今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
精神疾患の新薬開発を行っていた私が言うのも何ですが、
最近はうつ病は生活習慣病だとも言われるように、
薬だけに頼らず食生活・運動などを含めた生活習慣の見直しも重要だとされています。
さて今日も科学的根拠に基づいたうつ病関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
うつ病の原因には様々な原因が上がられているのですが、
抗うつ薬の研究開発で有名なMSD社によれば、
男性のうつ病の原因は、
- 仕事の疲労
- 職場異動
- 精神的打撃
- 経済問題
- 近親者の病気や死亡
だとしています。
政府の働き方改革では「労働時間の削減」が大きなポイントになっているのですが、
富山大学の研究グループは、
うつ病の発生には「仕事量」よりも、
「仕事の満足度」や「仕事の」はうつ病の発生には余り大きな影響を与えていないようです。
仕事が原因のうつ病では休職をすることがベストの方法と思われていますが、
による
そのため、
うつ病の原因のNo.1は仕事
うつ病は、
何らかの過度なストレスが引き金になって起こる
といわれています。
現代社会では様々なストレス要因があるのですが、
ストレスのなかで特に多いのは、
- 人間関係からくるストレス
- 環境の変化からくるストレス
です。
最近特に多いのが職業生活におけるストレスで、
厚生労働省では、
勤労者の60%が職場において強い不安やストレスを感じている
と報告しています。
そのため勤労者のうつ病では、
ストレスの原因となる職場から離脱し、
長期の休業
をとることが薦められるのです。
会社の規模によっても異なりますが、
多くの場合、
主治医の診断書と産業医の意見を勘案して会社が休職を決める
ことが多いようです。
休職によりうつ病の病状が改善するのは当たり前のことです。
- 仕事のストレスが全くない
- 抗うつ薬を服用する
など、ストレスから離れてのんびりすれば回復は当然のことなのです。
しかし、、、
うつ病による長期休職の後に、
という多くの結果が示されています。
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仕事が原因のうつ病は仕事で回復する
富山大学の医学部疫学・健康政策学講座の研究グループは、
勤労者のうつ病の発生と回復について追跡調査を行い、
- 抑うつ症状の発生には仕事への不満足が関与している
- 抑うつ症状の回復には職務ストレスが強く影響している
- 仕事によるうつ病は1年での回復が可能
ということが明らかになったと発表しました。
うつ病予防には仕事満足、うつ病からの回復には職場ストレスの管理が重要
詳しく見る ⇒ 富山大学プレスリリース
研究では、
2,000人の公務員を対象に、
抑うつ症状の発症と回復に仕事のストレスと満足がどのように関与しているか
を調べたのです。
なお、抑うつ症状(以下うつ病)の診断はCES-D指標により19 点以上を抑うつ症状ありとしています。
その結果、
うつ病の発生には、
- 仕事の不満足
- 短時間睡眠(6時間未満)
- 未婚
が関与していることが分かったのです。
さらに、
うつ病の回復には、
- 仕事の裁量度
- 仕事の要求度
- 慢性疾患
が大きく関わっていることも分かったとしています。
研究グループは、
うつ病の発生には仕事の満足が大きく関与
うつ病の回復には職務ストレスが大きく影響
していたことが分かったとしています。
さらに、
仕事の量を示す労働時間とうつ病の発症には関連がなかったとしています。
「仕事の裁量度」と「仕事の要求度」とは、
仕事の裁量度
- 仕事の順番や方法を自分で決められる
- 自分のペースで仕事をできる
- 仕事に自分の意見を反映できる
仕事の要求度
- 多くの仕事をしなければならない
- 時間内に仕事を処理できない
- 懸命に働かなければならない
政府の働き方改革では労働時間の削減が大きなポイントになっているのですが「仕事量」はうつ病の発生には余り大きな影響を与えていないようです。
そして、
「仕事の満足度」や「仕事のやりがい」は「仕事のストレス」に大きな影響を与えているのです。
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まとめ
仕事の満足度や仕事のやりがいがあれば、
仕事量が多くてもストレスにはならないということなのですが、
獨協医科大学の越谷病院こころの診療科では、
休職によりうつ病の回復をはかっても、
- 休職後に職場復帰しても50%が再び休職する
- 2回目の職場復職では70%が再び休職する
- 3回目の職場復職では90%が再び休職する
ということから、
として、
- うつ病を治しながら働く
- うつ病を働きながら治す
という治療法を薦めています。
仕事が辛くてうつ病に陥ったからといって休職がベストの選択とは言えないようです。