最近の研究により、
うつ病は、
- 食生活
- 運動
- 睡眠
などと大きく関わっていることが分かってきており、
うつ病は生活習慣病
ともいわれています。
国立精神・神経医療研究センターらの研究グループは、
うつ病が、
- 体格
- メタボリック症候群
- 生活習慣
と大きく関連していることを日本人を対象とした大規模疫学調査で明らかにしました。
そして、
うつ病の改善には、
- 朝食をしっかり食べる
- 間食や夜食を控える
- 運動を心がける
ことが重要だとしています。
うつ病はライフスタイルとの関連
国立精神・神経医療研究センターの研究グループは、
国内のうつ病患者や健康人、1万人以上を対象にした大規模疫学調査により、
うつ病は肥満や食生活、運動などの生活習慣に大きく関係していることを明らかにしました。
国立精神・神経医療研究センター ⇒ プレスリリース
そしてこの研究成果は世界的な科学雑誌であるJournal of psychiatric research誌2018年7月号に掲載されました。
Association of depression with body mass index classification, metabolic disease, and lifestyle: A web-based survey involving 11,876 Japanese people.
詳しく読む ⇒ コチラ
この研究では、
- うつ病患者: 1,000例(平均年齢 41.4±12.3歳、男性501例)
- 対照群 : 10,876例(平均年齢 45.1±13.6歳、男性5,691例)
を対象として、
- 体重や血中脂質
- 間食や夜食の摂取頻度
- 朝食の摂取頻度
- 心の健康度(K6テスト)
などの項目とうつ病との関連を調べたのです。
その結果、
うつ病患者では、
- 肥満や脂質異常が多い
- スナック類や夜食の摂取頻度が高い
- 朝食の摂取頻度が低い
- 身体活動量が少ない
ということがわかったのです。
さらに、
K6スコアとの関連については、
- 低体重や肥満度が高いヒトではK6スコアが高い
- K6スコアは、脂質異常症、スナック類や夜食の摂取頻度と正の相関がある
- K6スコアは朝食の摂取頻度と負の相関がある
もう少し簡単に説明すれば、
- 肥満や低体重ではK6スコアが高い → うつ病の危険が大きい
- スナック類や夜食の頻度が多いとK6スコアが高い → うつ病の危険が大きい
- 朝食をよく食べるヒトではK6スコアが低い → うつ病の危険が小さい
ということなのです。
研究グループは、
- 肥満度
- 脂質異常
- 生活習慣
などが抑うつ症状の一部と関連していることが示された
と述べています。
Sponsored Link
K6で心の健康状態やうつ病を評価する
この試験で使われたK6というのは、心の健康状態を計測するてすとです。
企業などにおける健康診断で心の健康状態を調べるときによく使われています。
K6テストは、6つの質問からなっている簡単なテストで、
下記の6つの質問について、
過去1ヵ月の間にそのようなことがあったかを答えるだけです。
- 自分は神経過敏になっていると感じたことがある
- 自分がソワソワして落ち着かなくなっていると感じたことがある
- 気分が落ち込んで、何をしても気分が晴れないように感じたことがある
- 何をするのも億劫で面倒だと感じたことがある
- 絶望的だと感じたことがある
- 自分は価値のない人間だと感じたことがある
この質問について、
- 全く感じなかった : 0点
- 少しだけ感じた : 1点
- ときどき感じた : 2点
- たいてい感じた : 3点
- いつも感じた : 4点
という点数で評価し、
- 合計点が13点以上だと「要注意」と評価します
いかがでしたでしょうか?
研究グループは、
- 体重の適正なコントロール
- 肥満の解消
- メタボリック症候群の治療や予防
がうつ病の予防や発症に関連していることが明らかになったとして、
- 朝食をしっかり食べる
- 間食や夜食を控える
- 運動を心がける
ことが、うつ病の改善に重要だとしています。
Sponsored Link