ご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
冬うつ病に悩む人は非常に多いのです。
冬になると、
- 体がだるい
- やる気が出ない
という人が多いのはあなただけではありません。
そして、
- 冬になると太る
と感じているなら冬うつ病かもしれません。
英国では100人に3人が冬うつ病になっているといわれます。
しかし、
冬季うつ病という病名はないのです。
冬うつ病は、季節性気分障害と言われる精神疾患の1つで、
冬うつ病は日照の不足が大きな原因です。
季節性感情障害である冬うつ病は毎年くり返され、
日照時間の不足が一番の原因なのです。
冬うつ病は日照時間の不足が原因
冬うつ病という病名はなく、季節性感情障害の一つです。
季節性感情障害は、Seasonal Affective Disorder (SAD)といわれます。
季節の移り変わりが私達の気分に影響をあたえることは古来から知られていましたが、
精神疾患として季節性感情障害という疾患名が使われるようになったのは比較的新しく、1984年にアメリカの精神医学者であるノーマン・ローゼンタールによって名付けられています。
季節性感情障害という名のとおりに、秋から冬にかけてだけでなく、
夏にうつ状態に陥る夏うつ病というのもあるのです。
季節性感情障害の特徴は、毎年くり返されるということです。
季節性感情障害の冬うつ病の原因は日照不足
冬うつ病の原因は完全には明らかになっていませんが、
- 冬季に発症し
- 高緯度地域で発症率が高い
とのことから、日照時間が短くなることに原因があると考えられています。
赤道近くに住む人が冬うつ病になることはなく(赤道付近では冬はないから当然なことですが、、、)、
赤道から離れた緯度の高い地域ほど浮遊つの患者が多いといわれています。
アメリカでの冬うつ病の発症率は、
- フロリダ州 : 1.4%
- アラスカ州 : 9.9%
と、緯度の高い地域で多く、
イギリスでは30%ともいわれています。
冬うつ病の発症のメカニズムはまだ良く分かっていないのですが、
日照時間が短くなることでメラトニンの分泌が減少し体内時計が狂ってしまう
からではないかといわれています。
光の刺激が減ることで神経伝達物質のセロトニンが減り、脳の活動が低下してしまう可能性があるのです。
くわしく見る ⇒ 冬にうつ病が多いのは日照時間が短いから
私達の体には体内時計というものがあり、体のリズムを作っています。
体内時計の周期は25時間です。
しかし、
地球の周期は24時間周期で、体内時計の25時間とはズレているのですが、太陽の光に当たることによってこのズレが解消されるのです。
そして、太陽に当たる時間が不足すると脳内におけるセロトニンの分泌が減り、うつ病になりやすくなると考えられています。
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冬季うつ病には光療法が有効
冬うつ病には従来の抗うつ薬は無効だとの報告もあります。
冬うつ病は、一般的なうつ病とは少し異なる症状もあり、
一般的なうつ病では、
- 眠れない
- 食欲がない
というのが普通ですが、
冬うつ病では、
- 寝過ぎてしまう
- 食べ過ぎてしまう
ということも多く、冬太りは冬うつ病の特徴でもあるのです。
冬うつ病には光療法
冬うつ病には、ライトボックス(人工光)により日照不足を補う方法が有効だとされています。
照射される光は太陽光に似ていますが、紫外線は出ないので肌や目に害がありません。
冬うつ病における光療法の有効性は既に多くの文献でも明らかになっています。
睡眠医療 Vol.2 No.1 2007 「8.うつ病の時間生物学的治療」
越前屋 勝 秋田大学医学部神経運動器学講座 精神科学分野
などがあり、
越前屋氏は、
- うつ病に対する新しい身体療法;光療法
- うつ病に対する断眠療法
- うつ病の時間生物学的治療
など、うつ病治療における、生体リズムを整える治療法を提唱しています。
冬うつ病の光療法に良いライトボックス
光療法は、太陽の代替として2,500ルクス以上の人工光を目から取り入れることにより、体内時計をリセットし生体リズムを整える治療法です。
太陽光とは異なって、紫外線を含みませんので、日焼けや目のダメージなどはありません。
欧州の緯度の高い地域では冬うつ病が深刻な問題ですが、
オランダのMaarten Voorhuis(マーテン・フォールハウス)氏は、
Vitaallicht(ヴィタールリヒト)という画期的な人工太陽光ランプを開発しました。
このランプは、自然な太陽光と同じように、強弱のある波長を持った光を発することから、本来の太陽光を浴びていると同じ効果が得られるのです。
さらに、
- 朝から日中にかけては、比較的強い光を発する
- 夕方から夜にかけてトーンを落とした光を発する
ようにプログラミングされており、
- 朝には気分を高揚させる効果
- 夜には休息をもたらす効果
が期待できるというのです。
したがって、
Vitaallicht(ヴィタールリヒト)という画期的な人工太陽光ランプ
を用いれば、部屋の中にいても自然な太陽光にさらされる効果が得られるというのです。
素晴らしいランプですが、価格は3,628ユーロ(約40万円)もしますから、誰でもが購入出来るわけではありません、、、。
手軽に自宅で光療法を行えるランプとしては、
「ブライトライトME+」などがお薦めかもしれません。
光療法で使用する光は自然で安全である必要がありますが、
そのためには、
- 低輝度
- 自然光
- 色温度
の3つのバランスが重要です。
ブライトライトME+はAmazonや楽天で4万円弱で購入出来ますからお手軽でしょう。
しかし、太陽光はタダです。
たしかに、冬うつ病では光療法が太陽光の補完的な効果があり有効だといわれていますが、
太陽光はタダなのです。
- 晴れた日には外にでて太陽を浴びる
- 朝は早く起きて夜になったら寝る
これだけであなたの冬うつ病は解消できるのです。
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