産後うつの予防には男の産休が効果がある
ご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
はじめに
6月5日、自民党の国会議員の有志が、
男性の育休取得を企業に義務付ける
ことを目指す議員連盟を立ち上げました。
男性の産休取得を義務づけることによって、
男性が家事や育児に参加することを促し少子化対策や女性の職場復帰などに繋げることが狙いです。
妊産婦の10%が産後うつに陥ることが知られていますが、
産後うつの予防には男の産休が非常に効果があるのです。
産後うつが急増
妊産婦の約10%が産後うつに陥ることが明らかになっています。
さらに、
国立成育医療研究センターなどの調査では、
2015と2016年の2年間に、
- 妊娠中や産後1年未満に自殺した女性は102人
- 自殺の原因は産後うつ病
という結果を報告しています。
同じような調査で、
東京23区で過去10年間に自殺で亡くなった妊産婦が63名
との調査結果も報告されており、
産後うつ病での自殺する産婦が増えていることが大きな問題になっているのです。
特に、産後うつは出産後2週間が要注意なのです。
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産後うつを予防するには男の産休が非常に効果がある
最初にお話ししたように、
6月5日、自民党の国会議員の有志らは、
男性の育休取得を企業に義務付けることを目指す議員連盟を立ち上げましたが、
厚生労働省の調査によれば男性の育児休暇取得率は年々増加してはいるものの、
男性の育児休暇取得率は3%にさえ達していないのです。
男性の育児休暇取得率が低いと産後うつ病が多い
台湾での研究結果なのですが、
2017年にJournal of Affective Disorders誌に載った研究論文によると、
出産前に仕事に就いていなかった女性では、
出産後に夫の育児参加が低いと産後うつのリスクが4倍になる
と報告されています。
日本でも、減ってきたとはいえ、
- 家事や育児は女の仕事だから
- 男は仕事で疲れているから
と家事や育児に参加しない男性が多く、
育児や家事が妻に偏ってしまうことが少なくないのです。
妊娠・分娩で疲れた体に、
育児と家事が重なり、
- 不慣れな育児の精神的負担
- 睡眠不足
が重なり産後うつになってしまう妊産婦が多いのです。
核家族化により、周りに相談や頼る人がいない妊産婦は悩みを抱え込んで孤立してしまい、
産後うつおリスクが高まってしまうのです。
出産後の夫の育児参加の頻度が低いと産後うつのリスクが約4倍になってしまうのです、、、
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まとめ
産後うつは急激に増えており、
妊産婦の10%が産後うつになるといわれています。
以前は両親や祖父母と一緒に暮らす大家族が普通でしたが、
最近では夫婦だけで暮らす核家族化が進んでいます。
妊娠出産そして分娩に続く育児は女性には肉体的に大変であるだけでなく精神的にも不安定で、
かつては妊娠出産の経験が有る両親や祖父母がすぐ側にいたのですが、
核家族では相談する相手もいないことから、
産後うつ病は共稼ぎほど産後うつが要注意なのです。
さらに、産後うつは出産後2週間に要注意であることから、
男性の育休は産後うつの予防に非常に効果的なのです。