抗うつ薬クロミプラミンが新型コロナウイルスに有効
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
なかなか収まらない新型コロナウイルス感染。
一般人はワクチン接種はいつになるのやら、、、
ワクチンは感染予防。
新型コロナウイルス感染の治療薬としては確たる薬は未だないのですが、
九州大学らの研究グループは、
抗うつ薬が新型コロナウイルス感染に有効だということを明らかにしました。
抗うつ薬が新型コロナウイルス感染に有効
九州大学と国立医薬品食品衛生研究所の研究チームは、
抗うつ薬クロミプラミンに新型コロナウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ効果がある
と発表しました。
詳しく見る ⇒ NHKニュース
研究グループは、
既に承認されている医薬品の新型コロナウイルス感染に対する効果を調べていましたが、
既に承認されている抗うつ薬クロミプラミンには、
新型コロナウイルスが細胞に侵入するのを抑制する作用があることを見出したというのです。
新型コロナウイルスと実験用細胞にクロミプラミンを加えて培養したところ、
抗うつ薬クロミプラミンは新型コロナウイルスが細胞に侵入するのを50%程度抑制したというのです。
さらに、新型コロナウイルス感染に効果があるとされ、すでに新型コロナウイルス感染の治療に使われているレムデシビルと抗うつ薬クロミプラミンを併用したところ、
新型コロナウイルスの増殖を99%程度も抑制することもわかりました。
研究グループでは、今後は動物実験などで有効性や安全性を確認し、
新型コロナウイルス感染の治療薬として実用化を目指すと述べています。
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抗うつ薬のクロミプラミン
クロミプラミンは、1960年代にスイスのガイギー社(現在はノバルティス)によって開発された、古くからある第1世代の三環系抗うつ薬です。
アルフレッサ ファーマから塩酸塩がアナフラニールという商品名で発売されています。
脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンとセロトニンの分泌を増やして神経の働きを良くし、
- 意欲を高め
- 不安感をやわらげて気分を楽にする
効果があることから、
- 不安や緊張す
- 気持ちを楽にする
ことが期待できます。
作用が強く良い効果が期待できるのですが、
- 口の渇き
- 便秘
などの副作用が欠点です。
うつ病のほかにも、
- パニック障害
- 過食症
でも処方されることがあります。
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まとめ
九州大学らの研究グループは抗うつ薬クロミプラミンが新型コロナウイルスに有効だということを明らかにしました。
クロミプラミンは第1世代の三環系抗うつ薬で服用している患者も多いのですが、
クロミプラミンを服用すれば新型コロナに感染しないというわけではないようです。