産後うつは産後2週までが要注意
産後うつによる妊産婦の自殺が多いでもお知らせしたように、
東京都監察医務院と順天堂大学の調査で、
東京都内で過去10年間に、産後1年以内に自殺した妊産婦が63名もいることが判明しています。
そして、
産後うつなどの精神的疾患に罹患していた妊産婦は、
- 妊娠期では40%、
- 産褥期では60%
と高頻度であることを指摘しています。
このたび厚生労働省は、
妊産婦の4%が精神的なケアが必要で、
産後2週間までが最も産後うつなどの危険が高いと発表しました。
4万人の妊婦が産後うつに注意が必要
厚生労働省の研究班は、
妊産婦の4%が精神的なケアを必要としている
という調査結果を発表しています。
国内では毎年約100万人が出産していることから、
精神的な支援が必要な妊産婦は約4万人
もいると推定されるというのです。
この調査は、日本医大の中井章人教授らが中心になっておこなったもので、
- 全国の産科病院など2453施設
を対象にアンケートしたものですが、
- メンタルヘルスケアが必要と判断された妊産婦が、
- 38,895人のなかで1,551人もいる
もいることが明らかになったのです。
すなわち、
妊産婦の4%が産後うつなどの危険があるというのです。
メンタルヘルスのケアが必要だと診断された1,551人の妊婦の中で、
妊娠により初めて精神疾患を発症した妊産婦は381人(25%)だったそうなのですが、
- 10代と20代の若い妊産婦が多い
ことが特徴で、
- 結婚していない
- 貧困である
- 実母と折り合いが悪い
という問題を抱えていたそうなのです。
研究グループは、
症状が軽いために見過ごされている人を含めるともっと多い
としており、産科と精神科の連携の必要性を訴えているのです。
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産後2週間までが産後うつの危険が高い
厚生労働省は昨年11月から、
妊産婦の心の健康に関する全国調査
を行っていたがその結果を明らかにし、
- 妊産婦の半数以上が身体のトラブルに不安を抱いている
- 不安や負担を感じるのは産後2週未満がピーク
ことが判明したと発表しました。
この調査は、
2017年11月~2018年1月まで、
- 産後3~4ヵ月の妊産婦 : 4,541人
を対象にしたもので、
出産前後の、
- 妊娠中
- 産後2週未満
- 産後2~8週
- 産後3~4ヵ月
の各時期において、
- 身体的な不安や負担を感じたか?
ということを調べたのです。
その結果、
- 産後2週未満において
- 半数の産婦が
- 不安や負担を感じている
ことが明らかになったのです。
不安や負担の具体的な内容は、
- 身体のトラブル : 56%
- 十分な睡眠がとれない : 54%
- 妊娠・出産・育児による身体の疲れ : 53%
というものでした。
その他にも、
- 孤独だ : 12%
と感じている産婦も多く、
特に20~24歳の産婦では他の年代よりも「孤独だ」と感じている人が多かったそうです。
妊産婦の10人に1人が産後うつを患う病と言われています。
待望の赤ちゃんが生まれたにもかかわらず、
- 赤ちゃんを可愛いと思えない
- 育て方が分からない
- 育児に自信が持てない
などの、不安や孤独感にさいなまれ、
ノイローゼ気味になってしまう妊産婦が多いのです。
今回の厚生労働省の調査では、
- 妊産婦の4%が精神的なケアが必要
- 産後2週未満に半数の産婦が心身のトラブルを抱えている
と言うことが明らかになったのです。
産後にはマタニティーブルーといって大部分の産婦が気分の落ち込みを感じるのですが、
マタニティーブルーはホルモンの急激な変化に伴う変化で程なく回復するのですが、
産後2週間は、マタニティブルーから産後うつに陥らないように充分気を付けてください。