季節性感情障害の冬季うつ病を防ぐには
冬季うつ病に悩む人は非常に多いのです。
秋から冬にかけて、
- やる気がない
- 気分がすぐれない
と感じたら冬季うつ病かもしれません。
冬季うつ病という病名はなく、季節性感情障害の一つです。
季節性感情障害である冬季うつ病は、日照不足が大きな原因です。
季節性感情障害の冬季うつ病は毎年くり返されます。
秋口に、そして冬になってからも、
- 体調がすぐれない
- 冬太り
と感じたら、天気の良い日は外に出てみませんか?
冬季うつ病は太陽を浴びることによって解消できるのです。
冬季うつ病という病気はない
「冬季うつ病」という言葉で検索すると、25万件もヒットします。
しかし、冬季うつ病という疾患名はないのです。
うつ病の分類や診断基準は、
- 米国精神医学会(APA)のDSM-5
- 世界保健機関(WHO)のICD10
で定義されていますが、
この国際的な精神医学の二大診断基準においても、冬季うつ病は存在しません。
しいていえば、
DSM-5では、季節的パターンを持った季節型気分変調の記載がありますが、冬とは特定していないのです。
この、「季節的パターンを持った気分変調」は、
1984年にアメリカの精神医学者であるノーマン・ローゼンタールによって、Seasonal Affective Disorder (SAD)と命名され、
日本語では、
- 季節性気分障害
- 季節性感情障害
- 季節性情動障害
などと呼ばれていますが、今回は季節性感情障害とさせていただきます。
季節性感情障害 (SAD)とは
季節性感情障害とは、秋から冬にかけて気分の落ち込むうつ状態が見られる障害のことですが、必ずしも秋から冬と限らず、夏にうつ状態になることもあります。
季節性感情障害は、うつ病の一つで、
- 秋や冬に抑うつ状態に陥る
- 春や夏になると治まる
と、毎年このサイクルを繰り返すことから、「反復性冬季うつ病」と呼ばれることもあります。
季節性感情障害は、うつ病の一つですから、症状は通常のうつ病とほぼ同じです。
- 気分が落ち込む(特に午前中に激しい)
- 気力がわかない
- 元気が出ない
- 生きる張り合いがない
- 何をやっても楽しくない
- 怒りやすくイライラする
- 人と会うのがおっくう
- 性欲がない
などの症状ですが、
季節性感情障害では、一般のうつ病と異なり、
- 睡眠時間が長くなる
- 食欲が増す
という、特徴があります。
また、
- 朝起きるのが辛い
- 日中にも眠気を感じる
- 甘いお菓子や炭水化物を食べたくなる
- 外出や運動をしたくない
ということから、冬に太りやすくなります。
冬期うつ病ともいわれる秋から冬にかけてみられる季節性感情障害は春になると回復しますが、
冬季の季節性感情障害の人の1/3では、
春から夏の間は気分がやや高揚した、軽い躁状態になるといわれています。
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季節性感情障害の冬季うつ病を防ぐには
以上の様に、冬季うつ病という病名はないのですが、季節性感情障害の多くは秋から冬に見られるため冬季うつ病といわれることが多いのですが、このサイトでも、秋から冬にみられる季節性感情障害を冬季うつ病と呼んで話を進めていきましょう。
一般的なうつ病と同じように、季節性感情障害で秋から冬に見られる冬季うつ病は、
妊娠可能な年齢の女性に最も多い
といわれています。
うつ病は、女性のほうが男性より約3倍罹りやすいのですが、
季節性感情障害の冬季うつではほとんどが閉経前の女性で、
若齢者や年配者がなることはきわめて稀だといわれています。
秋口になると、多くの人は倦怠感や軽い疲労感を感じる人が多く、
夏バテの影響かな、、
とやり過ごしてしまいます。
このような現象は、。動物の冬眠前の行動にも似ているといわれ、異常なことではないのですが、
- 睡眠時間の増加
- 体重の増加
などの体調の変化がみられ、先に書きました、
- 気力がわかない
- 元気が出ない
などの症状をも伴い、日常生活に支障をきたすようならば、それは冬季うつ病だといって良いでしょう。
冬季うつ病の原因
赤道近くに住む人が冬季うつ病にかかることは少なく、赤道から離れるほど冬季うつ病のリスクが高まります。
当然のことですよね、、、
赤道の近くの地域には冬はありませんから、、。
そして、
イギリスでは100人に3人が冬季うつ病に悩まされているといわれていますし、
くわしく見る ⇒ 冬にうつ病が多いのは日照時間が短いから
冬季うつ病を防ぐには太陽を浴びる
北欧のスウェーデンでも冬季うつ病が多いのですが、
スウェーデンの研究では冬期うつ病患者を南の島に連れていって日光浴をさせたら数日で回復したとの報告もあるのです。
冬季うつ病の大きな原因の一つは、
- 冬季の日照時間の不足
であることが多くの科学的検証によって明らかになっています。
- 冬季は日照時間が少ない
- 冬季は寒いから外に出る時間が少ない
- 冬季は太陽に当たる時間が少ない
ということが冬季うつ病の大きな原因なのです。
太陽に当たる時間が少ないとセロトニンが減少する
冬季うつ病の大きな原因の一つは、
- 冬季の日照時間の不足
であることが多くの科学的検証から明らかなのですが、
- 太陽に当たる時間が少ないと脳内のセロトニン分泌量が低下する
そのためにうつ病になりやすくなると考えられているのです。
脳内のセロトニンは、セロトニントランスポーターという蛋白質によって回収されるのですが、
デンマークのコペンハーゲン大学の研究グループは、
- 健常人
- 冬季うつ病患者
の脳内のセロトニントランスポーターを測定したところ、
冬季うつ病患者では脳内のセロトニントランスポーターが5%高く、
セロトニンが通常より多く回収されるために、脳内のセロトニン量が減少してしまうことが判明したのです。
冬季うつ病には光療法(Light therapy)が有効
冬季うつ病の大きな原因は太陽を浴びる時間が少ないことですから、
外に出て太陽を浴びる
ことが一番です。
しかし、冬は寒いことや、既に冬季うつ病に陥ってしまったら、なかなか外に出る勇気が出ないものです。
そのようなときには、
光療法(Light therapy)
も有効です。
光療法は、簡単にいえば、一定時間、非常に明るい光源の下で過ごし、不足する太陽光を浴びる時間を補うものです。
光療法は心療内科などの精神疾患を扱う診療科に行けば受けられますが、
ブライトライト
などの、光療法用の高照度機器も販売されていますが、数万円するようです。
太陽光はタダです。
冬季うつ病ともいわれる季節性感情障害は毎年くり返されます。
冬季うつ病を防ぐなら、
秋から冬にかけて積極的に外で太陽を浴びてみませんか?
できれば軽い運動をすることも有効なのですが、太陽を浴びながらの読書などでも良いのです。
秋だけでなく、
冬になって気分がすぐれない、やる気が起きないと感じたら、
天気の良い日は外に出てみてください。
それだけで冬季うつ病は予防できるのです。
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