うつ病が関節リウマチのクスリで治る|千葉大学

うつ病の治療薬はさまざまなものが開発されていますが、

  • 副作用がある
  • 治療抵抗性の患者が 30%程度いる

ということが問題です。

そんなときに朗報です。

千葉大学の研究グループは、

既存のリウマチ治療薬に即効性のうつ病改善効果がある

ことを発見したというのです。

研究グループは、

治療抵抗性のうつ病患者の新しい治療薬として期待できる

としているのですが、

うつ病に即効性の効果があるリウマチ治療薬とはどんな薬なのか?

さっそく調べてみました。

 

 

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千葉大学はうつ病がリウマチの薬で治ると発表

千葉大学の研究グループは、

 関節リウマチの治療薬にうつ病にたいして即効性の効果があった

と発表しました。

 

この研究成果は、

千葉大学の社会精神保健教育研究センターの橋本謙二教授によるもので、

リウマチ治療薬のインターロイキン6(IL-6)受容体阻害薬にうつ病に対する即効的な効果があった

と医学雑誌(Translational Psychiatry)に投稿されました。

 

Blockade of interleukin-6 receptor in the periphery promotes rapid and sustained
antidepressant actions: a possible role of gut-microbiota-brain axis.

Translational Psychiatry 2017; 7: e1138. doi:10.1038/tp.2017.112.

 

詳しく見る ⇒ 千葉大学プレスリリース

 

研究グループは、

これまでの研究において、

 うつ病の患者では血中の IL-6 濃度が健常者より有意に高い

とのことに注目し、

  1.  うつ病の動物モデル(マウス)に、
  2.  IL-6を阻害するリウマチ治療薬を投与したところ、
  3.  即効性の抗うつ効果が確認された

というのです。
さらに、

  • 脳内の樹状突起スパイン密度の減少も改善
  • 腸内細菌叢の変化を改善する

ことも判ったと報告しています。

 

今回の研究成果は、

  • 近年提唱されているうつ病の炎症仮説を支持する成果で、
  • このリウマチ治療薬は治療抵抗性のうつ病患者の新しい治療薬として期待できる

と述べています。

 


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リウマチが治るリウマチの薬とは?

今回、千葉大学の研究グループが用いたリウマチ治療薬とは、

IL-6(アイエル-6)といわれるサイトカインを阻害する薬物です。

 

サイトカインとは、リンパ球などの免疫系細胞から分泌されるシグナルを伝達する蛋白で、

IL-6はリウマチの原因物質といわれています。

 

具体的な治療薬名は、中外製薬と大阪大学が研究開発したアクテムラといわれるもので、リウマチ治療薬として世界中で使われています。

 

千葉大学はリウマチ治療薬でうつ病が治ると発表しました

 

 

アクテムラは、

  • 2週間に 1 回、皮下注射

あるいは、

  • 4 週間に 1 回、点滴で投与

します。

点滴では体重に応じて使用する薬の量が異なりますが、

皮下注射の場合には体重に関係なく8mgを投与しますが、

 

価格は約38,000円

 

と高価で、保険適用による3割負担の場合でも、1ヵ月に40,000円程度の治療費がかかりますから、

1年間の治療費は保険適用でも480,000円を超すことになります。

 

リウマチの場合にはアクテムラを長期間にわたり投与を継続する必要があるといわれていますが、

  • うつ病の治療ではどの位の期間投与する必要があるのか
  • 投与を中止した後の再発はあるのか?

については未だ明らかになっていないようです。

 

 


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