厚生労働省によれば、
日本では100人に3~7人が生涯にうつ病を経験するといわれ、3年ごとに行っている患者調査では、うつ病などの気分障害の患者が急増しているそうです。
国立精神・神経医療センターの研究では、
うつ病は肥満や糖尿病などと同じ生活習慣病お1つだとしています。
実際に、うつ病になった人では、
- 2型糖尿病
- 肥満
- 脂質異常症
などの既往症も多く、間食や夜食の頻度が高いことなどもわかっており、
日本生活習慣病予防協会では、
不健康な生活習慣を改善すればうつ病を予防することができるとしています。
生活習慣病の予防には脂肪を分解する効果があるといわれる唐辛子。
激辛ブームで唐辛子の人気が高まっていますが、
唐辛子のカプサイシンにはうつ病を予防する効果があるというのです。
唐辛子のカプサイシンにはうつ病予防の効果がある
肥満の予防には唐辛子が効果があると言われています。
唐辛子には、
- ビタミンA
- ビタミンE
- ビタミンC
が豊富に含まれ、これらには活性酸素除去作用が有り、アンチエイジング効果があるのですが、
唐辛子の成分と言えばなんといってもカプサイシンです。
カプサイシンは唐辛子の辛み成分ですが、
カプサイシンには、
- 血管を拡張する効果
- 脂肪を燃焼する効果
などの健康効果があると言われていますが、
カプサイシンにはその他にもいろいろな生理作用があります。
詳しく見る ⇒ 農林水産省・カプサイシンの作用
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唐辛子のカプサイシンはうつ病を予防する
そんな唐辛子なのですが、
唐辛子のカプサイシンはうつ病予防に効果があるというのです。
この研究は、メキシコのコリマ大学のバビエル・フランシスコ・ゴンザレス教授らの研究グループで、
世界的な科学雑誌Physiology & Behaviorに掲載されました。
Capsaicin produces antidepressant-like effects in the forced swimming test and enhances the response of a sub-effective dose of amitriptyline in rats
詳しく読む ⇒ 原著論文
農林水産省のカプサイシンの作用のサイトにも記載されているのですが、
カプサイシンにはTRPV1受容体に対する作用があります。
TRPV1受容体というのは知覚神経に関与する受容体で、
唐辛子に含まれるカプサイシンが痛みを生じさせるメカニズムはカプサイシンが感覚神経のTRPV1に作用するからだと言われています。
少し難しくなってしまったのですが、
研究グループは、メキシコは唐辛子の消費が世界一であることから、
唐辛子のカプサイシンが気分、特に抑うつ的な気分にどのような影響があるのかを調べたのです。
ラットに強制水泳をさせることによるうつ病モデルに、
- 抗うつ薬
- カプサイシン
を投与したところ、
カプサイシンには抗うつ薬と同じ強制水泳時の不動状態を抑制する効果があった
というのです。
研究グループは、
この研究はラットを対象としたもので人間では実証されていないとしながらも、
唐辛子の辛さであるカプサイシンは爽快感を与え気持ちをポジティブにする効果がある
としています。
さらに、
唐辛子は世界中で使われている調味料で抗うつ剤に比べて副作用は少ないと述べています。
唐辛子を使った料理では、
- 辛さの刺激
- 発汗作用
があることから、ある種の爽快感を味わえ、
落ち込んだ気分を一掃してくれる効果があるのかもしれません。
激辛ブープで、飲食店の料理でもコンビニのインスタントラーメンやレトルト食品でも「激辛」が人気で売上げを伸ばしているようですが、
農林水産省では、
トウガラシを使った料理や調味料による適度な辛さは食欲を増進させ、おいしく食事をする助けになります。
しかし、トウガラシの辛みの主成分であるカプサイシンをとりすぎると、粘膜が傷つき、のどや胃が荒れてしまうことがあるので、辛いものを食べ過ぎないように心がけましょう。
と警告しています。
気分が落ち込んだときには唐辛子料理がおすすめですが、
ホドホドの辛さにしてください。
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