうか。全てができていますか?
その他、私が守って欲しいと思う大事なことは、
- 睡眠時間は人それぞれ、質が高ければ4時間でも良い
- 眠りが浅いなら早寝ではなく遅めに寝る
- 遅く寝ても、起床は毎日同じ時刻に起床する
- 昼寝をするなら30分程度の短時間
ということです。
眠れない日が続くと、「眠らなければ!」という焦りの気持ちが強くなります。
しかし、眠ることを過剰に意識しすぎてしまうと、自分にプレッシャーをかけすぎてしまい、交感神経が興奮してますます眠れなくなってしまいます。
不眠で死亡したヒトはいません
「今日は眠れなくても、明日は眠れるさ、、」と気軽な気持ちで布団に入ってください。
「眠れなくても横になっていれば疲れが取れる」くらいの気持ちで布団に入った方が良く眠れるものなのです。「絶対に寝なきゃ!」と自分にプレッシャーをかけすぎてはいけません。
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