今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
抗うつ薬を服用して症状が改善してきたけど、、、
あまり抗うつ薬に頼りたくないけど再発が心配で、、
「抗うつ薬はいつまで飲み続けなければならないのか?」
「抗うつ薬の服用はいつ止めたら良いのか?」
あなたもこんな心配を抱いてるのではないでしょうか。
専門家の岡村医師はこんな疑問に答えてくれました。
抗うつ薬の服用はいつ止めたら良いのか?
抗うつ薬を飲み始めて症状が改善してきた。
でも、できるだけ抗うつ薬に頼りたくない。
こんな疑問に答えてくるのは東京都健康長寿医療センターの岡村 毅医師です。
抗うつ薬をいつまで服用すれば良いのかという質問をよく受ける。
世間的には「長期服用させるのは論外。さっさと減量・中止させよ」という声が大きいと思う。
しかし現実はそう単純ではない。
というのです。
詳しく見る ⇒ Care Net
最初は抗うつ薬の服用を嫌がる人も多いそうです。
しかし、
抗うつ薬服用により抑うつ症状が次第に改善し、
仕事へも復帰して従来の生活ができるようになってきた時点で、
「そろそろ苦うつ薬を減量して服薬を中止しましょう」というと、
- それは良かったと喜ぶ人
- 再発するのが怖いから服薬を続けてはダメですかと言う人
に別れるのだそうだ。
さらには、
- 抑うつ症状が改善すると勝手に医者に来なくなる人
も少なくないのだそうだ。
3番目の「自己中断」が精神科では非常に多いのですが、
- しばらくして症状がかなり悪化して戻ってくる人
も多いのだといいます。
このような状況が多いことから岡村医師は、
治療開始に当たって、
できたら薬は使いたくないが、
あなたの状態では抗うつ薬を使った方が良い状況だと思う。
順調に回復し元の状態に戻って半年程度経過したら減薬して通院終了を検討します。
しかし、通院を続けければ抗うつ薬を少しにして通院継続も可能です。
と告げるのだそうです。
さらに、
少し良くなると勝手に通院を止めてしまう人がいるが結局悪くなって再度来る人も多い。
通院を中断したいと思ったら正直に言ってください。
その時にできることを検討します。
とも伝えるのだそうです。
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抗うつ薬の服用を止めると再発リスクが高い
岡村医師は、
抗うつ薬を継続した方が良いか中断した方が良いのかを比較した研究成果を紹介しています。
この研究はイギリスでおこなわれたもので、
抗うつ薬の服用で症状が改善し医師も本人も服薬を中断しても良いと思っている患者を対象に、
- 中断
- 継続
のグループに分けて経過を観察したところ、
1年後の再発率は、
- 中断群で56%
- 継続群で39%
であり、「服薬を中断すると再発のリスクが高いということが判明した」そうです。
中断すると再発率は高いが、とはいえ継続していても再発はあることも認識しなければならないということだ。本研究の結果からは、絶対に内服を継続したほうがいいとは言えないし、中断すべきだとも言えない。
要するに医療が患者さんの生活のすべてではないし、医学的妥当性がすべてを決定するわけではない。どうしても中断したい、どうしても継続したいという患者さんの意思は尊重されるべきだろう。一方で意思は医師-患者関係と共に変わっていくだろう。結局はしっかり話し合って決めていくということに尽きる。本研究の結果は、話し合いの際の重要な判断材料になるだろう。
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まとめ
イギリスでの研究結果をみると、
抗うつ薬を中断すると再発リスクが高くなるということですが、
減薬して服用を継続してもある程度の再発があるようです。
国内の研究においても、
うつ病は回復した後に維持療法をしないと60%が再発すると報告されています。
いずれにしても、定期的に医師の診断を受けた方が良いと言うことです。