今日もご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で新薬の研究開発を行っていた けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が多発しています。
これらにおける原因の多くはほんのチョットした気の緩みや勘違いです。
うつ病に罹患していても運転免許証を問題なく取得できるので安心して下さい。
自動車運転に関しては、
抗うつ薬には運転に影響を及ぼす副作用があるため、
医師が副作用に関する指導を行うなどの一定の条件を満たした場合には運転をしても良い
と定められています。
今回ご紹介する論文でも、
- うつ病は交通事故を200%増加させる
- 抗うつ薬は交通事故を約40%増加させる
と述べています。
抗うつ薬を服用した後の運転では交通事故の確率が非常に高いのです。
交通事故を起こしてからでは遅いのです、、
うつ病や抗うつ薬は交通事故のリスクを上げる
うつ病患者では交通事故の確率が高いのか?
抗うつ薬を服用しての運転では交通事故のリスクが高いのか?
非常に気になりませんか?
アメリカのカリフォルニア大学の研究グループは、
うつ病や抗うつ薬は交通事故のリスクを非常に高める
と報告しています。
Depression, antidepressants and driving safety.
CONCLUSION : Based on the findings of the studies reviewed, depression, antidepressants or the combination of depression and antidepressants may pose a potential hazard to driving safety. More research is needed to understand the individual contributions of depression and the medications used to treat depression.
詳しく読む ⇒ 原著論文
研究グループは、
- 1995年1月~2015年10月に科学雑誌に掲載された、
- うつ病や抗うつ薬と交通事故の因果関係を推定するに足りる研究論文(19件)を対象に、
- うつ病や抗うつ薬と交通事故発生のリスクを解析
したのです。
その結果、
- うつ病は交通事故を200%増加させる
- 抗うつ薬は交通事故を約40%増加させる
可能性があることが判明したと述べているのです。
その他、
- 全ての抗うつ薬には安全運転に影響を与える副作用がある
- うつ病や抗うつ薬は致死的な事故を起こす危険率が高い
として、
うつ病や抗うつ薬は安全運転に危険をおよぼす可能性があり今後より多くの研究が必要だと結論しているのです。
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うつ病でも自動車の運転はできる
厚労省は2014年6月1日に、
「一定の病気等に係る運転者対策」を施行しました。
この法律では、
公安委員会が一定の病気等に該当する疑いのある者に対して免許取得の可否や免許の行政処分を、病気の症状や程度によって個別に判断できる
としたのです。
この、
一定の病気等
としては、
- 統合失調症
- てんかん
- 躁うつ病
- 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
- 認知症
- 再発性失神
- 無自覚性の低血糖
が挙げられ、
うつ病についても、
免許取得の可否や免許の行政処分を、病気の症状や程度によって個別に判断できる
としたのです。
しかし、
これは躁うつ病の患者は自動車免許を取得できないというのではなく、
公安委員会は、躁うつ病の症状や程度によって免許取得の可否を判断できる
ということだったのです。
その後、
厚生労働省は、
2016年10月25日に開催された、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、
抗うつ薬の服用後には自動車の運転をしてはいけない
という条項をも改め、
医師が副作用に関する指導を行うなどの一定の条件を満たした場合には運転をしても良い
と改定しています。
詳しく読む ⇒ 抗うつ薬を飲んでも車の運転ができる
病気の症状などの質問への対応
運転免許証の更新手続の案内葉書には、
病気や身体の障害に関して心配のある方は、早めに運転免許センターに御相談ください。
と記載されています。
うつ病などの精神障害なら相談しなければならないのでしょうか、、、。
しかし、この相談は義務ではありませんから、
更新時にうつ病に罹患していることを相談しなくても処分を受けるようなことはありません。
心配であれば、
あなたの主治医に相談した方が賢い選択といえます。
安心して下さい!
うつ病でも運転免許証を取得できます。
しかし、
免許証を持っていても無制限に運転が許可されているわけではありません
厚労省では、
一定の条件を満たした場合には運転をしても良い
と定めています。
抗うつ薬の服用者が運転を制限される理由は抗うつ薬には交通事故に対する懸念があるからです。
今回ご紹介した研究論文でも、
- うつ病は交通事故を200%増加させる
- 抗うつ薬は交通事故を約40%増加させるとしているのです
が判明したと述べています。
あなたの運転技量がいくら優秀でも抗うつ薬の影響は避けられないのです。
交通事故を起こしてしまってからでは取り返しがつかないのです。
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