うつ病だと思うなら良い医者を探す必要があります
あなたは本当にうつ病ですか?
うつ病はマニュアルに沿って9項目の質問で機械的に診断されてしまいます。
うつ病だと診断されたあなたは本当はあなたはうつ病ではないかもしれません。
しかし、どうしても気持ちが落ち込んで辛いなら、早めに受診する必要があります。
うつ病に良い医者とは、
- あなたの話を良く聞いてくれる医者
- あなたが信頼をおける医者
です。
あなたの近くの、あなたが信頼がおけるうつ病に良い医者を探してください。
うつ病は機械的に診断される
うつ病は、がん、インフルエンザ、高血圧、糖尿病などの疾患のように、病態を画像や数字で表せる病気ではありません。
うつ病の確定診断は、本来はかなりの経験をもつ精神科医でさえも難しいのですが、最近は機械的な問診で簡単にうつ病と診断されてしまっているといわれています。
でお伝えしたように、
日本でも1980年以降にアメリカの精神医学会によって作成された、精神障害の分類(英語版)のための共通言語と標準的な基準であるDSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)が導入され、「精神障害の診断と統計の手引き」としてうつ病の診断マニュアルとして使われているのです。
この、DSMの導入によって、経験の浅い精神科医でも簡単にうつ病の診断ができるようになり、1999年以降、うつ病患者が急増したのです。
うつ病は9項目の問診で診断される
DSMは2013年5月18日に公開されたDSM-Ⅴが使われています。
DMSによるうつ病の診断は、
過去2週間を振り返り、
ほとんど毎日、
- 憂うつ感を感じる
- 何をやってもつまらなく楽しみを感じない
- 食欲がないか、あるいは非常に食欲があり、体重の変化が大きい
- 良く眠れないか、眠り過ぎる
- イライラして行動が緩慢
- 疲れやすく、気力も低下している
- 自分はダメで悪い人間だと自己嫌悪感がある
- 思考力が低下し、ものごとに集中できない
- 死にたい気持ちになる
という9項目のうち、5項目が当てはまればうつ病と診断されてしまうのです。
ほんの軽いうつ病でも重度のうつ病でも同じうつ病と診断されてしまうのです。
あなたはうつ病ではないかもしれません でも書きましたが、
ほとんどの人は何項目かは当てはまるはずです。
そして重要なことは、
軽度のうつ病もうつ病と診断され重症度は評価されないのです。
DSM-Ⅳの改訂に当たったアメリカの精神科医アレン・フランセ博士は、
アメリカではDSMによってわずか6分間の診療でうつ病と診断されることも希ではなく、人口の11%が抗うつ薬を服用している。
そして診断を下す精神科医は充分な経験を持っているわけではなく、抗うつ薬を服用している人の1/3は薬が必ずしも必要ではない。
と述べているのです。
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うつ病の良い医者を探す
2008年の厚労省の資料では、国内に9,404件の心療内科や精神科の医療施設がありますが、その後10年でさらに増えていると思われます。
精神科病院の多くは、昭和25年に制定された精神衛生法に基づいて、昭和30~40年にかけて大増設された病院で、
現在は精神科病院の新設には法的な規制があるため、現在増えているのは、入院ベットなどを持たない個人クリニックだと思われます。
うつ病を診る医療機関
精神疾患を診療する病院の診療科やクリニックは、
- 精神科・精神クリニック
- 神経科・神経クリニック
- 精神神経科
- 神経精神科
- メンタルヘルス科
- メンタルヘルスクリニック
- 心療内科
- 神経内科
- 脳神経外科
など多くの診療科やクリニックがあります。
神経内科は脳や脊髄、神経などの病気をみる内科で、脳神経外科は脳の外傷や腫瘍などを扱う診療科です。
したがって、うつ病を診る医療機関は1~7の看板のある医療機関ということになります。
病院が良いかクリニックが良いか
病院は20床以上の入院施設を持つ医療機関、クリニック(診療所)入院施設を持たないもの、あるいはベッド数が19床以下の医療機関です。
病院が良いかクリニックが良いかはあなたの症状にもよりますが、
- 通いやすい医療機関
- 良い医者のいる医療機関
で選ぶべきでしょう。
大病院には専門家も多いのですが、患者が多く、待ち時間が長い、診療時間が短いなどの欠点もあり、
初診であれば、通いやすい近くのクリニックを探した方が良いと思われます。
うつ病の診断や治療には充分な経験が必要です。
それらを考えれば、
- 内科
- 小児科
- 心療内科
などの複数の診療科を持つクリニックよりは、
- 精神科
- 心療内科
など、精神神経科に特化したクリニックが良いと思われます。
うつ病の良い医者とは
良い医者とは当然、
あなたのうつ病を治してくれる医者
ということですが、
うつ病の治療には時間がかかりますから、
あなたが信頼できる医者
でなければなりません。
その条件として、
- あなたの話を充分に聞いてくれる医者
- あなたの質問に丁寧に答えてくれる医者
- 作用や副作用など薬についてきちんと説明してくれる医者
ということが挙げられます。
うつ病は精神的な病気ですから、
風邪や腹痛と異なって、ただ単に薬を処方してくれるだけでは不充分なのです。
うつ病において良い医者とは、「対話」できるかどうかが最重要ポイントでしょう。
いくら高名な医者でも、あなたの話をろくに聞いてもらえないなら論外でしょう。
ドクターショッピングはうつ病にマイナス
うつ病の治療では医師と信頼関係をもつことが非常に重要なのですが、
「医師と合わない」として次々と病院を変えるドクターショッピングはいけません。
これはよくありません。。
うつ病の治療には医者との相性も非常に大切ですが、
少しでも早く治療を始めることも大事ですから、
ドクターショッピングで時間を費やすことはマイナスになるのです。
うつ病の治療にはある程度の時間がかかるものです。
上の3条件を満たすのであれば、しばらく経過を見守ることも必要ではないでしょうか。
良い医者を探す方法
良い医者を探す、といってもインターネットの口コミで探すのもなかなか難しいものです。
そんなあなたには、
厚生労働省が一般社団法人日本産業カウンセラー協会に委託事業として開設している「こころの耳」というサイトがあります。
「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』」は、平成28年度の厚生労働省委託事業として一般社団法人日本産業カウンセラー協会が受託して開設することになったものです。
このサイトの目的は、職場のメンタルヘルス対策(自殺予防対策を含む)及び過重労働対策について、事業者、労働者、家族等への的確な情報提供の基盤を整備することです。
「どこに相談すればよいのか」、「どのように取り組めばよいのか」、「どのような支援があるのか」などの様々な疑問に、既存の情報と新規に作成する情報を一元化して「探しやすい」、「見やすい」、「理解しやすい」情報として提供することを目的としています。そのため、情報の追加・更新することにより「育てる」サイトとなるよう努めています。
詳しく見る ⇒ こころの耳
こころの耳では、
「こころの耳電話相談」、「こころの耳メール相談」、そして「精神科や心療内科などの医療機関の紹介」をおこなっています。
うつ病の診断は専門家でも難しいのです。
あなたの話を充分に聞かず薬を処方するだけの医者ならあなたのうつを治せないかもしれません。
しかし、
あなたの苦しい気持ちにきちんと耳を傾け、適切な処方をしてくれる医者はあなたの近くにいるはずです。
あなたのうつ病の診断や治療には、
- あなたの話を良く聞いてくれる医者
- あなたが信頼をおける医者
を探すべきなのです。
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