ご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
一時は「心の風邪」などとも言われたうつ病ですが、その原因は明確ではありません。
- 精神的疲労(ストレス)
- 肉体的疲労
- 環境
など、様々な要因が重なって発症すると言われています。
しかし、
うつ病の原因はウイルス感染だというのです。
誰もが子供の頃に感染するヒトヘルペスウイルス6Bの遺伝子がうつ病を発症させるというのです。
新型コロナウイルス感染で自殺するヒトが急増しています。
心の病気といわれるうつ病の原因がウイルス感染というのはどういうこと?
専門家は、
うつ病は心の弱さからくる病気ではないとして治療をすすめています。
うつ病の原因はヘルペスウイルスの感染か
今注目されているのは、
うつ病の原因はウイルス感染、
うつ病は心の弱さからくる病気ではない
と主張しているのは慈恵医科大学の近藤一博教授らの研究グループの報告です。
詳しく見る ⇒ 慈恵医科大学プレスリリース
研究グループは、
ヒト・ヘルペスウイルス6(HHV-6B)が脳の嗅球に潜伏する際にできるSITH-1という遺伝子がうつ病を発症させているとしているのです。
マウスを用いた実験で、嗅球にSITH-1を作用させたところ、嗅球が壊れてうつ病に似た症状が出現したというのです。
さらに、
- うつ病患者: 84人
- 健康な人 : 82人
について、SITH-1抗体の有無を調べたところ、
- うつ病患者の抗体陽性率 : 79.8%
- 健康な人の抗体陽性率 : 24.4%
と、うつ病患者ではSITH-1陽性が12.2倍も高かったというのです。
さらに、
「病気ではないが抑うつ症状がある人でもSITH-1の陽性率が高かったそうです。
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どうしてウイルス感染がうつ病を引き起こすのか
研究グループがうつ病の原因だとしているヘルペスウイルス6(HHV-6B)は、子供の頃に誰もが感染しているといわれるウイルスです。
HHV-6Bは赤ちゃんの熱性発疹症の原因ウイルスで、
2歳までにほぼ100%の幼児が感染し、その後95%以上で潜伏感染しているといわれ人間なら100%が持っているウイルスなのです。
潜伏感染とは、ウイルスが体内にいるが何ら異常な症状を引き起こさない状態ですが、疲労などで身体が弱ったときに再び活性化する感染状態です。
ではヘルペスウイルス6(HHV-6B)がどうしてうつ病を引き起こすのでしょうか?
潜伏感染していたヘルペスウイルス6が活性化すると、上にも書きましたが、脳の嗅球という部位でSITH-1という蛋白を作り出します。
作られた蛋白質SITH-1は、
- 病的疲労
- 脳細胞のアポトーシストーシス(細胞死)
を引き起こし、さらにはうつ病に移行するというのです。
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まとめ
慈恵医科大学の近藤一博教授は、
SITH-1の抗体検査でうつ病の前段階で早期発見できる可能性がある
とのべています。
また、
うつ病は心が弱いからや自分の責任でなる病気ではない、
生活習慣や働き方を調整していくことでうつ病を予防できる
としています。
秋は夏の疲労も重なってうつ病に陥りやすい時期です。
調子が悪いと感じたら早期に医者の診察を受けることが大事なのです。