今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
妊娠中や出産後にうつ病になるひとが増えており、
2016年の厚労省の調査では、
うつ病などの精神疾患で治療が必要な妊婦が4万人に上る
ということが分かっています。
日本産婦人科学会の調査でも、
2005~2014年の10年間に東京23区で自殺で死亡した妊産婦は63名
もいることが判明し、政府もさまざまな対策を講じています。
妊娠して母親になるという期待が膨らむと同時に、
- 自分も母親になれるかしら、、
- 元気な子供が生まれるかしら、、
などの不安に駆られ、
- うつ病
- 不安障害
おちいる妊婦が多いのです。
妊娠中のうつ病は食事の内容と関連がある
妊娠中のうつ病は非常に大きな問題になってきているのですが、
愛媛大学は、
妊娠中のうつ症状は食事の内容と関連がある
との研究成果が得られたと発表しました。
詳しく読む ⇒ 愛媛大学プレスリリース
この研究は、愛媛大学が中心となって、国立保健医療科学院、東京大学、琉球大学との共同でおこなわれたもので、
これまでに、
食事によって、
- 魚介類
- ヨーグルト
- 海藻
- 大豆
- 魚介類由来n-3系不飽和脂肪酸
- カルシウム
- ビタミンD
- イソフラボン
- マンガン
を摂取することは妊娠中のうつ症状を予防する効果があることを明らかにしてきたのですが、
今回は、習慣的な食品の摂取パターンと妊娠中のうつ症状の関連を明らかにしたのです。
研究成果は、2017年8月30日にJournal of Affective Disorders に掲載されましたが、
概要をご紹介したいと思います。
Dietary patterns and depressive symptoms during pregnancy in Japan: baseline data from the Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study.
CONCLUSIONS:
The healthy and Japanese dietary patterns may be inversely associated with depressive symptoms during pregnancy.
詳しく読む ⇒ コチラ
研究グループは、
- 九州と沖縄の母子保健研究に参加した1,744名の妊婦
を対象に、
妊娠中うつ症状を診断したところ、
- 335名(19.2%)がうつ症状を有していた
ことが判明しました。
そこで、
33の食品群から食品摂取パターンを分析したところ、
食事の内容は、
- 健康型
- 日本型
- 西洋型
の3つのタイプに分けられたというのです。
3タイプにおける具体的に習慣的に食べている食品とは、
タイプ | 多い食品 少ない食品 |
健康型 | 野菜、きのこ類、豆類、海藻、いも類、魚介類、みそ汁、砂糖類の摂取が多い
菓子類、パン類の摂取が少ない |
日本型 | 米、みそ汁の摂取が多い
コーヒー、乳製品、砂糖類、菓子類、パン類の摂取が少ない |
西洋型 | 肉類、植物油脂類、卵、調味料の摂取が多い
パン類の摂取が少ない |
という内容です。
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各食事タイプの中で比較すると、
「健康型」の食事パターンの度合いが高くなるにつれて妊娠中うつ症状の有症率が低くなっていたのです。
また、
「日本型」の食事パターンにおいてもほぼ同様な傾向が見られたというのです。
すなわち、
「健康型」の食事パターンでは、
野菜、きのこ類、豆類、海藻、いも類、魚介類、みそ汁などをより習慣的に食べている妊婦ほどうつ症状が少なかった
ということなのです。
これらの分析結果がら、
「健康型」と「日本型」の食事摂取は妊娠中うつ症状を予防する可能性がある
と結論しています。
このサイトでも、
ということなどをご紹介してきましたが、
今回の愛媛大学の研究では、
- 野菜
- きのこ類
- 豆類
- 海藻
- いも類
- 魚介類
- みそ汁
などをより習慣的に食べている妊婦ほどうつ症状が少なかったということなのです。
さらには、
ということもありましたので、
あなたに合った方法を見つけてください。
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