うつ病なら精神科と心療内科のどちらを受診すべきか
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
ストレスなどで心身のバランスを崩してしまったとき、
気分が落ち込んでどうにもならないとき、
うつ病は心の風邪などともいわれたことがあるのですが、
- 精神科
- 心療内科
どの診療科に行けば良いのでしょうか?
最近は心療内科と表示するクリニックが多いように思いますが、
精神科と心療内科にはどんな違いがあるのでしょうか。
気持ちが落ち込むうつ病では精神科と心療内科のどちら?
訳もなく憂うつな気持ちが続く、
不安な気持ちが晴れない、、、
もしかしてうつ病などの心の病気なのかも、、
こんな時には精神科と心療内科のどちらのクリニックに行ったら良いのか迷ったことはないですか?
医療法人社団こころみの代表医師 大澤亮太氏が幻冬舎ゴールドオンラインで解説していますのでご紹介しましょう。
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精神科と心療内科は本来は異なる診療科
精神科と心療内科は本来は異なる診療科ですが、
実際には精神科と心療内科は混在してしまっているようです。
精神科は精神に不調をきたしたときの診療科
精神科とは主に「こころ(精神)」に不調をきたしたときに受診する診療科です。
しかし、精神と同時に身体にも症状を感じる患者が多く、
内科を受診する患者もおおいのですが本来なら精神科を受診すべき病気なのです。
精神科では、
「脳に作用する治療薬」で「心の安定を取り戻す治療」を行います。
精神科医は、「脳に作用する薬」の処方の専門家なのです。
心療内科は体に不調をきたしたときの診療科
心療内科とは主に「からだに不調をきたしたとき」に受診する診療科です。
心療内科では、ストレスが原因となるような生活習慣病のような内科の疾患もふくめて、
ストレスと関連が深い病気の治療を行うのです。
精神科と心療内科がフォローする具体的な疾患としては、
精神科 | 心療内科 | |
症状 | うつ病
気分変調症 双極性障害 不安障害 強迫性障害 統合失調症 摂食障害 発達障害 精神遅滞 |
緊張型頭痛
過敏性腸症候群 自律神経症状が中心の病気 高血圧 糖尿病 喘息
|
などとなりますが、
睡眠障害や適応障害などのような「脳に作用する薬」の役割が大きい疾患も精神科が適切といえます。
心療内科では、リウマチ、胃潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)、気管支喘息などといった、体の不調に心理的な要因が関わっているような状態(心身症)が対象となるのです。
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うつ病なら精神科でも心療内科でも大丈夫
このように、精神科と心療内科は本来は治療領域が異なるのですが、
患者の中には精神科を受診することに抵抗を感じる人も多く、
精神科医でも診療科名に「心療内科」と併記するクリニックが増えているようです。
厚生労働省は1996年に院外標榜科として「心療内科」を認め、医師なら誰でも標榜が可能な制度に改めたこにより、患者が受診しやすいようにと「心療内科」を併記する精神科医が増えたのです。
心療内科専門医は、日本内科学会認定内科医あるいは総合内科専門医の資格を持ち、
さらに一定の研修と試験をに合格した医師だけ与えられる資格で、
2020年10月時点で全国に113人しかいません。
さらに、
日本心身医学会が認定する心身医療専門医もあるのですが全国に316人しかいないのですが、
日本精神神経学会が認定する精神病の専門医は全国では11,000人もいることから、
精神科医が心療内科を併記している圧倒的に多いと考えられます。
精神科と心療内科は実際は異なる診療科なのですが、
- 睡眠障害
- 自律神経失調症
- 適応障害
などの病気は精神科、心療内科のどちらとも付かないのです。
うつ病などは本来は精神科で治療する病気ですが、
- 頭痛
- 下痢
- 不眠
などの「からだの不調」も見られるうつ病では心療内科の担当ともいえるのです。
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まとめ
精神科と心療内科の違いについてはお分かりいただけたと思いますが、
うつ病ではないかと思われるとき、
- 気持ちの落ち込みや不安などの心の不調が主の時には精神科
- 気分の落ち込みに加え、頭痛などの体調不良もあれば心療内科
を受診すると考えれば良いでしょう。
しかし、精神科と心療内科のどちらを受診してもうつ病の標準的治療を受けることができますから、
どちらに行けばいいか迷う場合は、自分が便利な方を選んでも問題はないのです。
クリニックをを探すことに時間を取られて症状が悪化してしまうのは本末転倒ですから、
心身に不調を感じた際は、できるだけ早めに診察を受けるべきでしょう。