今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
うつ病は栄養と密接な関係があることが分かっています。
ある種の栄養不足はうつ病の発症に大きな関係があるというのです。
うつ病と栄養不足の研究の第一人者である帝京大学医学部の功刀(くぬぎ)浩教授は、
イワシなどの青魚はうつ病の改善に良いと述べています。
食事内容が加工品の多い欧米化したことにより、
魚、野菜、果実などを主とした日本の伝統的な食事内容が変わってきたことから、
今まで自然に摂取できていた栄養素が不足しがちになっているというのです。
うつ病の発症には栄養不足が大きく影響
帝京大学医学部の功刀(くぬぎ)浩教授は、
- 心の病を治す 食事・運動・睡眠の整え方 ココロの健康シリーズ
- こころに効く精神栄養学
など、栄養素と精神疾患に関する多くの著書がありますが、
肥満やメタボがうつ病のリスクを1.5倍に高め、
うつ病が肥満やメタボの発症リスクを同じく1.5倍上げることがわかっています。
と強調しています。
うつ病患者は糖尿病のリスクが高く、糖尿患者の36.4%にうつ病の症状がみられた
という報告もあるのです。
Neuropathy is associated with depression independently of health-related quality of life in Japanese patients with diabetes
くわしく読む ⇒ 日本の糖尿病患者にうつが多い
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うつ病の改善には青魚が良い
功刀教授は「うつ病の改善には青魚が良い」と述べています。
魚油に多く含まれているnー3系多価不飽和脂肪酸にはうつ病のリスクを下げる働きがある
というのです。
うつ病が多いフィンランドにおける研究では、魚をほとんど食べないグループとよく食べるグループを比較したところ、
魚を食べないグループではうつ病の罹患が1.3倍も高かったと報告しています。
青魚がうつ病に良いということは国内でも報告されています。
国立がん研究センターと慶応大学の研究グループは大規模疫学調査で、
という結果を大規模疫学調査で明らかにしていますし、
日本医科大学の吉川栄省医師らの研究グループも、
と、青魚のうつ病予防の効果を明らかにしています。
青魚(あおさかな)とは、魚体が青緑色を帯びた魚類の総称で、
- アジ
- サバ
- イワシ
- サンマ
- カツオ
などが青魚と言われる魚です。
青魚には不飽和脂肪酸が多く含まれますが、
不飽和脂肪酸には、
- n-3系(オメガ3) : α-リノレン酸 → IPA、DHA、EPAに変わる
- n-6系(オメガ6) : リノール酸 → アラキドン酸やエイコサノイドに変わる
の2つが有り、
肥満や生活習慣病などのリスクを上げる中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす作用があり、
- 血液をサラサラにする
- 頭の働きをよくする
などとして多くのサプリメントが販売されています。
功刀教授は、
EPAやDHAがうつ病の治療に有効かどうかは研究結果によって差があるものの、
全体的な傾向としてうつ病に有効で特にEPAが有効であるといえる
と述べ、
日本人のタンパク源は、近年、魚から肉へと移っているが、1週間に3回程度は魚料理を食べることが推奨される。
と青魚を積極的に食べることを推奨しているのです。
まとめ
青魚に含まれるEPAやDHAがうつ病に効果があることは最近の多くの研究が明らかにしています。
EPAやDHAは魚油に多く含まれていますが、魚以外の食品には余り含まれておらず、
帝京大学の精神科医である功刀教授は、
週3回は魚を食べること
を推奨しているのです。