このブログの読者であるAさんから問い合わせがありました。
Aさんは朝食後にだるくなり、しばしば横になることが多いのだそうです。
その後は、、、
後悔の念や予期不安に駆られることが多いのだそうです。
私もAさんと同じ年代で朝食後に朝寝をしたくなるのは良くあることです。
そして、私も予期不安に駆られることが多いのですが、
今日は今日のことだけを考える、ように徹しています。
読者Aさんからの問い合わせ
先日、読者の方からメールをいただきました。
65歳の男性の方で、仮にAさんとさせていただきます。
Aさんからの相談の内容は(掲載に際してはAさんの許可をいただきました)、
若い時から色々な神経症になりました。63歳の時にがんを患い、定年、別居など様々なことがありました。
その後、朝が辛く気力、意欲が無くなり、最近は良くなっているように思いますが、予期不安を感じ、嫌だなと認知すると胃がむかむかします。
特に、朝に気力がなくなり、朝食後には横になりたい欲求に駆られ布団に入ってしまいます。
2時間位、横になれば気分が落ち着くのですが、その後は負のスパイラルが始まってしまい、何でもないことでも嫌なことに感じてしまいます。昼間いくら横になっても夜は寝れますが、朝食後にどうして直ぐに横になりたいのはどうしてだか判りませんが、医者からは軽いうつ病でしょうと言われています。
最近は前向きに考え、後悔しない、過ぎたことを考えない、自分を責めないように務めており、過去の良い思い出も思い出せるようになっています。
というものでした。
内容で、朝食後に横になりたい気持ちに駆られるのはどうしてか、アドバイスを貰えないかという内容でした。
私は、医学的な知識もあり、博士号もを持っていますが、臨床医ではありませんので診断的な話をすることはできませんが、参考になればと関連の情報を集めてみました。
朝が辛いのはうつ病だけではない
Aさんは、医師から軽いうつ病だと言われているそうです。
うつ病を発症している人や、うつ病の予備軍とも言われる、軽度のうつ症状がある人は、
午前中に眠いと感じやすい
といわれています。
うつ病では、
- 朝起きると体がだるい
- 朝に気力が湧かない
と感じ、しかし夕方になるとだるさもなくなり、気力も湧いてくるという人が多いのです。
うつ病では、このような「気分の日内変動」があるのもうつ病の特徴だといわれています。
これがひどくなれば、
- 体が布団に貼り付いて起き上がれない、、
- 朝10時をすぎないと起き上がれない、、
- お昼の12時をすぎてやっと外に出ることができる、、、
ということもあるそうです。
私もAさんとほぼ同じ年齢です。
朝起きて、また寝たい、、と思うことも良くあることです。
この年齢になって良く思うことは、
寝るにも体力が要る
ということです。
高校生や大学生の頃は、日が昇って、窓から太陽が降り注いでも、汗をかきながらでも眠れたものです。
しかし、最近では外で犬が鳴いたり、自転車のブレーキ音が鳴ったりしただけでも目が覚めてしまうのです。
友人の心療内科医に、朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒症ではないかと相談をしたところ、一笑に付されてしまいました。
お前の年齢なら連続で5時間も寝られたら充分に寝れている方だ
というのです。
長年働いて年金を貰える生活に到達したのです。
ずる休みをしようとしているわけではないのです。
朝食後に再び布団に入りたくなったら、それも良いのではないでしょか。今まで一生懸命に働いてきたのですから、チョット朝寝をするくらいのことは誰もが許してくれることです。
朝食後に1~2時間、布団に潜り込んだとしても、罪悪感など感じる必要は全くないのです。
糖尿病では食後眠くなる
ただ、気を付けなければならないのは、食後に眠くなるのは糖尿病の初期症状でもあるのです。
食後の眠さには、オレキシンという脳内ホルモンが関与しているのです。
オレキシンはオレキシン作動ニューロンと言われる神経細胞から分泌され、
- オレキシンが分泌される → 眠くない
- オレキシンが分泌されない → 眠くなる
と、オレキシンの濃度は眠さと関連しているのです。
そして、
オレキシンの分泌には血糖値が関与しており、
- 血糖値が高くなるとオレキシンの分泌が低下する
