うつ病の治療では、
- 早期診断
- 早期治療
が最も大事です。
抗うつ薬を販売している塩野義製薬は、
うつ傾向の実態調査を実施し、この度結果を発表しました。
その結果、
成人男女ではうつ傾向の人が39%もいることが明らかになり、
うつ傾向の人は身体的・精神的不調を訴えている人が多いことが分かりました。
しかし、うつ傾向の人がありながら専門医を受診した人は1割しかいなかったのです。
複数の身体的・精神的不調があるならうつ病のサインかもしれません。
塩野義製薬がうつ傾向の実態調査を実施
塩野義製薬は、
2016年2月に「うつ傾向がある人の意識と行動の実態調査」
をおこなったのですが、
2017年5月17日にその調査結果を発表しました。
詳しく見る ⇒ 塩野義製薬プレスリリース
うつ病の患者数は約73万人(厚生労働省の統計調査)と推計されているものの、
うつ病やうつ状態であるものの医療機関で診断や治療を受けていない潜在的なうつ病患者は230万人もいるといわれ、
うつ病やうつ状態を治療せずに放置すると病状の悪化や治療の長期化につながることから、
うつ病の改善では早期発見と早期治療が重要であるとして、
- うつ傾向のある人の医者への相談状況
- うつ症状の精神的不調やその要因
についての現状を把握するためにこの調査をおこなったのです。
うつ病の実態調査の調査方法
この実態調査の調査対象や調査方法は、
- 調査時期 : 2016年2月
- 調査方法 : インターネットによる全国調査
- 調査対象 : 20歳~69歳の男女 1,9975人
として、
この調査により、
「うつ病の傾向があり」かつ「うつ病の診断を受けていない」
に該当する人にさらに調査をおこなっています。
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うつ傾向の人が39%もいる
この実態調査では、
20歳~69歳の男女19,975人
を対象にして、
- 最近 1 カ月間に気分が沈んだり,ゆううつな気持ちになることがよくあったか?
- 最近 1 カ月間に物事に対して興味がわかない,心から楽しめないことがよくあったか?
という2質問法により、
うつ傾向の有無を判定したのですが、
うつ傾向があると判断された人は7,796人
もいたのです。
しかし、
うつ傾向があると判定された人の中で医師の診察を受けた人は8.1%しかいないことが分かったのです。
うつ傾向がありながら91.9%の人のは医師の診断や治療を受けておらず、
医療機関で診断されていると答えた人は 8.1%しかいなかったのです。
うつ傾向にある人は体の不調が多い
うつ病の傾向にある人は何らかの、
- 精神的不調
- 身体的不調
を訴える人が多いのですが、
うつ病の傾向にある人の35%で6つ以上の不調を感じている
ということが明らかになっています。
精神的不調では、
- 物事を悪い方向に考えてしまう
- いつもなら楽しいことにもやる気が出ない
- 気分が苦しく泣きたくなる
- 不安で居てもたってもいられない
身体的不調では、
- 疲労倦怠感
- 肩の痛み
- 睡眠障害
- 頭痛・頭重
ということを訴える人が多かったのです。
うつ傾向で医者に相談した人は1割だけ
今回の調査に参加した19,975 人のうち、
うつ傾向がある人は 7,796人もいたのですが、
この中で、
うつ病の診断や治療を受けていない「うつ未診断者」が2,028人もいたのです。
その中で、
「身近なかかりつけの内科医がいると」回答した人は53.6%でしたが、
実際に「相談した」人は12.5%しかいなかったのです。
今回のうつ傾向者の実態調査では、
- 調査対象 19,975人
の内、
- うつ傾向がある人 7,796人
もいたのですが、
- 医師の診察を受けた 631人
しかいなかったのです。
調査結果を監修した藤田保険衛生大学部の内藤宏教授は、
うつ傾向の人が早期発見・早期治療するためには、
内科医が心療にも取り組むこともだいじだが、
本人や家族が日頃から身体的不調に注意して早めに医者に相談することが大事だとコメントしています。
今回の調査結果では、
うつ傾向のある人の3割以上が3ヵ所以上の身体的や精神的不調を訴えているのです。
精神的不調では、
- 物事を悪い方向に考えてしまう
- いつもなら楽しいことにもやる気が出ない
- 気分が苦しく泣きたくなる
- 不安で居てもたってもいられない
身体的不調では、
- 疲労倦怠感
- 肩の痛み
- 睡眠障害
- 頭痛・頭重
など数多く思い当たるなら専門医を受診して下さい。
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