冬にうつ病が多いのは日照時間が短いから

ご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

うつ病に苦しんでいる人は国内に100万人以上もいるといわれています。

うつ病は季節によっても発症頻度が異なり、冬はうつ病になる人が多い季節です。

それは、

冬にうつ病が多いのは日照時間が短いからなのです。

赤道近くの地域に住む人は冬季うつ病にならないといわれています。

それはそうでしょう、、

赤道近くの地域では冬はありませんから、、、、

そうなんです。

冬季うつ病は日照時間が大きく関与しているのです。

冬季うつ病の原因は日照時間なのです。

秋から冬にかけて気分がすぐれないと思ったら、積極的に外に出て、

太陽にあたってください。

それが、冬季うつ病を防ぐコツです。

 

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冬にはうつ病が多い

夏は元気だったのに、落ち葉の季節である秋頃から元気が無くなり、冬になったら気分が落ち込んでしまう人が多いのです。

国内のうつ病患者は70万人を超すといわれていますが、うつ病の発症数は季節によっても異なります。

入学や転勤などの多い6月頃も多いのですが、実は、1年でうつ病の発生が多いのは秋から冬にかけてなのです。

 

  • 日照時間が短くなる10月から11月にかけてうつ症状が現れ
  • 日照時間が長くなる3月頃になると回復する

という周期を繰り返すのですが、これは季節性感情障害(SAD季節性うつ病)という医学専門用語があり、別名では冬季うつ病(ウインターブルー)ともいわれます。

 

冬季うつ病では過睡、過食になる傾向が高く、肥満になる、冬太りが特徴です。

冬太りの原因は、ただの運動不足だけではなく、うつ病であるい可能性もあるのです。

 

冬にうつ病が多いのは日照期間が短いから

秋から冬にかけて毎年、うつ症状が現れる季節性うつ病の原因は日照時間の変化です。

北欧では秋から冬にかけて日照時間が短く、フィンランドなどでは冬季うつ病の発症率が人口の10%に上るとの報告もあります。

国内においても、日本海側の地域では季節性うつ病の発症率が高く、日照時間が短い秋から春にかけてうつ症状が出る人もいれば、真冬の一時だけうつ病を発症する人もいるといわれています。

うつ病の原因は仕事や人間関係のストレス、不眠など様々な要因がありますが、冬に発症する季節性うつ病の原因は日照時間の変化であることが明らかになっています。

スウェーデンの研究では冬期うつ病患者を南の島に連れていって日光浴をさせたら数日で回復したとの報告もあるのです。

 


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冬には脳内のセロトニン量が減少する

うつ病の原因は脳内の刺激伝達物質であるセロトニンの量が減少することが大きな要因です。

うつ病の治療薬である、SSRIといわれる薬は脳内のセロトニンを増やす作用がある薬です。

 

冬にはどうしてセロトニンが減少するのでしょうか?

脳内のセロトニンは、セロトニントランスポーターという蛋白質によって回収されるのですが、

デンマークのコペンハーゲン大学の研究グループは、季節性うつ病患者と健常人の脳内セロトニントランスポーターを測定したところ、季節性うつ病患者では脳内のセロトニントランスポーターの量が健常人に比べて5%高くなっていることが判明したのです。

すなわち、セロトニントランスポーターは、セロトニンを回収することで、神経伝達を調節していのですが、セロトニントランスポーター量が増えることによって脳内のセロトニン量が減少し、うつ病の一因になっていると報告しています。

また、睡眠学者の三島和夫氏は、メルボルンの研究者は健常者を対象に、脳内におけるセロトニン利用率(代謝回転)の季節変動を調べたところ、冬期には脳内のセロトニン利用率が低下していたことを明らかにしたと、紹介しています(下記図参照)。

日照時間が短いから冬にうつ病が多い

 

セロトニンを増やして冬うつ病を予防

もうご存じだとは思いますが、うつ病との関係が深いセロトニンとは、脳内神経伝達物質の一つで、精神面の安定性、すなわち、心の落ち着きや安定に影響をもたらす大切な物質で、幸せホルモンなどといわれています。

セロトニンが不足すると、うつ症状だけでなく、怒りやすくなったり、不眠になったり、様々な気分障害を引き起こす原因になります。

セロトニンは食事やサプリメントなどで体外から摂ることはできません。

  • 日光浴でセロトニンを増やす

セロトニンを増やす一番簡単な方法は太陽光を浴びることです。

太陽光を浴びることによって、脳内のセロトニン分泌量が増加するのです。

冬季うつ病は、日射量の不足によりセロトニンが不足することだと原因がはっきりしており、上にも書きましたように、スウェーデンのうつ病患者を南の島に連れて行くだけでうつ病が改善することが分かっているのです。

 

冬には、特に日本海側や東北北海道地方では日照時間が少ないのですが、晴れた日にはできるだけ外に出て、しっかり太陽の光を浴びることで症状が改善方向に向かうことでしょう。

その際には、ウォーキングや軽い体操などの運動を取り入れるとより効果的です。

食生活を見直してセロトニンを増やす

セロトニンは、上にも書きましたように、食事やサプリメントで摂ることはできません。

セロトニンは私達の体内で作られるのです。

セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸から作られるのです。

 

トリプトファンを摂ると冬期に多いうつ病を予防できます

 

必須アミノ酸の一つであるトリプトファンが脳に運ばれてセロトニンが生成されるのですが、トリプトファンは体内で生成することができない必須アミノ酸ですから、食事から体内に摂取する必要があります。

 

トリプトファンを多く含むのは、肉、赤身魚、大豆などのタンパク質やナッツ類ですから、セロトニンを増やすにはトリプトファンを多く含む食物を摂る必要があります

 

せっかくトリプトファンを多く含む食品を食べても、ビタミンB6がなければトリプトファンは充分に吸収されませんからビタミンB6の摂取も必要です。

ビタミンB6は、バナナ、さつまいも、ワカメ、緑黄色野菜などに多く含まれますから、これらも一緒にバランスよく食べることで、セロトニン不足が解消されるのです。

また、上の図にも示しましたが、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促進する働きがありますから、セロトニンが増えれば、不眠も解消し、質の高い睡眠を取ることができるのです。
冬季うつ病は自覚しにくいことが多いのですが、秋になって気分が落ち込んだり感傷的ななったりしたら冬期うつ病かも知れません。

 

また、冬季うつ病では太りやすいのも特徴ですから冬太りは冬季うつ病のサインかも知れません。
もしかしたら冬季うつ病かもと思ったら、食生活を見直し、晴れた日はできるだけ外に出て太陽の光を浴びてください。

 


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