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    Categories: うつ病と睡眠障害

不眠症では10倍もうつ病になりやすい

うつ病の症状では不眠がよくみられ、

うつ病の患者ではその9割が不眠などの悩みを抱えているといわれています。

また、

不眠が続くとうつ病に陥ったりうつ病が悪化することもわかっており、

  • 不眠はうつ病の症状の1つでもあり
  • 不眠はうつ病の原因の1つ

でもあるのです。

不眠症とうつ病は「タマゴが先かニワトリが先か」のような関係にあるのですが、

椙山女学園大学の研究グループは、

不眠症では10倍もうつ病になりやすい

という研究結果を発表しました。

あなたはよく眠れていますか?

 

 

不眠症ではうつ病のリスクが10倍になる

椙山女学園大学の西谷直子教授らの研究グループは、

日本人の男性労働者におけるうつ病の発症と不眠症の関連を調査し、

不眠症ではうつ病のリスクが10倍になる

との研究成果を発表しました。

Insomnia and depression: risk factors for development of depression in male Japanese workers during 2011-2013.

詳しく読む ⇒ コチラ

 

この研究は、

不眠症とうつ病の発症との関係を明らかにする目的で、

男性労働者男性840例を対象に、

不眠症とうつ病について3年間にわたって追跡したのです。

なお、

  • 不眠症はアテネ不眠尺度(AIS)で評価し、
  • うつ病はうつ病自己評価尺度(CES-D)で評価

しました。

 

3年間の追跡期間に840例中113例がうつ病と評価されました。

さらに、

追跡開始時に不眠症だった男性はうつ病の発症リスクが7倍以上高い

ことがわかり、

 

不眠症の程度とうつ病発症の関係では、

  • AISスコア1~3の男性ではうつ病リスクが5.2倍高い
  • AISスコア4以上の男性ではうつ病リスクが10倍高い

ということがわかったというのです。

 

研究グループは今回の研究で、

不眠症の重症化に伴ってうつ病の発症リスクが高くなることがわかった

と結論しています。

 


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うつ病と不眠症は密接な関係にある

うつ病と不眠症は密接な関係にあります。

うつ病の診断に用いられているICD-10やDSM-5などの診断基準では、

  • 不眠
  • 睡眠過多

診断項目の一つに挙げられています。

さらに、

今回ご紹介したように、

不眠症が悪化するとうつ病のリスクが高くなるのです。

 

不眠症は、不眠や睡眠障害ともいわれますが、

  1. なかなか寝付けない : 入眠障害
  2. 睡眠中に何回も目がさめる : 中途覚醒
  3. 充分寝たはずなのにまだ眠い : 熟睡障害
  4. 朝早く目がさめてしまう : 早朝覚醒

の4つにわけられますが、あなたはどのタイプでしょうか?

 

うつ病で多くみられる不眠症のタイプは、

  • 途中覚醒
  • 早朝覚醒

80%を占め

残りの20%は、

  • 過眠症状(寝過ぎるタイプ)

だといわれています。

 

うつ病も不眠症もセロトニンの不足が原因

うつ病にも不眠症にも多くの原因が挙げられています。

うつ病の原因の1つは脳内セロトニンの減少だと考えられており、

抗うつ薬の多くは脳内のセロトニンを増やすような作用のあるものです。

 

睡眠にはメラトニンというホルモンが関与していることをご存じだと思います。

メラトニンは脳の上にある松果体という臓器から分泌され、

  • 生活リズムの調節
  • 睡眠周期の調節

などに関与していることから、睡眠ホルモンともいわれています。

 

セロトニンは、体内でトリプトファンというアミノ酸から作られますが、

セロトニンは松果体でメラトニンに変換されるのです。

すなわち、

メラトニンはセロトニンから作られるのです。

 

うつ病ではストレスや種々の原因が重なって、

脳内のセロトニンが不足するのですが、

セロトニンが不足するとメラトニンも不足してしまうのです。

 

セロトニンは体内でトリプトファンというアミノ酸から作られますが、

トリプトファンは体内では作ることができない必須アミノ酸で、

食べ物から摂る必要があるのです。

 

トリプトファンが多く含まれる食材は、

  • 乳製品
  • 大豆製品
  • ナッツ類

などですから、トリプトファン不足にならないためにはこれらの食品を摂ってください。

しかし、通常の食生活であればトリプトファン不足にはならないといわれていますから安心してください。

 

睡眠不足、睡眠障害、というとすぐに「睡眠薬を、、」と思ってしまいがちですが、

睡眠薬を飲んでも睡眠障害は解決出来ません

 

  1. 食生活が不規則
  2. 食品の摂取に偏りがある
  3. どうしてもよく眠れない

ということであればサプリメントの使用も有効です。

私も一時、睡眠薬に頼っていたのですが、

マインドガードにより睡眠薬の依存から解放されました。

 

 

良い睡眠をとるには、

  1. 適度な運動で適度な疲労感を得る
  2. 太陽に当たってセロトニンの分泌を促進する

が最も健康的です。

 

良い睡眠はうつ病を予防し、うつ病の悪化を防ぐことができます。

睡眠障害があれば原因を明らかにしてできるだけ早く良い睡眠をとるようにしてください。

 


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