ベジタリアンはうつ病になりやすいのは本当か?

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

うつ病には食生活も関係していると言われています。

海外の研究ではうつ病には食生活や運動が関係しているとする数くの研究報告があり、

地中海食といわれる、

  • 野菜
  • 魚介
  • 穀物

を中心とした食生活では、

心臓病、生活習慣病が少ないだけでなく、

認知症、パーキンソン病、うつ病などの精神神経疾患も少ないと言われています。

 

ベジタリアン食はうつ病に良い

 

日本においても、

肉、加工食品、砂糖などの摂取の増加がうつ病の発症に関与しているのではないかとの報告があります。

うつ病を予防改善するためにはどのような食事が良いのでしょうか?

 

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ベジタリアンはうつ病のリスクが高いのか?

ベジタリアン(Vegetarian)は日本語では菜食主義者といわれます。

肉や魚などの動物性食品を避け、野菜、きのこ類、果物、いも類、豆類などの植物性食品を中心とした食生活者のことです。

 

ベジタリアンは「ベジタブル」が語源かと思われがちなのですが、

と思われがちですが、ラテン語で「健全な、新鮮な、元気な」を意味するvegetus に由来しているのです。

 

ベジタリアンといっても9種類もあり、

ヴィーガン(Vegan)といわれる完全菜食主義者では、

日本の伝統的な精進料理と同じく、肉、魚はもちろんのこと卵、乳、蜂蜜なども摂取しません。

 

JALビジネスクラスのベジタリアン食

 

ヴィーガンには毛糸や牛皮などの動物性素材の製品も使用しない人が多く、

こうなると、健康上の理由だけではなく、動物愛護、環境問題、宗教上の理由で菜食主義を行っているようです。

 

一方、フレキシタリアン(Flexitarian)、

といわれるセミベジタリアンでは植物性食品を中心にしますが、場合によっては肉類もOKな柔軟性のある食生活を送るベジタリアンもいます。

 

ベジタリアンはうつ病のリスクが高い

以前から、

ベジタリアンではうつ病のリスクが高いことが報告されているのですが、それとは逆の報告も少なくありません。

 

ドイツのルール大学の研究グループは、

ベジタリアンとうつ病のリスクとの間に関連があるかを明らかにするため、大規模なメタ解析をおこない、

 

 ベジタリアンは、非ベジタリアンと比較し、うつ病リスクが高いことが示唆された

と報告しています。

 

Vegetarian diet and depression scores: A meta-analysis.

CONCLUSIONS : Vegetarians show higher depression scores than non-vegetarians. However, due to high heterogeneity of published studies, more empirical research is needed before any final conclusions can be drawn. Also, empirical studies from a higher number of different countries would be desirable.

 

詳しく見る ⇒ 原著論文

 

この研究では、

  • 一般的な食生活とうつ病の発症
  • ベジタリアンとうつ病の発症

 

について調べられた13の研究についてメタ分析を行ったのです。

メタ分析とは複数の研究を統合て比較する分析方法です。

 

対象者は、

  1. ベジタリアン  8,057人
  2. 一般食   41,832人

で、各群でのうつ病の発症を調べたのです。

 

その結果、

 ベジタリアンは一般食群と比較してうつ病スコアの高さとの有意な関連が認められた

というのです。

 


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ベジタリアンでは栄養素の欠乏がうつ病のリスクを高めるのか?

研究グループは、

ベジタリアンとうつ病の発症の相関関係が明らかになったが、

菜食中心の食生活がどのような理由でうつ病の発症を高めているのかは明確ではないと述べています。

 

ベジタリアンでは、

赤身の肉に含まれるビタミンB群の摂取量が極端に不足しておりメンタルの不調につながる

と指摘する研究報告もあるのです。

 

赤身の肉にはビタミンB群や鉄分などが多く含まれるのですが。

ビタミンB1不足は、

  • 精神の不安定
  • 集中力の低下
  • 眠気を招く

などと関連していますし、

 

鉄分の欠乏は、

  • 貧血
  • 息切れ
  • 疲労感

などに関連があるのです。

 

さらに、

精神疾患の患者では、

  • ビタミンB12(肉に多い)不足
  • オメガ3脂肪酸(魚に多い)不足

が共通して見られると言い、

こうした栄養素の欠乏が感情のコントロールに不可欠なセロトニン不足を引き起こしているのではないかと考えられるのです。

 

 

 


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まとめ

ベジタリアンではうつ病の発症が多いようですが、

うつ病になったことで健康志向が高まってベジタリアンになった人も多いと指摘されています。

 

ベジタリアンが悪いわけではありませんが、

 

うつ病の改善では、

  1. 1日3食きちんと食べる
  2. 朝食は必ず食べる
  3. バランスよく食べる

ことが大切のようです。

 

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