先日、京都大学の古川教授らの研究グループが、
- うつ病の治療に認知行動療法が効果がある
- 認知行動療法は軽度のうつ病でも効果が得られた
との研究論文を発表したことをご紹介しましたが、
昨日の 読売新聞の医療・健康・介護サイトyumi Drで、
認知行動療法で70%のうつ症状が改善した
との成績が紹介されました。
最近話題になっている、うつ病の認知行動療法をごぞんじですか?
認知行動療法で70%の患者のうつ症状が改善
認知行動療法の有効性については、
つい先日、
京都大学の古川教授らの研究グループが、
うつ病の治療に認知行動が効果がある
との研究論文を発表しました。
この論文では、
重症のうつ病だけでなく軽度のうつ病でも良好な改善効果が得られた
として、
患者自身の意向によって認知行動療法を治療を選択すべき必要があるのではないかと述べているのです。
詳しく読む ⇒ うつ病には認知行動療法が効果がある
そんな、うつ病の治療に希望を与える認知行動療法なのですが、
2017年3月27日の 読売新聞の医療・健康・介護サイトyumi Dr(ヨミドクター)では、
認知行動療法で70%のうつ症状が改善した
と報じています。
この研究報告は、慶応大学病院の中川敦夫特任講師らの研究グループがまとめたもので、
中等度のうつ病患者に認知行動療法を行うと1年後には70%の患者でほぼ無症状になったというものです。
研究では、
- 抗うつ薬を2ヵ月間飲んでも症状が改善しない20~65歳の患者80人を
2つに分け、
- 薬物療法のみを継続
- 薬物療法+認知行動療法
としたのです。
認知行動療法群では、最初の4ヵ月間、週1回45分の認知行動療法を受けました
そして、
1年間、うつ病の重症度を調べる心理検査をおこなって2群を比較したのです。
その結果、
4ヵ月後では
- 薬物療法のみを継続 : 20%で改善
- 薬物療法+認知行動療法 : 43%で改善
と、認知行動療法を受けた方がうつ病の改善率が倍も高かったのです。
そして、
1年後では、
- 薬物療法のみを継続 : 43%で改善
- 薬物療法+認知行動療法 : 73%で改善
と、
4ヵ月の認知行動療法を受けた後でもうつ病の改善率が高かったのです。
研究代表者の中川敦夫特任講師は、
認知行動療法により、考え方や行動の幅を広げる技術を学ぶと、治療終了後も日常生活でそれを生かし、うつ病の改善が続くのだろう
と述べています。
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うつ病の改善に有効な認知行動療法とは
ストレスが加わったときには4つの反応があります。
- 反応 : ストレスなどに対する身体の反応
- 認知 : ストレスなどの認知(受け止め)
- 感情 : ストレスなどに対する感情
- 行動 : ストレスなどに対してとる行動
この4つのうち、
本人がコントロールできる反応は、
- 認知
- 行動
ですが、
この、「認知」と「行動」に働きかける治療法が認知行動療法なのです。
認知行動療法には、さまざまな方法が考えられており、
「マインドフルネス認知療法」や「コーピング療法」、「森田療法」などが有名です。
日本認知療法学会では、
慶應義塾大学の認知行動療法研究会により編集された認知療法・認知行動療法マニュアルを公開しています。
詳しく見る ⇒ うつ病の認知療法・認知行動療法 (患者さんのための資料)
うつ病の認知行動療法とは
認知療法・認知行動療法マニュアルをご紹介しましょう。
通常の気分が良いときには、思考、気分、行動はいいサイクルで回っているのですが、
うつ状態では、
思考、気分、行動が悪循環を続けるうつ病スパイラルに陥っているといわれています。
そこで、
認知行動療法では、思考(認知)や行動に働きかけることによって、気分を向上させることをトレーニングするのです。
うつ状態の思考パターンは、
- 自分のことをマイナスに考えすぎる
- 周りの人やものごとをマイナスに考えすぎる
- 今後のことを前向きに考えられない
というマイナス思考の3パターン に陥ってしまっているのです。
しして、
うつ状態の行動パターンも、
- 活動量が減る
- ぐずぐず主義(問題の先延ばし)
- 周りにうまく助けを求められない
というマイナス行動の3パターンがみられるというのです。
認知行動療法とは、
何か困ったことに直面したときに、
- 本来持っていた心の力を取り戻しさらに強くすることで
- 困難を乗り越えていけるような心の力を育てる
ことで、乗り切ることができるようにする精神療法なのです。
詳しく見る ⇒ マインドフルネスでうつ病が回復
精神論か、、と思ってしまうかもしれませんが、
気持ちは考え方に大きく影響されるのです。
「あの時も失敗したから今回も同じ失敗だろう」
と考えて消極的な行動になり、「やはり失敗してしまう」のですが、
『この前の失敗した経験を活かせば成功できる』
と、ポジティブに考えることによって、積極的な行動をとれ成功に結びつくのです。
うつ病に負けない生活をしよう!
最後に、日本認知療法学会では、「うつ病に負けない生活」を挙げていますのでご紹介しましょう。
- 十分な休養をとる無理をせずに、エネルギーを蓄えましょう
- 健康的な生活をするきちんと3食を食べる
過度の飲酒を避ける(飲酒は、睡眠を浅くし、うつを悪化させる)
運動をすれば 体力が増進す気分も向上する
充分な睡眠をとる - 楽しみやくつろぎの時間を大切にする自分の趣味を楽しむ
仲間の活用(おしゃべり、相談)
リラックス(音楽鑑賞やマッサージ)
リフレッシュ(散歩や旅行)
いかがでしょうか?
そして私からは私が大切にしている言葉、「心配事の9割は起こらない」です。
私は心配事ができたときには「心配事の9割は起こらない!」と2回口に出して言っています。
あなたにも、効果があるはずです。
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