帝人ファーマがTMSうつ病治療機器の独占的販売権を取得
TMS治療法をご存じですか?
Transcranial Magnetic Stimulationの頭文字で、日本語では頭蓋骨・磁気・刺激・療法で、電気刺激を使った新しいうつ病の治療法です。
TMSは日本ではまだあまりなじみがない治療法ですが、アメリカでは2008年にFDA(食品医薬品局)の承認を得て以来、10年の治療実績があり、
150万回の治療がおこなわれていると言われています。
日本においても2017年9月に厚生労働省に成人のうつ病治療法として認可されました。
TMSでは電気刺激を与える電気刺激治療装置が必要なのですが、
帝人ファーマは、アメリカのTMS治療器の最大手メーカー・ニューロネティックス社からTMS治療機器の独占的販売権を取得しました
TMS療法は国内の一部医療機関でも開始されていますが、
帝人ファーマは2018年度中に国内での販売を開始する予定で、国内でもTMS療法は一気に広がるものと思われます。
帝人がTMS治療機器の独占的販売権を取得
帝人ファーマは、10月16日、
アメリカのペンシルベニア州にある医療機器メーカー・ニューロネティクス社から、同社製のうつ病治療装置 NeuroStar の国内における独占販売権を取得した。
と発表しました。
詳しく見る ⇒ 帝人プレスリリース
メーカー・ニューロネティクス社は、同社が開発した反復式頭蓋電磁刺激装置・NeuroStar について、2008年にアメリカで初めてのうつ病治療器として日本の厚労省に相当するFDAから承認を受けています。
国内においても2017年9月に、
成人におけるうつ病患の治療機器として、
抗うつ薬により充分な効果が得られないときの治療法として承認されています。
WHO(世界保健機関)によれば2015年における国内のうつ病患者は500万人と推定されているが、
帝人ファーマでは、
うつ病治療患者の30%では抗うつ薬の効果がなく、
抗うつ薬で改善がみられない患者では作用機序の異なる薬剤の併用による「増強療法」や、
頭部に電気を通す「電気けいれん療法」などがおこなわれているが、
これらの療法では有効性もある反面、副作用のリスクが高いことから、
有効性と安全性が高いNeuroStar によるTMS療法に対する期待が大きいと述べています。
帝人ファーマでは2018年度中の販売開始を目指しています。
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うつ病のTMS治療とは
TMS療法は、
専用の治療機器で、脳の背外側前頭葉といわれる部位に磁気刺激を与え、
さらに奥にある感情コントロールを支配している扁桃体へと働きかけます。
磁気刺激により、血流や代謝が活性化され低下した脳機能を調整・回復させる治療法なのです。
有効性については、治療後6ヵ月後でも改善が持続していることが確認されており、長期にわたる有効性が証明されています。
また、うつ病の再発防止にも効果が期待できるといわれています。
治療は、専用の電気刺激機器を頭部に装着し頭部に当てた磁気コイルから非侵襲的に電気刺激を与えるのですが、
もちろん無麻酔で意識を保ったまま施術しますから、施術中には医師とコミュニケーションを取ることも可能で、治療の不安はありません。
うつ病への治療実績が最も多いのは、帝人ファーマが導入を提携したニューロネティクス社のNeuroStar (ニューロスター)で、
NeuroStar はうつ病の治療機器としては唯一、FDAの認可を受けた治療機器なのです。
帝人ファーマのプレスリリースでは、NeuroStar はアメリカの多くの医療機関に800台が導入され、日本でも2017年9月に厚労省に承認された機器だそうです。
NeuroStar による治療では副作用は、
- 治療部位の不快感
- 頭痛
などだけで、
抗うつ薬でみられる全身的な副作用はなく、
抗うつ薬による副作用で治療継続が困難なうつ病患者にとっては新たな選択肢となることが期待されると思われます。
2017年9月に厚労省の承認が得られていることから、既に導入している医療機関もあり、
新宿メンタルクリニック アイランドタワ-(新宿区西新宿 新宿アイランドタワー 24F)ではTMS療法を施術しています。
帝人ファーマのNeuroStarの販売開始に伴い導入する医療機関も増えると思いますが、
導入先が分かり次第、お知らせしたいと思います。
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