今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
うつ病の診断では、
- 高血圧における血圧値(mmHg)
- 糖尿病における血糖値(mg/dl)
のような客観的な診断の基準(数字)がないため、
- 気分が落ち込んでいる
- 物事に対する興味がない
- 食欲がない
のような主観的な判断に頼っているのが現状です。
Fitbitをご存じですか?
アメリカの研究チームは、
- Fitbit(スマートウオッチ)
- スマホ
を使って、
学生のうつ症状を85%の精度で検出できるシステムを構築しました。
あなたも調べてみませんか?
Fitbitとスマホでうつ病を診断する
うつ病の診断では、
- アメリカ精神医学会の「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」
- 世界保WHOによる「疾病及び関連保健問題の国際統第10版」(ICD-10)
などを使って、
- ずっと気分が落ち込んでいる
- 物事に対する興味がない
- 食欲がない
などの9つの項目に該当するかで判断するのが一般的です。
詳しく見る ⇒ うつ病かもしれない7つのサイン
アメリカのカーネギーメロン大学、ワシントン大学などの研究チームは、
スマホと活動量計を使って学生のうつ症状を85%の精度で検出できるシステムを開発しました。
Detecting Depression and Predicting its Onset Using Longitudinal Symptoms Captured by Passive Sensing: A Machine Learning Approach With Robust Feature Selection
詳しく見る ⇒ うつ症状の検出システム
このシステムは、
- Fitbit(スマートウオッチ/フィットネストラッカー)
- スマホ
を使うもので、
- スマ保の使用時間
- スマホの通話時間
- キャンパス内での移動状況(Fitbit)
- 友人とのコンタクト状況(Fitbit)
- 歩数量(Fitbit)
- 睡眠状況(Fitbit)
などのデータを収集し、
- AWAREというソフト
で解析して、学生のうつ病を診断したのです。
大学生138人を対象にした実験では、
- 85.7%の精度で抑うつ状態の有無を検出
- 85.4%の精度で症状の変化をで検出
できたと報告しています。
研究グループは、
これまでも学生の抑うつ状態をモニタリングする試みをおこなったが、
自己申告による精神状態という主観的なデータによるものだったが、
「Fitbitやスマホを用いた客観的データでうつ病の診断ができるようになった」とコメントしています。
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Fitbitではストレス、睡眠、運動量を測定できる
今回研究グループが用いたFitbit Flex 2は「スマートウオッチ」や「フィットネストラッカー」といわれるものです。
フィットネストラッカーは身体活動計ともいわれ、
- 時計やタイマー機能
- 電話やメールの着信通知
- 音楽を聴ける
だけではなく、
- GPS機能
- 心拍数
- 活動測定(歩行、ランニング、自転車、水泳、、)
- 睡眠(時間と質の分析)
- ストレス(マインドフィルネス)
- 血中酸素濃度
など健康維持のための各種の活動量を計測できるのです。
そして測定した各数値はBluetoothによってiPhoneの送られ、分析、記録されるのです。
スマートウオッチの代表例としてAppleウオッチがありますが、
Fitbit社のフィットネストラッカーは健康維持のための測定項目の多いことが特徴で、昨年Googleが買収したことでよりが発展が期待されています。
なお、アメリカの研究グループがうつ病の診断や解析に用いたというAWAREというソフトは無料でダウンロード出来るようです。
私が使っているのはFitbit chager4です。
毎日、睡眠時間や睡眠ステージの分析、歩行量、心拍数など多くの項目を測定していますが、
特に睡眠ステージの分析は便利です。
また、うつ病の改善に良いというマインドフルネスの機能も付いていますので、ストレスの改善にも効果的です。
Amazonで16,800円ですから試してみたらいかがでしょう。
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まとめ
うつ病の診断は精神状態の自己評価に基づいて行われていますが、
今までご紹介したように、
など客観的指標で診断する試みも進んでいます。
しかし、今日ご紹介したFitbit とスマホを用いたうつ病の診断は画期的といえます。
あなたもFitbit で睡眠時間、活動時間、ストレスなどをチェックしてみませんか?