神戸大学はうつ病を予防・改善する食品を発見
ご覧になっていただきありありがとうございます。
臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。
今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。
目次
はじめに
神戸大学は「うつ病を予防・改善する物質を発見した」とプレスリリースしました。
その物質とはLHジペプチドというアミノ酸なのですが、
LHジペプチドは脳内の炎症を抑制してうつ病の予防や改善に効果があるというのです。
神戸大学ではLHジペプチドを多く含む食品で人での実証実験をおこなうとしていますが、
LHジペプチドが含まれる食品とは、、、
神戸大学はうつ病を予防・改善する物質を発見
神戸大とキリンホールディングスの研究グループは、
脳内の炎症を抑制してうつ病を予防する物質を発見した
と発表しました。
詳しく見る ⇒ 神戸大学プレスリリース
研究グループは、
最近の研究ではうつ病患者における脳内の炎症に関する報告が多く、
脳内の炎症を抑制することによりうつ病の予防や改善の可能性があるとして、
336種類の蛋白質を構成するペプチドを調べた結果、
- LHジペプチドがTNF-αなどの炎症性サイトカインの産生を抑制する
ことを発見し、
うつ病の動物モデルに経口投与したところ、
- ストレスによるうつ様行動や不安様行動を抑制する
ことを確認したというのです。
この研究成果は学術雑誌Nutrients(コチラ)に掲載されました。
Leucine–histidine dipeptide attenuates microglial activation and emotional disturbances induced by brain inflammation and repeated social defeat stress”
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うつ病を予防・改善する食べ物
神戸大学では、今回の研究により、
LHジペプチドがうつ様行動を改善する
ということが明らかになったことから、
LHジペプチドをたくさん含んだ食品を用いてヒトでの効果を検証し、
日常生活を通じたうつ病の予防方法を開発するとしています。
うつ病を予防改善するLHジペプチドを含んだ食品
このように、神戸大学では、
LHジペプチドをたくさん含んだ食品を用いてヒトでの効果を検証する
としているのですが、
LHジペプチドをたくさん含んだ食品とはどんな食品なのでしょうか?
LHジペプチドというアミノ酸は、
- 納豆
- 酒粕
- 青カビチーズ
などの特定の発酵食品に多く含まれているのです。
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発酵食品はうつ病に良い
発酵食品はプロバイオテクスといわれ、うつ病の予防にも効果的な食品なのです。
アメリカのメリーランド大学の研究グループは、
心理学コースの学生700名を対象に、
過去30日間における、
- 発酵食品を食べた量
- 野菜を食べた量
- 運動の頻度
をアンケート調査したところ、
- 発酵食品をたくさん食べた人ほど社会不安が低かった
- 発酵食品の効果は神経質な人でほど明らかだった
ということが明らかになったとの研究論文を発表しています。
詳しく見る ⇒ うつ病に併発する不安障害には発酵食品が良い
プロバイオテクスというのは、
人体に良い影響を与える微生物やそれらを含む食品のこと
なのですが、
脳と腸とは「脳腸軸」といわれるほど密接な関係に有り、
腸内環境を改善すれば、不安、ストレス、うつ病などの脳や心の健康状態も改善するというのです。
まとめ
発酵食品はプロバイオテクスといわれうつ病の予防に効果的な食品です。
など、
このサイトでもプロバイオテクスについては何回もお知らせしてきましたが、
今回の神戸大学の研究成果も、
発酵食品はうつ病の予防や改善に効果がある
という結論のようです。