新型コロナの緊急事態宣言で若い世代でコロナうつ状態が多い
今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
先日、
というニュースを紹介しましたが、
徳島大学の研究グループの調査により、
新型コロナ感染の拡大にる緊急事態宣言で、
若い世代にコロナうつ状態が広がっていることが明らかになりました。
緊急事態宣言で若い人がコロナうつ状態に
新型コロナウイルス感染がなかなか収まりません。
そして昨年の4月の全国における緊急事態宣言に続き、
1月18日から11都府県において2回目の緊急事態宣言が発令され、
- 三密の回避
に加えて、
- 不要不急の外出の自粛
- 20時以降の飲食の自粛
などが求められています。
徳島大学の山本哲也准教授のグループは、
1回目の緊急事態宣言が最初に出された東京や大阪など7都府県の住民1万人余りを対象にアンケート調査により、
心理的な影響を調べましたのですが、このたびその結果が明らかにされました。
アンケート調査では、
緊急事態宣言が出された1ヵ月後に、
精神的な状態を調べる指標として広く使われる6つの質問をしたのです。
6つの質問とは、心理的苦痛の測定指標としてつかわれるもので、
過去30日間に、
- 神経がイライラした
- 絶望的だと感じた
- ソワソワと落ち着かない
- 気分が落ち込んだ
- 何もやる気が起こらない
- 自分は価値のない人間だと思う
ことがあったかどうかを問うものです。
その結果、
- 18%の人が治療が必要なうつ状態
- 48.1%の人が心理的ストレスを感じている
という結果が得られ、
過去の国による調査結果に比べて心理的ストレスを感じている2倍に増えたことが明らかになったのです。
さらに詳しい調査により心理的ストレスの原因として、
- 対人関係の悪化
- 不眠・不安
などが背景にあることも分かったとしています。
特に心理的ストレスが高かった人は、
- 医療従事者
- 39歳以下の若い世代
- 精神疾患の既往歴がある人
だったということです。
研究グループでは、
同じ人を対象に、
1月18日の2回目の緊急事態宣言の以降の心理的な変化も継続的に分析するとしていますが、
徳島大学の山本哲也准教授は、
“コロナうつ”などと言われるが、個々人の事情に合わせたきめ細かな支援が必要だとコメントしています。
Sponsored Link
新型コロナで80%の人がストレスを感じている
同じような調査結果は筑波大学からも報告されています。
筑波大学の災害地域精神医学研究グループは、
昨年8月に「新型コロナウイルス感染症に関するメンタルヘルス調査」を行っています。
詳しく見る ⇒ 筑波大学プレスリリース
グループは、大都市圏に住む10代から60代以上の7,250人を対象にアンケート調査を行ったのですが、
その結果、
- 80%の人が新型コロナにストレスを感じている
- 50%の人が新型コロナに恐怖や不快感をもっている
ということが明らかになったのです。
そして、
- うつ
- 不安
- PTSD症状
とも、従来の災害時と同程度、あるいはそれ以上に高かったことも分かったのです。
Sponsored Link
まとめ
新型コロナウイルス感染はまだまだ収まりません。
第2回目の緊急事態宣言は2月末まで延長されるとの話も出てきました。
また、新型コロナウイルス感染がインフルエンザの流行程度のレベルになるのは、
今後10年もかかるといわれています。
うつ病の原因はウイルス感染だとの説もありますが、
コロナうつの原因は、
ストレス
が最も大きいようです。
三密を避けることが重要ですが、
自分のストレス解消法を見つけてください。