最近、認知行動療法がうつ病の改善に有効だという研究報告がたくさん出されています。
- 認知行動療法は軽度なうつ病でも有効
- 薬物療法に認知行動療法を併用すると相乗的にうつ病が改善
国立大学では初めて千葉大学附属病院にも認知行動療法センターが開設されました。
うつ病に悩む人にとっては認知行動療法は明るい知らせです。
では、認知行動療法はどこで受けられるのか、、
残念ながら現時点では、
- 認知行動療法を受けられる医療施設が限られている
- 認知行動療法には健康保険が適用されない
でも、認知行動療法は自分でも実践することができるのです。
あなたも自分で認知行動療法をやってみませんか?
認知行動療法とは
最近にうつ病の改善に効果があるという認知行動療法をごぞんじですか?
認知行動療法とは、
投薬治療より症状改善に時間はかかるが再発率は低いと期待されている心理療法です。
京都大学の古川教授らの研究グループは、
重症のうつ病だけでなく軽度のうつ病でも良好な改善効果が得られた
として、
認知行動療法を治療を患者自身の意向によって選択すべき必要があるのではないかと述べています。
詳しく読む ⇒ うつ病には認知行動療法が効果がある
また、慶応大学病院の中川敦夫特任講師らの研究グルーは、
薬物療法に加えて、4ヵ月の認知行動療法を受けたうつ病患者では、
認知行動療法を受けた後のうつ病の改善が薬物療法の倍の改善効果があり、
1年後におけるうつ病の改善率においても、
と報告しています。
千葉大学付属病院においても、2016年に国立大学病院では初めて、
うつ病などの精神疾患を、
投薬ではなく認知行動療法によるカウンセリングを主体に治療する外来部門
として、認知行動療法センターが開設されました。
千葉大学では、
今後は、臨床研究を進めて全国の大学病院などに普及させ、公的保険の適用範囲の拡大につなげたいとしています。
うつ病の認知療法・認知行動療法・治療者用マニュアル
本マニュアルは、厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」補助金で作成しました(編集:慶應義塾大学認知行動療法研究会)。
厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業
「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」
認知行動療法とは
日本認知療法学会では、
認知療法・認知行動療法とは、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法です。
としています。
認知行動療法についてはこのサイトでも数回に亘って紹介していますのでご存じだと思います。
私達にストレスが加わったときには4つの反応がみられます。
- 反応 : ストレスに対する身体の反応
- 認知 : ストレスの受け止めかた
- 感情 : ストレスを受けたときの感情
- 行動 : ストレスを受けたときの行動
の4つですが、
私達が自分自身でコントロールできるのは、
- 認知
- 行動
だけなのです。
そこで、
ストレスを受けたときの、
- 正しい認知の仕方
- 正しい行動の取り方
をトレーニングするのが認知行動療法なのです。
認知行動療法では、医師の指導のもとに臨床心理士あるいは看護師等との対面でのマンツーマンの面接でおこなわれ、原則として16~20回程度続けられます。
認知行動療法は受けるには
認知行動療法を受けるには、
- 精神科
- 心療内科
のような、精神疾患を診療する診療科に行かなければなりませんが、
内科と心療内科を併設するような医療施設ではおこなっていないので、精神疾患の専門的な診療科に行く必要があります。
自分の家や会社の近くにあるのかな、、と思ったらネットで検索するのが良いでしょう。
- 認知行動療法 + クリニック : 約 442,000 件
ものヒットがあり、自宅や会社の近くのクリニックを探すなら、
- 認知行動療法 + クリニック + 地名
で検索すれば良いでしょう。
ちなみに、
- 認知行動療法 + クリニック + 東京
で検索すると約 629,000 件ものヒットがありました。
一番トップで目についたのは、
東京認知行動療法センターでした。
東京認知行動療法センターは、様々なこころや人間関係の問題の解決や改善を支援する心理療法(サイコセラピー)の専門機関です。
東京大学の心理教育相談室で認知行動療法の実践をしてきた臨床心理士が問題解決のサポートをさせていただきます。
地下鉄本郷三丁目駅から徒歩3分、JR水道橋駅から徒歩8分のアクセスに便利な所にあります。
東京認知行動療法センターは、東京大学大学院・臨床心理学コースで研鑽を積んだ臨床心理士が2012年に立ち上げた臨床研究のためのセンターで、東京大学大学院教育学研究科附属心理教育相談室とも連携ししているようです。
認知行動療法の内容と料金
気になるのは、認知行動療法の内容と料金です。
東京認知行動療法センターでは、
初回は「受付面接」を行い、引き続き「個人面接」をおこなうとしています。
個人面接は、原則的に、毎週1回50分、連続16~20回程度行うそうですから、
期間は4~5ヵ月かかるようです。
気になる料金は、
- 受付面接 : 60分 10,000円
- 個人面接 : 1回50分 10,000円
ですから、
17万円~21万円
ということになります。
冒頭で紹介した、2016年に解説した千葉大学附属病院の認知行動療法センターでも、
- 原則的に、毎週1回50分の個人面接を連続16~20回程度行う
- 料金は1回50分で10,000円(消費税別)
としていますので、
16万円~20万円
と、東京認知行動療法センターとほぼ同額です。
なお、
各種公的医療保険は適用されません
ということですから、全額自己負担の自由診療となるようです。
個人のクリニックや市中の病院においてもほぼ同じ内容や料金だと思われます。
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認知行動療法は自分でもやれる
認知行動療法は世界各国でおこなわれて効果を上げていますが、日本では認知行動療法を正しくおこなう医療施設がまだ多くはなく、
上にも書きましたように、健康保険の適用がないことなどから多額の費用も必要なことからそれほど広くおこなわれているわけではありません。
認知行動療法は、薬では作れないストレスに強いこころを作るのですが、
「自分でうつ病の認知行動療法をやるには」でも紹介したように、
さまざまな入門書や、自学自習用の練習帳、DVD等も出版されており、自分でやれないわけではありません。
自身で少し勉強して、普段のメンタルヘルスの維持や、ストレスに強いこころの向上を図ってはいかがでしょうか?
自分でうつ病の認知行動療法をやるにはでも紹介したように、認知行動療法の提唱者であるアーロン・T・ベック博士の著書は、「うつ病バイブル」ともいわれて、世界で300万部以上売れています。
2004年には国内でも翻訳出版されています。
おすすめはプチ認知療法
自分でもうつ病の認知行動療法を実践できるのですが、
自分独りで認知行動療法に取り組むときには、プチ認知療法がオススメです。
プチ認知療法では、意志の力で認知を変えるという本来の認知療法を少し変え、
気楽にやっている間に自然に認知の改善が進んでいく
という、
うつ病やうつ状態にある人でも気軽に取り組める認知行動療法なのです。
本を読みながらでは辛い、、、という人には、DVDに見ながら進めるプチ認知療法もあります。
DVDを見ながら、医療機関で臨床心理士のカウンセリングを受ける感じで進めることができるのです。
うつ状態で気持ちが落ち込んでいるときには、
うつ病の悪い行動パターンである、
- 活動量が減る
- 問題を先延ばしする
- 助けを求められない
という行動特性があるため、途中で挫折してしまう場合が多いのですが、DVDに従ってやるれば継続できるでしょう。
うつ状態から抜け出すためにはとにかく行動してみることがだいじなのです。
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