うつ病に陥りやすいのは秋から冬にかけてですが、春もうつ病になりやすい時期です。
季節の変わりめには自律神経に変調をきたしやすいからです。
春は進学や就職などで精神的にも肉体的にもストレスも多く、うつ病になる人が多い季節なのです。
春うつ病の予防は睡眠です。
充分な睡眠をとってストレスを解消して春うつ病を防いで下さい。
春うつ病の原因
寒い冬が終わり、暖かい春になると、心も身体も何かウキウキしているように感じる季節です。
しかし一方では、季節の変わり目などに気分が落ち込んだり、身体がだるくなるような症状を訴えるヒトも少なくはないのです。
このような症状は季節性のうつ病で、初うつ病かも知れません。
季節性のうつ病は、
- 季節性感情障害
- 季節性情動障害
ともいわれる病気で、特定の季節にのみ症状が見られるうつ病の一種です。
春になるとなんと、
- なく気分が落ち込んで何もやる気が起きなくなったり
- 体の異常な疲れを訴える人が増加
していますが、
秋から冬にかけてみられる冬の季節性のうつ病では、気温や日照時間などの気候が原因といわれるのですが、春期にみられる春うつ病は、
冬うつ病とは少し違う原因があるのです。
春うつ病の原因
春うつ病の原因は、
- 自律神経の乱れ
- 環境の変化
の2つが大きな原因だと考えられます。
自律神経の乱れ
私達の体は自律神経といわれる神経系統によって恒常性が保たれています。
自律神経には、
- 交感神経
- 副交感神経
という相反する神経系統があります。
例えば、交感神経は「闘争の神経」ともいわれたりしますように、心臓の拍動を早め、呼吸数を増加させ、瞳孔を開かせます。
すなわち、闘争するときに現れるような身体症状を現すのです。
一方、
副交感神経は心臓の拍動数を低下させ、呼吸をゆっくりとし、瞳孔を縮小させ、交感神経と反対の作用を及ぼしています。
私達の体は、自律神経はの交感神経と副交感神経の相反する作用によってバランスが保たれているのですが、寒い冬から暖かい季節に変わる春にはこの自律神経のバランスが崩れることが多いのです。
自律神経のバランスの乱れにより、
- 全身の倦怠感
- 頭痛
- 肩こり
- 不眠
- 憂鬱感
など心身の不調が現れることが多いのです。
環境の変化
うつ病の原因には、過度の身体の疲れ、精神的なストレスなどがありますが、春は進学や就職の季節で大きな環境の変化に晒されることが多いのです。
新しい学校や職場での人間関係、新しい仕事での過労や精神的な疲労など、春にはうつ病の原因が多いのです。
5月病や6月病は春うつ病
「5月病」、「6月病」という言葉をご存じですか?
大学に入学した学生や、新社会人において5月頃や6月頃に見られる、
- 無気力
- 不安感
- 焦り
などが特徴的な精神的な症状です。
肉体的な症状としては、
- 不眠
- 疲労感
- 食欲不振
などで、やる気が出ない、人との関わりが億劫などを訴えるヒトもいます。
「5月病」や「6月病」は正式な疾患名ではなく、医学的な診断名としては、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断されます。
進学や就職で、春に大きく生活環境が変化し、新しい生活や職場の環境などに適応でず、ゴールデンウィーク中に一気に疲れが出てしまい、ゴールデンウィーク明ても、「学校に行きたくない」、「会社に出社するのが怖い」などと、通学や勤務に行けなくなってしまうのです。
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春うつ病の予防
春うつ病の予防や解消はなんといっても、気分転換でストレスをためないよう心がけるのが一番です。
規則正しい生活
上にも書きましたように、私達の体は交感神経と副交感神経からなる自律神経系によってバランスが保たれています。
春うつ病では、季節の変化による寒暖の差や進学や就職などによる生活のリズムの変化によって、自律神経系が乱れ、身体や心が不調を訴えるのです。
自律神経の乱れを回復するには、まずは規則正しい生活です。
私達の体にはサーカディアンリズムといわれる体内時計によるリズム(周期)があるのです。
進学や就職などで生活のリズムが変わったヒトはなかなか生活のリズムを保つのは難しいこともあるかも知れませんが、
- 食事はできるだけ決まった時間に3食を摂る
- 就寝時間や起床時間はできるだけ一定にする
ことを心掛けてください。
ストレスの解消
気温も暖かくなってきたので、お風呂は湯船に浸からずシャワーで済ませよう、というヒトも少なくないかも知れません。
生活環境も変わって時間も無ければなおさらなことです。
しかし、入浴は心身と疲れをとるためには非常に有効な手段で、自律神経のバランスを回復する効果もあるのです。
そして、入浴によって良い睡眠を摂ることもできるのです。
入浴で全身を温めることにより、皮膚の毛細血管も広がって全身の血流が良くなり、体内の老廃物や疲労物質を除去し、筋肉のコリもほぐれてれ疲れが取れるのです。
湯船につかることによって体重はおよそ1/9になりますが、これにより体重を支えている筋肉や関節が重さや緊張から解放され、脳への刺激も減少することにより、脳もリラックスすることができます。
入浴によって良い睡眠への導入も期待できますが、お風呂から上がったら2時間以内には布団に入ってください。
良い睡眠
睡眠は時間ではなく、睡眠の質なのです。
- 8時間しっかり寝たのに疲れがとれない
- 昨晩は良く寝たはずなのに日中の眠気がひどい
という時には質の良い睡眠をとっているとはいえません。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることはご存じだと思います。
就寝中には、眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠が繰り返されています。
- レム睡眠 : 夢を見ているときの睡眠で、身体は弛緩していますが脳は起きているときと同じように活動しています
- ノンレム睡眠 : 深い眠りで、筋肉の活動は多少残っているが、脳の活動レベルは低下している
良い睡眠は長い時間ではなく、れだけノンレム睡眠をとるかが大事なのです。
睡眠時間はヒトによってそれぞれです。
4時間で良いヒトもいますし、8時間でなければダメというヒトもいます。
出来るだけ同じ時間に布団に入ることを心がけ、起きる時間も一定にしてみましょう。
規則正しい睡眠時間を心がけることで、カラダのリズムが整い、自律神経系も安定してくるのです。
進学や就職などで、疲労やストレスが溜まったと思ったら、充分な睡眠をとって疲れやストレスを解消してください。
食事やアルコールに頼りすぎるのは、摂食障害や急性依存など、別の問題を引き起こす可能性があるのでほどほどにした方が良いでしょう。
学校時代の同級生や以前の環境の友達に会って話をするのも効果的です。
人と会うのがやや億劫なら、サイクリングなども非常に効果的です。
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