今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
精神疾患の新薬開発を行っていた私が言うのも何ですが、
最近はうつ病は生活習慣病だとも言われるように、
薬だけに頼らず食生活・運動などを含めた生活習慣の見直しも重要だとされています。
さて今日も科学的根拠に基づいたうつ病関連の情報をお伝えいたします。
目次
はじめに
うつ病から立ち直り元の職場で元気に働いている人もいるのですが、
再発、再々発をくり返して退職してしま人も少なくないのです。
先日、
でもお知らせしたように、
厚生労働省の研究班による調査では、
うつ病で病気休職後の2年で半数が再発する
ということが報告されています。
一方、
獨協医科大学の越谷病院こころの診療科・井原裕教授は、
働きながら治す、治しながら働く
という方法もあると述べているのです。
うつ病では職場のストレスが原因となる場合が多いのですが、
休職した方が良いのでしょうか?
うつ病になったら休職した方が良いのか?
うつ病で病気休暇しても半数が再発するでも書きましたが、
うつ病による休職後の2年で半数が再発する
ことが分かっています。
2012年に独立行政法人 労働政策研究・研修機構がおこなった調査では、
- 休職後に復職した : 37.2%
- 休職後に退職した : 14.8%
- 休職せずに退職した : 9.8%
- 休職後に復職したが退職した : 9.5%
ということで、
うつ病の発症により34.1%が退職している
ことが分かっています。
うつ病は60%で再発し再々発と繰り返すごとに再発率はさらに高まる
といわれています。
- 職場に復帰しても50%が再び休職する
- 2回目の復職では70%が再び休職する
- 3回目の復職では90%が再び休職する
というのです。
これでは、休職した意味が全く効果を出していないのです。
休職を決めるのは医者
多くの場合休職を決めるのは医者です。
患者が「休職したい」と申し出ることはほとんどないといわれます。
それはうつ病患者が、
- 休職すれば皆に迷惑がかかる
- 休職すれば自分の席がなくなる
と考えるからだといいます。
うつ病になる人は神経が繊細な人が多いともいわれています。
会社の規模によっても異なりますが、
主治医の診断書と産業医の意見を勘案して会社が休職を決める
ことが多いようです。
小規模な会社で産業医がいない場合には主治医と人事担当者で決められることもあります。
休職後の職場復帰についても同じような手順で決まられることが多いのです。
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休職すればうつ病が回復するのは当たり前
休職中にうつ病の病状が良くなるのは当たり前のことです。
- 仕事のストレスがない
- 薬を服用している
と、
ストレスから離れてゆっくりしているから当然のことなのです。
そして、
うつ病が回復したとして職場に戻るだけでは再発することは目に見えているのです。
- 何がうつを引き起こしたのか
- 何がストレスになったのか
を充分に考え、
- それに立ち向かうにはどうしたらよいのか
- 自分がどう変われば良いのか
を実践しなければ、再発することは目に見えているのです。
復職後の再発を防ぐには
休職によりうつ病が回復したとして復職しても、
- 職場に復帰しても50%が再び休職する
- 2回目の復職では70%が再び休職する
- 3回目の復職では90%が再び休職する
というのですが、
どうしたら復職後の再発を防ぐことができるのでしょか?
厚生労働省は、
心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き
を出しています。
詳しく読む ⇒ 厚労省サイト
それによれば、
復帰後には労働負荷を軽減し段階的に元へ戻すなどの配慮が重要です
として、
具体的には、
- 短時間勤務
- 軽作業や定型業務への従事
- 残業・深夜業務の禁止
- 出張制限
- 交替勤務制限
- フレックスタイム制度の制限または適用
- 転勤についの配慮
を挙げていますが、
これだけの配慮をおこなえる会社は多くはないかもしれません。
多くの場合には、
復職後3ヵ月は配慮するが以降は従来通りの仕事へ就く
ことが復職の条件としているようです。
再発に配慮するとして50%の仕事を長期間続けさせ100%の給与を支払う
ことは職場のバランスを崩すことになるからです。
うつ病で休職した本人も、
慣らし運転は3ヵ月
との自覚をもって職場復帰する必要があるでしょう。
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うつ病を再発させない働き方が良い
うつ病で休職しても、
- 職場に復帰しても50%が再び休職
- 2回目の復職では70%が再び休職
- 3回目の復職では90%が再び休職
ということであれば、
はたしてうつ病では休職する方が良いのでしょうか?
ストレスが溜まってしまったら休息する必要はありますが、
休職までする必要があるのでしょうか?
うつ病で病気休暇しても半数が再発するでもご紹介したのですが、
獨協医科大学越谷病院こころの診療科の井原裕教授は、
仕事の関係でうつ病になったら、
まずは長期休職しないで、
「治しながら働く。働きながら治す」可能性を探ってください。
とすすめているのです。
うつ病でも数ヵ月もの長期休職が必要な人はそれほど多くはないというのです。
長期の休職では、
- 業務遂行能力が低下する
- 仕事体力が低下する
- 信頼関係が喪失する
などのデメリットがあり、
これらを回復するには休職した期間以上の努力が必要で大きなストレスになるのです。
井原裕教授が提唱するのは、
「仕事をしながらのリハビリテーション(on-the-job-rehabilitation)」
なのです。
長期休職ではなく、
- 1週間程度の休暇
- 半日の早退
などの有効利用によるストレスの解消です。
獨協医科大学越谷病院こころの診療科のホームページでは、
当科は本邦の大学病院で唯一の「薬に頼らない精神科」です。
患者さまは精神科に、薬物療法だけを求めているわけではないはずです。本邦精神医学の薬物療法偏重(いわゆる「薬漬け」)の現状に抗して、
私どもは一石を投じるべく療養指導・精神療法中心の治療をめざしています。
過量処方に疑問をお感じの患者さま、強力な薬物療法を希望しない患者さまは、どうぞ当科へおこしください。
と紹介しています。
- 治しながら働く
- 働きながら治す
という働き方も1つの選択しかもしれません。
私もストレスが溜まって不調の時は、
午後からの早退や1日の休暇
をとったものです。
- 皆が働いているときにブラブラする
- 明るい内に帰宅する
凄くストレス解消になったものです!