青魚を食べている人はうつ病になりにくい

今日もご覧になっていただきありありがとうございます。

臨床の経験はないのですが20年以上にわたって製薬会社で精神疾患の新薬の研究開発を行っていた医学博士の けんぞう です。

今日も科学的根拠に基づいた精神疾患関連の情報をお伝えいたします。

 

はじめに

今日の朝刊をご覧になりましたか?

 いつも魚を食べている人はうつ病になりにくい

というのです。

青魚をたくさん食べればうつ病のリスクが低い

これは、国立がん研究センターと慶応大学の研究グループが疫学調査で明らかにし、

明日にアメリカの精神医学専門誌に発表されるそうです。

あなたは魚を食べていますか?

うつ病を予防するためには、

  1. どんな魚を食べたら良いのか?
  2. どれくらい食べたら良いのか?

調べてみました。

 

Sponsored Link

 

青魚を食べる人はうつ病になりにくい

この研究をおこなったのは、

国立がん研究センターと慶応大学の研究グループで、

明日、アメリカの精神医学専門誌Translational Psychiatryに掲載されるとのことです。

 

研究グループは、

  • 長野県佐久市に住む40~59歳の男女1181人を対象に、
  • 1990年から25年間追跡調査

したのです。

 

その結果、

95人(8%)がうつ病と診断されたのです。

 

そこで、

食生活のアンケート調査により、

1日の魚の摂取量により、

  1.  57g 程度
  2.  84g 程度
  3.  111g 程度
  4.  153g 程度

の4群に分け、

  魚の摂取量とうつ病の発症の関係

を調べたところ、

魚を111g食べている群のうつ病の発症は57g群より56%少ない

ということが判明したというのです。

 

さらに、

EPAの摂取量でも同じような結果が得られたとのことです。

 

研究グループは、

心の健康を保つために1日100g程度の魚を食べて欲しいとコメントしています。

ちなみに、

  • サバの切り身は  80g程度
  • イワシ1匹は  80~100g程度

だそうです。

 


Sponsored Link

 

青魚を食べるとうつ病の予防になる

魚を食べるひとはうつ病になりにくいということは、

今回の国立がん研究所の研究ではじめて分かったことではありません。

 

このサイトでは何回も書きましたように、

魚を食べるとうつ病の予防になる

ということに関しては多くの研究報告があるのです。

 

海外の研究では、中国の青島大学の研究グループは、

16件の研究論文を分析し、合計計15万278人を対象に魚の摂取量とうつ病の発症について調べたのですが、

魚を最も多く食べた人はうつ病の発症リスクが17%低下する

ことが判明したと報告しています。

 

国内においても、日本医科大学の研究グループは、

魚に含まれる長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸にはうつ病を予防する効果がある

と発表しています。

詳しく読む ⇒ 魚を食べるとうつ病の予防になる

 

青魚はうつ病を予防する

魚の中でも、青魚と呼ばれるサバ、イワシなどには

  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)

などの脂肪酸が多く含まれ、うつ病に予防的に働くことが多くの研究で立証されています。

 

青魚にはうつ病の予防効果がある

 

人間の脂肪(脂質)は4つに分けられます。

  1.   中性脂肪
  2. コレステロール
  3.   脂肪酸
    ●  飽和脂肪酸
    ●  不飽和脂肪酸
  4.   リン脂質

 

その中の不飽和脂肪酸は体内で作ることができないことから食事から摂る必要があるのです。

不飽和脂肪酸には、

  1. n-3系(オメガ3) : α-リノレン酸 → EPA、DHA、IPAに変わる
  2. n-6系(オメガ6) : リノール酸  → アラキドン酸やエイコサノイドに変わる

の2つが有りますが、

n-3系といわれるα-リノレン酸は体内でEPA、DHA、IPAに変わるのです。

 

脳内のセロトニンの減少やドーパミンの不足がうつ病を引き起こす

と考えられているのですが、

n-3系の不飽和脂肪酸は脳のセロトニンやドーパミンの分泌を促すと見られており、

うつ病ではn-3系の不飽和脂肪酸が不足していることが原因だとも言われているのです。

詳しく読む ⇒ うつ病と不飽和脂肪酸

 

n-3系の不飽和脂肪酸やEPA、DHAを多く含む食品は、

魚では、

 

  1. イワシ
  2. マグロ
  3. サバ
  4. ブリ
  5. サンマ

油では、

  1. しそ油
  2. 亜麻仁油
  3. えごま油

などですが、

クルミにも多くのn-3系の不飽和脂肪酸が含まれ、

クルミはうつ病に良い成分が多い

という記事を書きましたが読んでいただけましたでしょうか?

さらに、クルミにはトリプトファンも多く含まれるのですが、

トリプトファンはセロトニンの原料なのです。

 

青魚やクルミをたくさん食べればうつ病を予防できる

 

トリプトファンは体内では作りことができない必須アミノ酸ですから、食品から摂る必要があるのです。

 

 

青魚を食べればうつ病の予防や改善が期待できることは多くの研究で明らかにされています

n-3系脂肪酸であるDHAやEPAは神経細胞に働いてストレスを緩和させる働きがあると考えられているのです。

サバやイワシなどの青魚はこれから脂がのって美味しくなる季節です。

積極的に青魚やクルミを食べてください。

 


Sponsored Link

 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