男性更年期のうつ病は姿勢で治る
更年期障害は女性だけの病気だと思っていませんか?
更年期障害は男性でも見られ、
国内では600万人もの中年男性が更年期障害で悩んでいるといわれています。
男性の更年期障害の症状は、
- 精力減退
- うつ
- 気力の低下
- 睡眠障害
などですが、
のです。
順天堂大学大学の堀江重郎教授は、7月下旬に開催された第15回日本うつ病学会において、
男性更年期うつ病の予防では、
運動や日常生活での姿勢の改善が重要だ
と述べています。
中年男性で更年期うつ病が多い
更年期障害といえば女性だけの病気と思われがちなのですが、
近年、
働き盛りの中高年男性の「更年期障害」が急増しており、
中高年男性の6人に1人が男性更年期障害で、
国内の男性更年期障害の患者数は600万人もいるといわれています。
女性の更年期障害の原因は、
卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することですが、
男性の更年期障害の原因も、
睾丸から分泌される男性ホルモン(テストステロン)の分泌が老化に伴って低下することです。
男性ホルモンが低下すると、
身体症状として、
- 性機能の低下(ED)
- 筋力の低下
- 疲労感
- 発汗やほてり
などが、
精神症状として、
- 不安感
- 不眠
- 集中力の低下
- 気分の落ち込み
などが現れ、
うつ症状に陥る中高年男性が多いのです。
有名人では、
- 漫画家のはらたいら
- ビートたけし
- テリー伊藤
- 渡辺正行
氏らが男性更年期障を患ったことを明かしており、更年期障害でうつ病になる男性が多いのです。
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男性の更年期うつ病にはホルモン補充療法
順天堂大学の堀江重郎教授は、7月下旬に開催された第15回日本うつ病学会において、
- 男性更年期障害とうつ病の関係
- 男性更年期障害のうつ病に対する男性ホルモン補充療法
などについて説明しています。
男性更年期障害は男性ホルモン低下が原因ですが、
男性ホルモンは、
筋力、骨格、体力、性機能などの身体的な機能だけでなく、
- 意欲
- 行動力
- 社会性
- 公正性
などの男性の精神面とも密接に関係しているのです。
堀江教授の説明では、
更年期においてテストステロンが減少すると、「はつらつとした男性性」が失われ、
うつ病のリスクが増加するのだそうです。
Calculated bioavailable testosterone levels and depression in middle-aged men.
詳しく読む ⇒ コチラ
男性更年期障害におけるうつ病ではテストステロン補充療法が有効ですが、
男性更年期障害でうつ病になる男性では男性ホルモンであるテストステロンが低下していることが明らかになっています。
オーストラリアの研究グループは、
更年期うつ病患者ではそうでない人に比べテストステロンの濃度が低かった
と報告しています。
Low Free Testosterone Concentration as a Potentially Treatable Cause of Depressive Symptoms in Older Men
詳しく読む ⇒ 原著論文
しかし堀江教授は、
国内で承認されているテストステロン製剤は、
持効性注射剤と軟膏の一般用医薬品だけであり、
更年期うつ病のホルモン補充療法には使い勝手が良いとはいえないと述べています。
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男性更年期のうつ病は姿勢で治る
堀江教授の推奨する男性更年期におけるうつ病の予防は、
運動と姿勢の矯正が有効
だと述べています。
男性を、
- ゴリラのように胸を張った姿勢
- 前かがみの姿勢
の2群に分けて男性ホルモンの分泌量を比較したところ、
胸を張った姿勢群では、
- 男性ホルモンの分泌量が有意に増加
- 副腎皮質ホルモンのコルチゾールが有意に減少
していたというのです。
Power posing: brief nonverbal displays affect neuroendocrine levels and risk tolerance.
詳しく読む ⇒ コチラ
これらの結果から堀江教授は、
男性更年期うつ病にはホルモン補充療法が有効と考えられる
ものの、
国内では処方に適した製剤が少ないため、
現状では、
運動や日常生活での姿勢の改善が重要だ
と結論したのです。