うつ病にはたくさんの名前があります。
〇〇性うつ病、△△型うつ病などたくさんの名前があるのですが、全部違ううつ病なのでしょうか?
季節性うつ病や産後うつ病といわれれば、ある季節に発症するうつ病、産後に起こるうつ病だと言うことは分かるのですが、
- うつ病自体に違いがあるのでしょうか?
- 症状や治療法も異なるのでしょうか?
ブログを読んでくださっている読者の方からこんな質問がありました。
1回で全てを説明することは困難なので、
質問のあった、
心因性うつ病といわれるうつ病について説明したいと思います。
心因性うつ病とは精神的ストレスによるうつ病
心因性うつ病や内因性うつ病とは、
うつ病を引き起こす原因により分類されたうつ病の名前です。
うつ病を引き起こす原因によって、
- 心因性うつ病
- 内因性うつ病
- 身体因性うつ病
の3つに分類されます。
さらに、これらは、
- 心因性うつ病
神経性うつ病
疲弊性うつ病
反応性うつ病 - 内因性うつ病
双極性うつ病
単極性うつ病
退行性うつ病 - 身体因性うつ病
器質性うつ病
症状性うう病
と、さらに細かく分類されます。
今回はお話ししませんが、うつ病の症状の程度や現れ方による分類では、
- 大うつ病性障害(大うつ病)
- 気分変調性障害(軽症うつ病)
- 双極性障害(躁うつ病)
などとも分類されます。
さらに、うつ病の症状が典型的な症状であるか否かによって、
- 定型うつ病
- 非定型うつ病(新型うつ病)
にも分けられるのです。
これらについては後日、おいおいご説明しましょう。
心因性うつ病は精神的ストレスによるうつ病
原因により分けられるうつ病について簡単に説明すると、
- 心因性うつ病 : 心理的なストレスによって引き起こされるうつ病
- 内因性うつ病 : 体質や遺伝的な原因によって引き起こされるうつ病
- 身体因性うつ病 : 脳や身体の病気が原因で引き起こされるうつ病
ということになります。
原因によるうつ病では心因性うつ病が最も多いといわれています。
このように、
心因性うつ病は精神的な葛藤や心理的ストレスによって引き起こされるうつ病ですが、
その心理的ストレスの違いによって、
- 神経症性うつ病 : 本人の無意識的な精神的葛藤やストレスが原因
- 疲弊性うつ病 : 長期間の持続的な心理的ストレスが原因
- 反応性うつ病 : 突然起の身内の不幸や大災害などの特定のストレス体験が原因
3つに分類されます。
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心因性うつ病を改善するには
心因性うつ病の原因は心理的なストレスですから、
心因性うつ病の治療の基本は休養です。
心因性うつ病の改善では、
- 休養する
- ストレスの原因を取り除く
- カウンセリングや服薬
が基本で、
周囲の温かい見守り
があればより早く改善することができます。
休養は精神疾患に限らず あらゆる病気の基本です。
風邪を引いたときには薬を飲むよりも暖かくして寝ることが一番ともいわれるのと同じことです。
風邪薬を飲んでも休みもせずに働き続けたら重症化して肺炎を起こしてしまうことと同じで、
心因性うつ病の改善で最も重要なことは、
- 栄養をとって しっかり休む
ことで、薬を飲むことは最後の手段なのです。
心因性うつ病で「休養をとる」ということは、
単に身体を休めるだけではなく 「こころも休ませる」ことが大事です。
心因性うつ病は、
- 忙しさ
- 疲れ
で悪化するのです。
仕事や勉強から離れ、
- 散歩をする
- 音楽を聴く
- 趣味をやる
など 「こころを休める」ことにも心掛けてください。
精神的ストレスの原因を取り除く
心因性うつ病の原因は心理的なストレスですから、
- 原因となる精神的ストレスを取り除く
ことも重要です。
しかし、
精神的ストレスの原因が、
- 職場
- 学校
にあることが多いので、
休養によって心因性うつ病が回復しても、
会社や学校に行けば再び精神的ストレスでうつ病を再発してしまう
ことも希ではありません。
職場でのストレスが原因であるならば、上司の相談して部署替えなども有効かも知れませんし、
学校でのイジメなどが原因であれば教師や教育機関に相談することもだいじです。
認知行動療法も効果的
しかし、職場や学校を変えるといっても現実的では簡単なことではありません。
環境を変えることも大事ですが自分を変えることも大事なのです。
同じ心理的ストレスを受けてもうつ病になる人とならない人がいます。
それはどうしてでしょう?
それは、
- ストレスの受け止め方が違う
- ストレスの解消法を知っている
からなのです。
認知行動療法は、
- ストレスをどう捉えるか(認知)
- ストレスが加わったときにどう行動するか(行動)
をトレーニングるするプログラムなのです。
詳しく見る ⇒ 認知行動療法
働きかけ、それの改善を要求する。
心因性うつの改善にはウオーキングが効果的
さて、
心因性うつ病の改善には休息が第一なのですが、
さらに効果的なのがウオーキングなのです。
信州大学の能勢博教授らは、
心因性うつ病にはインターバル・ウオーキングが効果的
だと発表しています。
歩くこ(ウオーキング)は脳を活性化し、頭がスッキリするのですが、
インターバルウオーキングは、
- ゆっくりしたぶらぶら歩き
- やや速めのスタスタ歩き
をそれぞれ3分を目安に交互に行うことによって、
脳を繰り返し細胞を活性化し、体をリフレッシュすることができるのです。
以前にお話ししましたように、
- 抗うつ薬
- 抗うつ薬 + ウオーキング
の2群の比較では、「抗うつ薬+ウオーキング」の方がうつ症状の改善効果が高かったという研究報告もあるのです。
心因性うつ病では抗うつ薬を服用する前に外に出てウオーキングをしてみませんか?
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