抗うつ薬を飲んでも車の運転ができる
抗うつ薬を服用したら車の運転をすることは許されていませんでした。
トレドミン錠、サインバルタ、イフェクサーなどの抗うつ薬の添付文書には、
眠気、めまい等が起こることがあるので自動車の運転等に従事しない
などの注意書きがあったのですが、見直されることになったのです。、
しかし、抗うつ薬の副作用がなくなったわけではないのです。
そして、多剤服用では車の運転は許されないようです。
抗うつ薬を服用して車の運転をするときには主治医に相談してください。
それは誰のためでもなく、あなたのためなのです。
抗うつ薬を服用しても車の運転をしてもできるようになった
厚生労働省は、
2016年10月25日に開催された、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会において、
うつ病の服用後には自動車の運転をしてはいけない
との定めを、
医師が副作用に関する指導を行うなどの一定の条件を満たした場合には運転をしても良い
と改めました。
第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の開催
平成28年10月25日(火)15:00~17:00
- 要指導医薬品のリスク評価について
・ トラニラスト
・ ペミロラストカリウム
・ エバスチン - 使用上の注意の改訂について
・ ミルナシプラン塩酸塩
・ デュロキセチン塩酸塩及びベンラファキシン塩酸塩 - その他
自動車運転の適否を判断する際の考え方(案)・ 患者が自動車運転を希望する際、医師が患者に対して確認すべき点は何か?・ 患者が自動車運転をする際に注意すべき点は何か?
議事録はまだ掲載されていません。
いずれ掲載されますので、掲載されましたら再度くわしくご紹介します。
この会議で決まった概要は、
- 抗うつ薬を服用後も運転ができるようにした
- 抗うつ薬の製造販売業者に添付文書の改訂を指示
ということで、
日本うつ病学会などの関連学会から、
抗うつ薬服用者の運転を禁止することは、2014年に、
患者の生活を奪う
として改善要望が出ていたことを受け、
多剤併用を避けるなどの注意事項を守れば運転しても良い
としたのです。
服用後も運転が許されることになった抗うつ薬は、
- ミルナシプラン塩酸塩 (商品名 トレドミン錠など)
- デュロキセチン塩酸塩 (商品名 サインバルタ)
- ベンラファキシン塩酸塩 (商品名 イフェクサーSR)
これらの薬剤の添付文書には、
ミルナシプラン塩酸塩
【使用上の注意】
(5) 眠気、めまい等が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
また、患者に、これらの症状を自覚した場合は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、指導すること。
として、
車の運転をしないよう記載しているのですが、
医師が患者に対して副作用に関する適切な指導を行うといった一定の条件を満たせば運転が可能
と変更したのです。
2014年1月に、日本うつ病学会と日本神経精神薬理学会は、
抗うつ薬の服用者が運転を禁止されることによって、患者の生活が奪われる、として、厚生労働省にこれらの薬剤の添付文書の改訂を求める要望書を出していたのです。
厚生労働省の厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会の安全対策調査会は、
医師が患者に対して適切な指導を行えば運転が可能
と変更したというわけなのです。
議事録が公開されていませんので、私は確認していないのですが、新聞情報などによると、
医師が注意すべき点としては、
- うつ病などの精神疾患の状態が安定しているかよく観察する
- 運転に影響を与える可能性のある患者の自覚症状の有無を確認する
- 多剤併用を避けて必要最小限の処方をおこなう
という項目を挙げているようです。
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抗うつ薬の服用者は運転できなかった
2014年5月、厚生労働省は、
- 抗不安薬
- 睡眠薬
- 抗うつ剤
- 抗精神病薬
を服用した時の運転は避けるように指示をだしました。
これにより、
2014年6月1日から、
一定の病気を原因とする事故を防ぐために、道路交通法では、
安全な運転に支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている人等の的確な把握と負担軽減を図るため、
運転免許を受けようとする人(更新も含む)等に対する質問に関する規定が整備されました、って
改定された道路交通法では、
- 運転免許の交付や更新時には一定の病気であることを申告しなくてはならない
- 公安委員会は一定の病気等に該当するか判断するために申請者に質問票を交付することができる
としたのです。
ここにおける一定の病気等とは、
- 統合失調症
- てんかん
- 再発性の失神
- 無自覚性の低血糖症
- 躁鬱病(躁病、うつ病含む)
- 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
- 認知症
などとし、うつ病も含まれたのです。
これに対して、日本精神神経学会は、2014年6月に、
精神病の患者においても、
自動車を運転することは生活を維持する上で重要なことである
としながらも、
身体疾患を持つ患者と同様に、
精神科疾患では症状の増悪により運転能力に支障をきたすことがある
として、
「患者の自動車運転に関する精神科医のためのガイドライン」
を制定しています。
くわしく見る ⇒ 精神疾患患者の運転についてのガイドライン
このガイドラインでは、次のように薦めています。
- 精神科医は患者の状態に応じて、運転能力を回復するために必要な治療を受けるように勧める
- 精神科医は患者の運転について、① 運転時間を短くする② 運転回数を減らす③ 混雑する時間帯での運転を避ける
④ 夜間は運転しない
⑤ 悪天候のときは運転しない
⑥ 高速道路では運転しない
⑦ 良く知っている自宅近辺だけ運転する
⑧ 家族が同乗するときだけ運転する、
などの制限によって危険性が低下すると考えられるときには患者や家族に指示する。
ということをガイドラインで指示しているのです。
今回、厚生労働省は、
抗うつ薬の服用者でも車の運転をしても良い
としたのですが、
無制限に運転を許可したわけではありません
抗うつ薬の服用者が運転を制限する背景には薬の副作用があるからです。
あなたの運転の技量が優秀でも抗うつ薬の影響は避けられないのです。
これからも、車の運転をするときには充分に慎重におこなってください。
それは、あなたのためなのです。
事故が起きてからは取り返しがつかないのです。
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