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    Categories: うつ病と睡眠障害

抗うつ薬だけでなく睡眠不足もうつ病における肥満の原因

うつ病の治療で体重が増え、肥満に悩んでいる人があなただけでなく意外に多いのです。

抗うつ薬は肥満の原因と良くいわれます。

抗うつ薬は、抑うつ傾向を改善し、やる気を持ち上げ、活動的に行動できるようにすることを目的にしています。

抗うつ薬だけでなく向精神薬なかで、抗ヒスタミン作用を有する薬剤には、副作用に肥満があるのも事実です。

しかし、

早稲田大学の研究グループは、

睡眠不足は食欲を抑制するホルモンが減少して空腹感が増し食欲が増進する

という睡眠不足が肥満の原因となる仕組みを解明しました。

うつ病における肥満は抗うつ薬による影響だけでなく、睡眠不足も原因になっているのです。

最近、

うつ病は生活習慣病だともいわれるように、うつ病の改善には規則正しい生活や食生活も非常に大事なのです。

睡眠不足は肥満の原因である機序が分かった

早稲田大学のスポーツ科学未来研究所と花王(株)のヘルスケア食品研究所の研究グループは、

 睡眠不足が食欲を亢進し肥満をもたらす機序を解明した

と発表しました。

⇒ 花王(株)プレスリリース

 

睡眠時間を短くすると、

  1. 食欲を抑制するホルモンが減少する
  2. 空腹感が増し食欲が増進する
  3. 肥満に至る

 

Effect of shortened sleep on energy expenditure, core body temperature, and appetite: a human randomised crossover trial.

、、、Shortened sleep increased appetite by decreasing gastric hormone levels, but did not affect EE, suggesting that greater caloric intake during a shortened sleep cycle increases the risk of weight gain.

くわしく読む ⇒ 原著論文

 

この研究は、

これまでの疫学研究で、慢性的な睡眠不足が肥満をもたらすことがわかっていたが、
その詳細な機序は明らかにされていなかったとして、
睡眠時間を制限した場合のエネルギー代謝や食欲の変化をしらべたのです。

 

研究では、

健康な男性(平均年齢23歳の)9人を対象に、

決められた食事を摂取させ、

  1.  睡眠7時間を3日間続けさせて代謝への影響を検査2週間の休止期間のあとに、
  2.  睡眠3.5時間を3日間続けさせて代謝への影響を検査。

 

その結果、

睡眠時間を7時間から3,5時間に短縮すると

  1. 夜間のエネルギー消費量が増加
  2. 1日のエネルギー消費量には変化がない

ことがわかったのです。

さらに、

睡眠時間を制限すると、

  1. 食欲抑制作用を有するホルモンの分泌量が有意に低下
  2. 質問票により空腹感の増加が確認
  3. 深部体温が有意に低下して体温の日内リズムに影響

していることが明らかになったというのです。

 

今回の研究成果により、

睡眠不足が肥満を引き起こす仕組みが明らかになったのです。


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抗うつ薬の服用も肥満の原因

うつ病薬の服用で、

  • 体重が増えた
  • 肥満になった

という人も非常に多いことも事実です。

 

抗うつ薬を服用する目的は、

  1. 抑うつ状態を改善する
  2. 身体活動性を上げる

ということですから、抑うつ状態が改善すれば身体活動も活発になれば食欲も増進し、体重が増加することも自然なことですが、

抗うつ薬の服用が肥満の直接的な原因になることもあるのです。

抗うつ薬の副作用としての肥満

抗うつ薬や向精神薬にの副作用として、肥満があるのも事実です。

おいても、抗ヒスタミン作用を持つ薬剤は、副作用として、「肥満」というものが付いて回ります。

 

抗ヒスタミン薬は肥満の原因

抗うつ薬や向精神薬だけではなく、抗ヒスタミン作用のある薬剤は体重増加(肥満)という副作用を伴っています。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの作用をブロックするため、食行動抑制行動を抑制してしまうのです。

食行動抑制行動を抑制、

すなわち、食行動を促進させてしまうのです。

さらに、

抗ヒスタミン薬は、眠気を催すという副作用もあることから、

  • 食事量が増える
  • 睡眠時間が増える

ということで、摂取したカロリーの消費が進まないことから、さらに肥満に拍車がかかるのです。

 

抗ヒスタミン薬による肥満のもう一つの原因はグレリンです

グレリンは、胃から分泌されるペプチドホルモで、

 

  1. 成長ホルモン分泌促進作用
  2. 摂食に関与する複数のニューロン調節に関係
  3. 食欲増進、体脂肪利用抑制

 

などの作用が有り、体重を増加させる可能性があるのです。

 

抗ヒスタミン作用の抗うつ薬としては、

  • リフレックス
  • パキシル

などがあります。

セロトニン受容体遮断薬も肥満の原因

またさらに、

セロトニン受容体遮断作用の抗うつ薬も肥満を引き起こします。

セロトニン受容体遮断薬は、

満腹中枢を刺激しなくなるために食欲が亢進し、

さらに、

グレリンの分泌を促進する

ことから、肥満を引き起こしやすいのです。

 

 

三環系の抗うつ薬は、

  • トリプタノール
  • トフラニール
  • アナフラニール

などです。

 

うつ病における肥満は抗うつ薬によるものではなく、生活習慣によっても、その影響度合いが左右されるのです。

抗うつ薬の服用だけが、肥満の唯一の原因ではないので、

  1. 生活習慣を見直し充分な睡眠をとる
  2. 食生活と運動の習慣を見直

ということで、少しでも肥満を防ぐよう、自らも気をつけて日々生活を送るようにしてください。


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