子供のうつ病の症状と接し方の注意点

うつ病というと大人の病気と思いがちですが、

最近は小学生や中学生の子供のうつ病が増えています

10代の児童の3~8%がうつ病だとの報告もあるほどです。

子供のうつ病の症状は大人とは少し違います

ですから、

子供のうつ病では大人のうつ病と違って接し方に注意が必要です。

学校に行きたくないのではなく、学校に行けないのです。

ガミガミ言う前に、子供の話をじっくり聞いてみる必要があるのです。

 

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子供のうつ病が増えている

うつ病というと、ストレスが多い大人の病気と思いがちですが、最近は10代の子供にもうつ病が多いのです。

児童精神科医である猪子メンタルクリニックの猪子香代院長によると、

子供うつ病の有病率は、

  • 10代で3~8%、
  • 児童期から青年期の間に20%

の子供がうつ病を体験するとの報告もあります。

子供のうつ病の有病率では、2003年の北海道大学の傳田健三氏の報告が有名で、札幌市、千歳市などの小中学生2万人に抑うつ症状に関するアンケート調査を行ったところ、

小学生では12人に1人が、中学生では4人に1人の割合で抑うつ病の症状がみられ、

  • 小学生では7.8%が抑うつの傾向がある
  • 中学生では22.8%が抑うつの傾向ある

といわれています。

子供のうつ病の症状は大人の症状とは少し違う

子供のうつ病で子供が訴えることは、

  • 食欲がない
  • 頭が痛い
  • お腹が痛い
  • 吐き気がする

などの身体的症状です。

小学生の子供がこれらの症状を訴えたら、親は「風邪かな?」と思い、誰もが子供がうつ病の初期症状を訴えているとは思いません。

さらに、日時が経過すると、

  1.  いつもイライラしている
  2.  注意力が落ちている
  3.  成績が落ちてきた
  4.  黙り込んで話をしない
  5.  学校に行きたがらない

というような行動上の異常が見られ、「不登校」、「引きこもり」状態になってしまうことも希ではないのです。

 

子供のうつ病は睡眠不足が原因

子供のうつ病は、大人と同じようにストレスなども大きな原因なのですが、子供のうつ病は睡眠不足が原因だとする報告もあります。

東京大学の佐々木司教授は、2016年6月19日の毎日新聞・「こころの天気図」な中で、中学生のうつ病には睡眠時間が大きく関わっていると述べています。

子供のうつ病の症状は大人とは違い接し方に注意点があります

子供では、大人でもそうなのですが、子供では特に睡眠時間がうつ病などの精神の不調と極めて密接に関係しているのだそうです。

そして、睡眠時間が7時間を切るとうつ病のリスクが非常に高くなるそうなのです。

 


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子供のうつ病への接し方

子供のうつ病では、イライラしている、何をするのも遅くグズグスしている、面倒くさがり話をしなくなる、などの症状だけしかなくうつ病だと気づかないことが多いのです。

これは、子供は精神的な異常を上手く言葉で表せないからなのです。

見分けるひとつの目安として、

  • 朝に起きられない
  • お腹が痛いと訴える
  • 学校に行きたがらない
  • 余り話をしなくなった

など、上に書いた身体的異常や行動上の異常が2週間以上続くときはうつ病のサインである可能性が高いと言われています。

 

子どもは、表現力がないため単純な訴えになったり、自分の心がどのような状態にあるかを、言葉ではうまく表現できないために、感情的になったり、反抗的になったり、逆に寡黙で閉じこもったりしてしまうのです。

 

ゲーム依存や学校に行きたがらないのも1つのサイン

家でファミコンばかりして外に遊びに出なかったり、学校に行きたがらなくなったりするのも、抑うつ症状のひとつの現れだと考えられています。

東京認知行動療法センター臨床心理士の松丸未来氏は、

ゲーム依存にはうつ病が潜んでいることがある

と述べています。

松丸氏は長年、小中学校のスクールカウンセラーを務めきましたが、相談を受けた中で、

男子中学生は、

  1. ゲームにはまって毎日夜更かしが続いた
  2. 宿題も進まず、焦りから夜中に騒いだり大声を上げたりする
  3. 朝起きられず学校に遅刻したり授業中に寝てしまう
  4. 授業についていけなくなる

という悪循環にはまり、親から叱られ、閉じこもり状態になってしまったのだそうですが、

ゲームがしたいわけじゃなく、イライラするし、それしかやれなくなってしまった、、、

と話していたそうです。

大人のうつ病と子供のうつ病の症状は違うので接し方に注意が必要です

怒らないで休養させる

子供のうつ病においても、ストレスをなくして充分に休ませることが必要だそうです。

子供のうつ病でも大人と同様に十分な休養なしには治らないのです。

学校に行きたがらなくなっても、本人は悪いことをしているという罪悪感を感じているのです。

良く勘違いするのですが、

 不登校は学校に行きたくないのではなく、学校に行けないのです

心に病があるために、行きたくても行けない、これが不登校なのです。

  • 学校を休むことは悪いことではない
  • 学校に行けないのは怠けているからではない

ことを理解させ、

  • 十分に休んで体や心を回復させる必要がある

ことを、子供にも納得させ、親も理解する必要があります。

例え、学校を2週間や3週間休んでも直ぐに取り戻せると、子供も親も焦らないことが必要です。

学校を休むと授業についていけなくなると親が焦って子供の尻を叩いて無理に登校させても、子供は授業に集中できず、今の状態では無理に登校させても休んでも同じことだと親が理解することが必要です。

 

ゲームばかりやって!と叱る前に、
どうして学校に行かないの!と怒る前に、

どうしてゲームばかりしているのか?
どうして学校に行きたくないのか?

まず子供の話をじっくり聞いてみる必要があるのです。

 


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