非定型うつ病はうつ病ですが症状が違います
うつ病ではゆううつな気分が長く続く病気です。
非定型うつ病でもゆうつな気分がずっと続くのですが、
楽しいことや嬉しいことがあると気分が晴れるのです。
非定型うつ病は従来のうつ病とは少し異なることから非定型うつ病と言われるのです。
非定型うつ病では「気分変調性」が特徴であるため、
- 甘えてる
- 仮病
などと周囲に誤解されてしまうことが多いのですが、れっきとしたうつ病です。
非定型うつ病は10~30歳代の女性に多いと言われます。
- ゆううつな気分が続くが夕方になると気が晴れる
というようなら非定型うつ病かもしれません。
非定型うつ病もうつ病の中の一つ
非定型うつ病とは定型うつ病とは異なったうつ病のことです。
定型うつ病とは、典型的なうつ病で、メランコリー親和型うつ病や内因性うつ病と呼ばれるる既存のうつ病です。
非定型うつ病もうつ病の中の一つなのですが、
非定型うつ病では症状が従来の定型うつ病と少し異なることから非定型うつ病と呼ばれているのです。
いわば、うつ病のサブタイプの一つなのです。
従来のうつ病である定型うつ病では、
気分が落ち込む抑うつ状態が数週間から数カ月単位で続くことが多いのですが、
非定型うつ病では気分の変動が激しく、気分が落ち込んでいても、嬉しいことや楽しいことがあると一転して気分が晴れて活発な活動ができるようになったりするのです。
したがって、会社で仕事中は抑うつな状態で落ち込んでしまい充分に仕事ができなくても、勤務時間が終了するアフタファイブではウキウキとしだしたりすることから、ナマケ病や仮病だと思われたりするのですが、
非定型うつ病もれっきとした精神障害ですからきちんと対処する必要があるのです。
非定型うつ病と定型うつ病の症状の違い
非定型うつ病もうつ病の一つですから抑うつな症状があり、基本的にはうつ病の診断基準に書いてあるような症状が出現します。
しかし、
定型うつ病では朝方にツライことが多いのですが、非定型うつ病では夕方から夜がツライなどの違いがあります。
では、非定型うつ病と定型うつ病の症状の違いを見てみましょう。
定型うつ病 | 非定型うつ病 | |
抑うつ気分 | ほぼ毎日 ほぼ一日中 朝に悪化 |
良いことがあると気分が良くなる 夕方から夜に悪化 |
活動意欲 | 全ての活動に意欲がない | 好きなことには活動できる |
睡眠 | 早朝に目覚める | 夜中に目覚める 睡眠時間は長い |
食欲 | 食欲や体重減少 | 食欲や体重増加がある |
罪悪感 | 自分を責める | 他人を責める |
精神運動 | 集中力や決断力が低下 | 衝動性 イライラ感 |
いかがでしょう。
非定型うつ病もは、うつ病の中の一つですが症状の特徴は定型うつ病とは大きく異なるのです。
上に上げた特徴の他にも、
非定型うつ病では、
- 責任ある立場になりたがらない
- 責任を他人のせいにする
- うつ病であることを隠さず周りに公言する
- 嫌いなことでは症状が出るが好きなことでは症状が出ない
などがあり、
周囲からは甘えているなどと非難されることも少なくないのですが、非定型うつ病も精神疾患なのです。
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非定型うつ病とうつ病の診断の違い
非定型うつ病もうつ病ですが、症状の特徴が従来のうつ病と異なるために、
自分はうつ病ではないんだと考えてしまうことも多いのです。
定型うつ病の診断では、
この2週間以上の間に、
- 気分が落ち込む
- 何も楽しくなく、興味が持てない
- 食欲が増す、あるいは減少する
- 不眠や過眠がある
- 疲れやすいくいつもだるい
- 思うように身体が動かない
- 焦りやイライラ感がある
- 自分に価値がないダメな人間だと思ってしまう
- 死にたいとおもう
などがあるかどうかで判断します。
詳しく読む ⇒ うつ病を自己診断する
非定型うつ病もうつ病ですのですから上記のような症状の有無で診断しますが、
非定型うつ病では定型うつ病と比べて症状の出方が異なりますから、
この2週間で、
- ゆううつな時間が長いが良いことや楽しいことがあると気分が良くなる
- 著しい体重増加や食欲の増加があった
- 横になっている時間も含め10時間以上睡眠をとっている
- 体がだるくて動く気がしない
- 周りに拒絶されたり批判しされたときにひどく落ち込んだり怒ったりした
というような症状が目安になるのです。
非定型うつ病では気分反応性がある
非定型うつ病の最大の特徴は気分反応性です。
定型うつ病では、基本的に気分が落ち込んだままの「抑うつな気分」が続き、以前は楽しいと思っていたことも楽しくなく、以前は興味があったものも興味が無くなってしまいます。
これは、「興味と喜びの喪失」といわれます。
しかし、非定型うつ病では、
楽しいことや嬉しいことがあると落ち込んだ気分がとたんに改善する
という特徴があるのです。
定型うつ病では必ずみられる「興味と喜びの喪失」は非定型うつ病ではほとんど認められないのです。
会社のストレスが原因になったうつ病では、
定型うつ病でも非定型うつ病でも出勤前や仕事中は抑うつ気分に陥ります。
定型うつ病では仕事時間が終わっても抑うつな気分が続くのですが、
非定型うつ病では、勤務時間が終わればウキウキと、遊びに行ったり同僚と飲みに行ったりすることができるのです。
非定型うつ病は10~30代女性に多くみられるといわれます。
非定型うつ病で特徴的な気分反応性は「甘え」や「ズル」だと周囲からと誤解されてしまうことも多いのですが、
非定型うつ病もれっきとしてうつ病なのです。
確かに、嫌なことになると気分が落ち込み、楽しい時だけ元気になるのは、嫌なことから都合良く逃げていると疑われてしまうことも多いのです。
しかし、非定型うつ病は「甘え」や「ズル」ではなく、
自分自身で制御できない、精神コントロールの変調によるものなのです。
もし、あなたの気分変調が非定型うつ病に相当するなら必ず専門医に相談してください。
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