- オレキシンの濃度が低下すると眠くなる
という関係にあり、
糖尿病により、食後高血糖になると「食後眠い」という症状が出るのです。
糖尿病ではうつ病を併発しやすく、うつ病でも糖尿病を併発しやすいのです。
食後に眠い、が続くようなら、糖尿病の検査をして貰った方が良いかも知れません。
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予期不安を考え方で一掃する
予期不安とは、過度のストレスで過去の悪いことばかり思い出し、フラッシュバックすることです。
フラッシュバック (flashback) とは、強いトラウマ体験を受けた時、後になってその記憶が突然に鮮明に思い出されたり、夢に見たりする現象のことです。
例えば、
一度、通勤電車の中で気分が悪くなって会社の大事な会議に遅刻してしまったりしたときに、
- また電車で気分が悪くなるのではないか、、、
- また気分が悪くなって会議に遅れたらどうしよう、、、
と、前に電車で気分が悪くなって会議に遅れた失敗を思い出して、本当に気分が悪くなってしまうことです。
このトラウマは人によって様々で、フラッシュバックが発生するときも様々です。
就寝時に思い出したり、就寝中に夢を見たり、、、と、睡眠障害に陥ってしまうことも少なくないそうです。
何かで気を紛らわせる
予期不安を防ぐには、何か気をまぎらわす方法を持てば良いと言われます。
ある嘔吐恐怖がある方は、
- また気持ち悪くなって人前で吐いてしまうんじゃないか、、、
- 電車の中で気持ちが悪くなったら、、、
と、ビニール袋を持ち歩いたそういですが、医者に勧められて、
ハッカ味の飴を持ち歩いたそうです
そして、
気分が悪くなってもこの臭いを嗅げば大丈夫
と自分に言い聞かせたのだそうです。
これは一種の自己暗示ですが、それ以来、気分が悪くなったら、、、という恐怖感がなくなったそうなのです。
深呼吸には気を付けて
よく、
深呼吸をして気を落ちつけなさい!
といわれるのですが、深呼吸は交感神経を興奮させるので、逆効果の場合も多いのです。
- 大きく息を吸う → 交感神経が興奮
- 大きく息を吐く → 副交感神経が興奮
深呼吸で、大きく息を吸い込むことによって交感神経が興奮します。
交感神経が興奮することにより、心拍数増加、血管収縮、、など興奮状態になりますから、深呼吸には要注意です。
パニックになりそうなときには、
- 小さく小刻みに息を吸って、
- 下腹に力を入れて最後までゆっくり息を吐き出す
というように、吐くことを意識して深呼吸することが大事です。
そして、
不安を紛らわせるというよりは、自分に暗示をかけてみてください。
- 私は大丈夫
- 私は落ち着いている
と。
大事なことは今を考えること
心配事の9割は起こらないという記事を読んでいただけましたでしょうか?
詳しく見る ⇒ 心配事の9割は起こらない
うつ病に陥りやすいのは真面目で几帳面な性格の人だと良く言われます。
普通なら、
- そんなこと関係ないよ
- そんなことどうでも良いよ
というようなことを、真面目に心配し、不安になってしまうことも多いからです。
心配事の9割は起こらない
『心配事の9割は起こらない』という本を書いたのは、枡野俊明氏です。
枡野俊明氏は、曹洞宗徳雄山建功寺の住職の禅僧で、多摩美術大学の教授であり、庭園デザイナーなど多彩な分野で活躍されている方ですが、
多くの著書もあり、「禅、シンプル生活のすすめ」、「禅、心の大そうじ」などはベストセラーになりました。
「心配事の9割は起こらない」の中では、
心配事を先取りせず「いま」「ここだけ」に集中する
ことを薦めています。
例えば、
今心配でたまらないことを10個上げてください
といわれたら、貴方は直ぐに10個を上げられるかも知れません。
しかし、
3日前に心配でたまらなかったことを10個上げてください
といわれても、3日前にあれほど心配していたことはもうきっと貴方の記憶にないかも知れないのです、、。
心配事を先取りせず「いま」「ここだけ」に集中する
これを実践してみませんか?
心配は心配事が起こったときにすれば良いのです。
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