採血による遺伝子検査でうつ病が診断できる
うつ病の診断においては、
などの新しい診断方法が研究開発されていますが、
多くの場合には「医者の問診による診断」でなされるのが通例です。
問診による診断ではICD-10やDSM-5などの診断基準はあるにせよ、
- 医者の経験
- 患者の応答
での判断の違いもあることは否めないのです。
DNAチップ研究所は、
採血によるうつ病の関連遺伝子による診断
を開始することを明らかにしました。
採血によるうつ病関連遺伝子でうつ病を診断
DNAチップ研究所は2018年春までに、
血液のうつ病関連遺伝子を判定する診断サービスを開始する
ことを明らかにしました。
この検査は、
- 患者から2.5ミリリットルの採血をおこない、
- 遺伝子の発現を解析するポリメラーゼ連鎖反応装置により、
- うつ病遺伝子の有無の判定する
のですが、
DNAチップ研究所と国立精神・神経医療研究センターは2016年に、
- うつ病に関与する関連遺伝子を発見し、
- その遺伝子の有無から、
- うつ病患者を検出できる
ことを科学雑誌に発表しているのですが、
この研究成果を基に多数の臨床サンプルで検証し、実用化に至ったのです。
DANチップ研究所では、
厚労省が2015年12月から企業に義務づけた「ストレスチェック精度」の一環として企業の健康保険組合や診療所に提案するとしています。
2018年度には1,000件の検査実績を目指していますが、
健康保険が適用されないため自由診療となり、費用は5万円程度とみられています。
DNAチップ研究所は、
DNAチップ技術の事業化を目指すバイオベンチャーで、
- 免疫年齢サービス
- リウマチチェック
- EGFRチェック(肺がんの診断)
などの診断サービスを実施しています。
詳しく見る ⇒ DNAチップ研究所
問診によるうつ病の診断では、
- 医師の経験
- 患者の応答
で診断が左右される可能性も大きく、関連遺伝子の検出により確定診断が可能になると思われます。
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うつ病に関与する遺伝子を同定
上に書きましたように、
DNAチップ研究所と国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの共同研究グループは、
DNAチップ研究所のRNAチェック技術により、
うつ病の病態に関与する複数の遺伝子を発見し
科学論文誌であるScientific Reportsに発表しています。
Blood-based gene expression signatures of medication-free outpatients with major depressive disorder: integrative genome-wide and candidate gene analyses
詳しく読む ⇒ 原著論文
この研究では、
- 健常者 : 14名
- 服薬歴のないうつ病患者 : 14名
から血液を採取し、
健常者とうつ病患者の遺伝子発現を比較し、
- うつ病患者だけにおいて発現している317遺伝子を発見、
- これらの遺伝子には神経伝達に関与する遺伝子が多く含まれる
ことを明らかにしたのです。
さらに、既に報告されているうつ病関連候補遺伝子169個と比較分析したところ、
研究グループが発見した317のうつ病関連遺伝子にも多くが含まれていることが明らかになったのです。
DNAチップ研究所は、
この研究成果を元に臨床データーを多数集積し、今回のうつ病の診断サービスの開始に至ったのです。
現時点では、
企業の健康保険組合や診療所における診断サービスを目指しているようですが、
一般の医療機関やクリニックでも採用すると思われます。
自由診療でも費用は5万円程度であれば、これで確定診断ができるというのであれば高くはないでしょう。
一般の医療機関やクリニックでも採用されたら随時、情報をアップしていきますのでお待ちください。
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