認知行動療法がうつ病の改善に優れた効果があることの報告が相次いでいます。
うつ病の治療で抗うつ薬の服用に認知行動療法を併用すると改善度は飛躍的に上がるのです。
それは、うつ病はこころの病気だからです。
うつ病での悪い行動パターンを知っていますか?
- 活動量が減る
- 問題を先延ばしする
- 助けを求められない
というものです。
あなたも先送りして行動しないというパターンに陥っていませんか?
うつ病の認知行動療法とは
うつ病の改善には認知療法が非常に高い改善効果をあげています。
京都大学の古川教授らの研究グループは、
うつ病患者において、
- 薬物療法のみ
- 薬物療法+認知行動療法
の2群を比較したとき、1年後の改善率は、
- 薬物療法では40%でうつ病が改善
- 認知行動療法の併用で70%が改善
という効果が得られたと報告しています。
それも、週1回45分の認知行動療法を4ヵ月間実施しただけなのです。
詳しく見る ⇒ 認知行動療法でうつ病の70%が改善
どうして認知行動療法が効果があるのか?
認知行動療法とはうつ病の心理療法の1つなのですが、どうしてこんなにうつ病の改善に効果があるのでしょうか。
ストレスが加わったとき、私達のは4つの反応があるといわれています。
- 反応 : ストレスなどに対する身体の反応
- 認知 : ストレスなどの認知(受け止め)
- 感情 : ストレスなどに対する感情
- 行動 : ストレスなどに対してとる行動
の4つです。
しかし、私達がコントロールできるのは、
- 認知
- 行動
の2つだけなのです。
この、「認知」と「行動」に働きかける心理療法が認知行動療法です。
うつ病の大きな原因はストレスです。
社会に生きていく上でストレスを避けて通ることはできません。
ストレスが原因となってうつ病になったとき、
薬で「反応」や「感情」をコントロールできますが、
薬で「認知」や「行動」をコントロールするこよはできないのです。
したがって、
薬でうつ病を治しても、再びストレスが加わったときにはまたうつ病になってしまうのです。
認知行動療法は、
ストレスが加わったときに、
- ストレスをどのように認知したら良いか
- ストレスが加わったときにどのように行動したら良いか
をトレーニングするのです。
うつ状態の思考パターンは、
- 自分のことをマイナスに考えすぎる
- ものごとをマイナスに考えすぎる
- 今後のことを前向きに考えられない
という、マイナス思考のパターン に陥ってしまっているのです。
そうして、
うつ状態の行動パターンも、
- 活動量が減る
- 問題を先延ばしする
- 助けを求められない
というマイナス行動のパターンがみられるというのです。
認知行動療法とは、
薬では作れないストレスに強いこころを作るのです。
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うつ病の認知行動療法を自分でやるには
認知行動療法は医療機関で受けることができます。
医師だけで認知行動療法をおこなう病院やクリニックもありますが、多くは臨床心理士という医療補助者がおこなうことが多いようです。
また、認知行動療法を受けることのできる環境が十分に整っているとはいえません。
そして問題なのは、
- うつ病患者でなければ受けられない
- うつ病患者でなければ保険がきかない
ということで、
- うつ病だと思うけど精神科には行きたくない
- うつ病になる不安があるから解消したい
という人は認知行動療法を受けることはできないのです。
認知行動療法を自分で勉強する
それでは、うつ病になりそうな人、精神科に行きたくない人は認知行動療法を受けられないのか?
そうでもありません。
認知行動療法を自分で勉強すれば良いのです。
認知行動療法は、アメリカの精神医学科医である
アーロン・T・ベック博士が提唱した心理療法の総称で、
具体的には、
- マインドフルネス認知療法
- 森田療法
などが有名です。
認知行動療法の提唱者であるアーロン・T・ベック博士の著書が翻訳されています。
この本は英語版で300万部以上売れ国内では2004年に翻訳出版されていますが、「うつ病バイブル」ともいわれています。
大規模アンケート調査では、この本を読んだうつ病患者70%が4週間以内に改善し、3年後でも再発をみていないともいわれています。
認知行動療法を自分で実践する
しかし、認知療法を独りでやってみてうまくいった人はきわめて少ないともいわれます。
認知行動療法では、
- 「悪い認知」を見つけ
- 意識して「正しい認知」に変える
というトレーニング(訓練)なのですが、
うつ病やうつ状態の人では、
先に述べた、
- マイナス思考の3パターン
- マイナス行動の3パターン
の状態にあることが多く、エネルギーの低下したうつ状態の人ではなかなか継続できないということが多いようなのです。
自分で認知行動療法でうつ病をなおすには
しかし、
自分で認知行動療法ができないわけではありません。
「うつからの脱出」という本をご存じですか?
著者の下園壯太氏は、元・陸上自衛隊衛生学校心理教官で、メンタル・レスキュー協会理事長を務め、産業カウンセラー協会でのカウンセリング講師、県や市などでのメンタルヘルス講演など多くのメンタルヘルスでの実績があり、
認知行動療法に関する多くの著書もあるので名前を聞いたことがあるかもしれません。
その中でオススメなのが、「うつからの脱出」なのです。
本書が提唱しているのは、「プチ認知療法」です。
プチ認知療法では、意志の力で認知を変えるという本来の認知療法を少し変え、
気楽にやっている間に自然に認知の改善が進んでいく
という、うつ病やうつ状態にある人でも気軽に取り組める認知行動療法なのです。
認知行動療法は認知を変えるというトレーニングですから、
自分独りの実践ではどうしても三日坊主になってしまうのですが、
プチ認知療法では簡単なテーマに日替わりメニューで取り組むということで長続きできるのです。
本を読みながらでは辛い、、、
という人には、DVDにしたがって進めるプチ認知療法もあります。
毎日、DVDを見ながら、医療機関で臨床心理士のカウンセリングを受ける感じで進めることができるのです。
プチ認知療法の読者コメントは、
私はウツ病にかかり治りました。
それから数年たって最近この本に出会いました。「もっと早くこの本に出会っていれば!」
縁なんてそんなものかもしれません。
そして、
うつ病になってから、15年が過ぎました。慢性的に長引くうつ病は、数年前、軽い躁鬱病と診断されるように。もう治らないと諦めてました。
こんなにわかってくれる人はいませんでした。
専門家でも、プライベートな関係の人でも、本の著者でも。わかってもらえるということは、それだけで気持ちがラクになります。
さらに、
オススメ中のオススメです。
過去に長らく精神科に通っていて、かなりの薬漬けになっていて、なかなか治らなかったのですが、その頃に出会っていたらなと思いました。
ウツをぶり返した時に、当時のような薬漬けに戻りたくなくて手にとった本ですが、基本的な物の考え方を見つめ治すきっかけになりました。
と、非常に好評です。
下園氏は多くの著書で一貫して、
悩んでもとにかく選んで行動に移せ
と書いています。
うつ病の悪い行動パターンを思い出してください、
- 活動量が減る
- 問題を先延ばしする
- 助けを求められない
脱出したいならとにかく行動してみることなのです。
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